2018年12月24日月曜日

介護福祉コース 「食のバリアフリー」って知っていますか?





 11月27日(火)は、1年生と2年生合同で授業が開講され、ゲスト講師に医療法人社団・社会福祉法人あと会グループの岡﨑さんと鶴田さんにお越しいただき、お話を聞かせていただきました。
 医療法人社団・社会福祉法人あと会グループは広島市安芸区を中心に、特別養護老人ホームや老人福祉施設、グループホームなど35の事業を展開し、様々な介護サービスを提供している法人です。
 あと会グループさんでは、2007年から『凍結含浸法』(広島県食品工業技術センターの特許技術<2005年特許取得>)を使った料理を利用者さんに提供しているそうです。凍結含浸法とは、緩慢凍結した後、酵素の力を使って食材の形は崩さず、けれど舌や歯茎でもすりつぶせるほど食材を柔らかくする、近年注目されている調理法のことです。今回、凍結含浸法を使って調理されたハンバーグや煮物、卵焼きの試食させていただきました。



 高齢者や咀嚼・嚥下が困難な方々には、普通の食事を刻んだ『きざみ食』やさらに刻んだ『極きざみ食』、食材をミキサーにかけてペースト状にした『ミキサー食』などを提供していることが多いのですが、きざみ食やミキサー食は食材の本来の形が残っていません。そういった食事では、何を食べているのかがわからないだけでなく、見た目の「美味しそう!」を感じることは、残念ながら少ないかもしれません。
 凍結含浸法による食事は、きざみ食やミキサー食と同じくらい、食べやすい軟らかさにも関わらず、普通食とまったく同じ見た目なのはもちろん、味や香りもほとんど変わりがないのだそうです。試食させていただいた学生達からは、ひと口食べた瞬間から「美味し~い!」の声があがりました。

 あと会グループさんでは、凍結含浸法の食事を提供するようになってから利用者さんたちの食事に対する意欲か改善したそうです。食事は、エネルギーや栄養源を摂取する目的としても大事ですが、せっかく食べるなら楽しんで食べたいですよね。そのためには、味だけでなく食べる意欲がわく見た目であることも大切なこと。高齢者や咀嚼・嚥下が困難な方々にも、見た目に美しい食事を、楽しく不自由なく食べられる「食のバリアフリー」化が、愛媛県でももっと進んでいくといいですね。

 学生たちは、貴重な体験をさせていただき、学びを深めることができました。


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