2025年5月29日木曜日

幼児教育学科 令和7年度 第1回 FC今治コラボ授業の実施報告

 幼児教育学科では、FC今治ホームグロウンコーチと共に学び合うことを通して子どもたちが主体的に身体を動かすことを楽しめるようなかかわりができる保育者になることを目指し、「FC今治コラボ授業」を実施しています。

今回は、1年生が体験した今年度第1回目の「FC今治コラボ授業」の実施報告です。まずは、FC今治ホームグロウンコーチによるサッカー教室から子どもたちへの言葉がけやかかわり、活動の進め方を学ぶことが目標です。

5月9日、近見虎岳幼稚園にて開催された、コーチ4名による、年長児のサッカー教室に参加させていただきました。この日は小雨の降る天気で、幼稚園の室内ホールでの実施となりました。

コーチたちの自己紹介、子どもたちとの関係作りに始まり、準備体操としての「クラッキ!ダンス」、忍者あそび、足を使ったボール遊びから友達とのコミュニケーションを目的としたボール遊びへ。そして、最後にはサッカーのミニゲームをする展開でした。






学生たちにとっても、楽しみながら多くのことが学べるプログラムでした。学生のレポートをもとに学生たちの学びを要約します。

「コーチのインパクトのある自己紹介に子どもたちが惹きつけられていく姿を見て、最初に楽しい雰囲気や親近感を出すこと、子どもたちの活動スペース、視界の確保や保護、こまめな水分補給の呼びかけなどの安全面への配慮に気付くことができました。また、一人ひとりの子どもの名前を呼んだり、タイミングよく声をかけたりしながら、順をおってミニゲームにつなげていく展開を見て、子どもたちが自らやってみようとする気持ちを引き出すとともにチームでの達成感も感じることができることを学びました。今日の学びを今後の自分たちの実践に役立てていきたいと思います。」

 コーチの皆様、近見虎岳幼稚園の園児、保育者の皆様、本当にありがとうございました。

 今年度第2回FCコラボ授業は7月に予定しています。次も楽しみです。







2025年5月28日水曜日

大学公開講座 南海トラフ地震に備えた防災講座(5月23日)

 5月23日、今治市防災危機管理課参事補の福田一弘氏を講師に迎え、「南海トラフ地震被害想定に対し私たちにできること」のテーマで大学公開講座を開催したところ、65名(うち一般20名)の参加者がありました。本講座は、毎年恒例となっている介護福祉コース主催の防災講座で、同コース1・2年生以外に、幼児教育学科1年生と教職員有志も参加しました。

 講座の内容は、「①そもそも南海トラフ地震とは?」「②南海トラフ地震臨時情報とは?」「③今治市の被害想定」「④私たちにできること」の4つの項目で構成されました。①②では、南海トラフ地震の定義やメカニズムを通して、避けては通れない大地震が起きる危機意識を共有しました。2025年度に国が13年ぶりに被害想定を見直し、津波による死者は29万8000人(うち愛媛県2万4000人)に増加するとの想定を発表しました。そして、昨年の講座でも視聴しましたが、震度6の揺れがどんなものか、東日本大震災の映像を流しました。南海トラフ地震の場合も、震度5~6の揺れが想定されるため、学生たちの顔色が変わり、身の引き締まる思いでした。

講師の福田氏(壇上)

③では今治市の災害リスクを震度・液状化・津波などから紹介し、④では日頃から備えておくべき物心両面での知識を学びました。地震で停電が起きれば、キャッシュレスでの買い物ができなくなるため、現金の持ち合わせが必要なこと。防災セットを日頃から備えて、ローリングストックを実践すること。家族で、災害発生時の対応(集合場所・避難経路・連絡手段)を話し合うこと。今治市や気象庁の防災情報を入手・利用することなど、私たちが取り組める備えを確認することができました。会場に持参いただいた非常食・ポータブルトイレ・避難所テントなども見学し、備えの意識が深まったように思います。配布資料の中には、今治市が巨大地震に備えて設けている〝昭和56年5月以前に建築された木造住宅〟の耐震診断・耐震改修設計・耐震改修などの補助事業の案内もありました。



将来、保育士や介護福祉士の道へ進む学生たちは、災害弱者となりやすい幼児や高齢者らを相手にした職場環境が待っています。最後に講師の福田氏からは、「自分が助からなければ、他人を助けることはできない。だから、まずは災害への備えとして知識と経験を積んで欲しい」とのことでした。本学には留学生が多いため、寮に住む留学生を対象にした防災講座を実施する必要性も感じました。



避難所テントを見学






2025年5月23日金曜日

介護福祉コース  バラ祭りでうどんのお接待

 5月17日・18日によしうみバラ公園(今治市吉海町)で開催された「バラ祭りよしうみ2025」に、介護福祉コースの学生・教員19名が参加しました。

 昨年同様、島四国の普及啓発をはかるNPO法人アクションアイランド代表・矢野都林さんのブースにて、うどんのお接待をさせていただき、17日は8名の学生と教員1名、28日は9名の学生と教員1名がうどんの調理と配膳で地域のイベントで貴重な経験を積むことができました。矢野さんには、4月の島四国のお接待でも、ボランティア活動の場を提供いただき、住民との交流で学生たちは伝統行事の良さを再考する場ともなりました。

うどんのお接待

笑顔でお接待!

