2025年5月1日木曜日

今治西高校で出張講義(4月23日)

 昨年度につづき、今治西高校2年生の「総合的な探究の時間ZEST」において、本学地域連携センター長の大成経凡先生が出張講義を行いました。同校では令和8年度から国際科コースを新設予定で、その準備段階としてZESTの中に国際的視野を醸成するための探究授業を設けております。その一つが、大成先生の〝今治の地域課題と向き合い、その解決方法を模索する授業〟であります。昨年度は「外国人にやさしいまち」「方言の価値を見直そう」「特産物を広くPRしよう」などのテーマがありました。グループごとに分かれて探究を進めた結果、最終的にプレゼンの大会に出場する班もありました。

 今年度は各グループ4人ずつ20人の生徒が受講しますが、昨年一人だった男子生徒が数人増えていました。この日は、各班の代表が研究テーマや課題の現状把握について発表し、研究の進め方などを大成先生に質問しました。各班のテーマは、1班「今治サイクリングの新たな未来~世界に魅力を伝えるには~」・2班「多文化共生でよりよい今治にしよう」・3班「今治の特産品を海外へ」・4班「今治と姉妹都市の名物でコラボしてお互いにアピールしよう!」・5班「外国人サイクリストに今治の食について知ってもらおう」というものでした。


講義の様子

 1班と5班については、実際に海外のサイクリスト(インバウンド)から、どこで、どのような内容のヒアリングをすればいいのか質問がありました。これに対し、大成先生自身も、道の駅や橋の出入口などで待ち構えて、ヒアリングを行ってみたいという希望を持っているようで、一緒にチャレンジしてみようかという提案がありました。まさに「YOUは何しにSHIMANAMIへ?」であります(笑)。YOUの出身国は? 来日の目的は? どのくらい滞在予定か? 他の観光地はどこを訪ねたか、これから訪ねるのか? 日本で楽しみにしている食べ物は? 今治の印象は? 今治での宿泊を予定しているのか? まずは、彼らのニーズを知らないと、課題解決に向けた方策も描けません。

 2班については、今年度から今治市役所市民参画課内に多文化・共生社会推進室が新たに設けられた情報を伝えました。減りゆく市の人口に対して、産業界から人材不足を嘆く声があがっています。これを技能実習生だけでカバーするというのでは、根本的解決にはいたりません。外国人労働者が家族と一緒に住みたいと思えるまちに変えていくとすれば、それには一体何が必要か。本学の卒業生の中には、N2(日本語能力検定2級)を取得して、通訳の就労ビザで今治市内の企業に就職している中国人らがいます。彼らの中には、将来的に日本へ家族を呼び寄せたいという希望を持つものもいます。卒業生どうしが結婚して、今治市内の同じ職場で働いている中国人もいます。その卒業生たちに共通するのは、今治市が好きだということです。好きになるためには、そうした機会を在学中につくる必要があり、大成先生の学外授業にはそのねらいもあるようです。


各班の探究テーマ

 以上のように、各班にアドバイスをすることで、大成先生は自己紹介に替えさせていただいたようです。50分授業はあっという間です。今後は50分授業を1回、50分2回連続授業を2回予定しており、プレゼンテーション能力の向上も図っていけたらと思います。本学では、来年度から地域未来創生コースを新設予定ですが、ZESTがそれに向けた試金石となれば幸いです。

大成先生