学生からの要望もあって、6月16日(月曜)の「日本を学ぶⅠ」(大成経凡先生)は、2コマ連続の学外授業を実施しました。しかし本授業でネックとなっているのが、月曜日に市内の博物館は休館日が多いこと。また、履修生が46名のため、学園バス1台では定員オーバー。同行教員を一人増やして、もう1台車を出動させる必要があるのです。そんな中、年中無休の博物館がありました。今治城天守です!今治城の模擬天守は、市制60周年を記念して昭和55(1980)年に建てられた鉄筋コンクリート造の博物館となります。6階建ての最上階は展望所の役目も担っていて、今春入学した留学生たちは、そこから初めて眺める市街や港の景観を楽しむことができたようです。
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今治城天守6階 |
今回は、展示物についてもじっくり鑑賞する時間を与えました。同館の資料は、今治城を築かせた藤堂高虎関係のものよりも、藤堂家が伊賀・伊勢国(現、三重県)へ移封された後に入部した久松松平家に関係する資料の方が多く見られます。今治藩主が徳川幕府から領地支配を認められた書状や今治城の江戸時代の絵図など、歴史通にはたまらない資料がいくつも展示されています。留学生の履修生が多いことで、それら一つ一つの価値を解説することはできませんが、日本の歴史博物館がどのようなものかを、今回の見学で感じとってもらえたなら幸いです。この日は45名の学生が参観し、国別内訳は日本5・中国12・スリランカ2・インドネシア3・ミャンマー23というものでした。
正面入口の大手門にあたる鉄御門(くろがねごもん)の中も見学しました。クランクした枡形虎口(ますがたこぐち)の仕組みを、内観・外観それぞれから感じとってもらいました。大手門の石垣パーツによく見られる大石(鏡石)にも注目し、示威的な意味を持たせていることを知ってもらいました。今治城では、その大石を〝勘兵衛石〟(かんべえいし)と称し、築城奉行の渡辺勘兵衛の名から付けたようです。
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鉄御門と勘兵衛石 |
なお、この日は、西条市内の観測所が全国一の暑さ36.5度を記録し、強い日射しとエアコンのない模擬天守の暑さ等で、軽い熱中症にかかる女子学生もいました。今年の夏も、酷暑が予想される中、本授業は学外授業をあと2回実施予定です。学生たちの体調にも配慮しながら、モチベーションの維持にも努めて参りたいと思います。
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藤堂高虎像と今治城模擬天守 |