 今回は、うどんには値段がついておらず、島四国のとき同様、ボランティア精神を鍛える良い機会となりました。「うどん、いかがですか?」と呼びかけするも、興味を示したお客様に次にどんな声かけや表情を見せればいいのかは、とても難しいことです。飲食のアルバイトに慣れている2年生男子は、調理も声かけも手慣れた様子でした。インドネシア留学生たちの声かけも威勢が良く、活気が伝わってきました。大島在住のくすのき会OGの来店もあり、後輩たちの頑張りを喜んで下さいました。〝めいたん、ここにあり!〟を会場で示しせたかと思います。

具材を盛り付け中

店頭の売り子さん(留学生)

 2日目午後には、オープンキャンパスの今治魅力発見ツアー一行が13:30頃に駆けつけましたが、もう完売寸前。島で採取したワカメが品切れで、揚げだけの「すうどん」となっていました。シャキシャキッとした食感のワカメが年輩者には好評で、脂っこいものが多い会場の出店にあって、あっさりとしたうどんがとても喜ばれました。「ありがとう!」の感謝の言葉に対して、学生たちも「ありがとうございました!」の言葉を返し、そばで見ていてホッコリした気分になりました。


オープンキャンパスツアーご一行

 現在、介護福祉コースには、日本人7名・留学生11名(中国3・インドネシア8)の合計18名の学生が学んでいます。介護の勉強をしながら、国際交流も経験することができます。次回のオープンキャンパスは6月15日(日曜)を予定。ぜひ、ご参加ください。



2025年5月22日木曜日

5月オープンキャンパス開催(5月18日)

 5月18日(日曜)に5月オープンキャンパス(来学型)を開催したところ、高校生17名(これ以外に保護者14名)の参加がありました。ちょうどこの時期は、中間テストや県総体を控えて集客はあまり期待できませんが、参加者のほとんどが3年生でした。出迎えるキャンナビは、いつものように「めいたんプロモーションクルー」(プロモクルー)が務めましたが、昨年の今頃は皆勤賞のように参加していた西原渉君(新居浜南高出身)と三宅奏さん(鹿島朝日高校出身)が、今回は逆の立場(在学生)で参加。盛り上げ役に徹してくれている姿に、〝変わろうとするめいたん〟が垣間見えたような気がします。留学生も、これまで一人だったスリランカ人のマルシャさん以外に、ネパール人3名が新メンバーに加わりました。2年生は、昨年よりも引っ張る意識が芽生えたようで、この経験を就活につなげて欲しいと思います。

 さて、今回は学校紹介(大成経凡先生)・キャンパスツアーの後、幼児教育学科(11名)・調理ビジネスコース(5名)・国際観光ビジネスコース(1名)で50分の体験授業が行われました。それぞれのテーマは幼児教育学科「楽しくなければ幼児教育じゃない」(井上浩二先生・岡田奈恵美先生)・調理ビジネスコース「ふわとろオムライスに挑戦」(竹田貴好先生・大西望先生)・国際観光ビジネスコース「便利にパソコンを使おう」(角田泰啓先生)というものでした。幼教の教室をのぞくと、岡田先生が身体を使った遊戯をしていて、参加者が実践的な授業を楽しむ様子が伝わってきました。保護者の方も一緒になって楽しんでいて、童心に返ったような空気に包まれていました。


カフェタイム

 カフェタイムは、幼児教育学科と国際観光ビジネスコースは同じ教室で軽食(サンドウィッチorおにぎり)をいただき、調理ビジネスコースは自ら作ったオムレツを調理実習室で保護者と一緒にいただきました。この場には教職員・プロモクルーも加わり、和気あいあいと会話を楽しみながら、めいたんの雰囲気を感じ取ってもらいました。少人数だけに、先輩や教職員との距離が近いという良さがあります。2年という時間があっという間に過ぎていく短大にあって、これを充実した時間に変えていくには、その人に合った環境がとても大切になってきます。それを事前に見極めるのが来学型オープンキャンパスとなります。ありのままの〝めいたん〟を楽しんでいただけたらと思います。

 12時半頃に終了となったオープンキャンパスですが、午後は大成経凡先生ナビの今治魅力発見ツアーもありました。これは希望者だけの参加ですが、1名の参加があり、プロモクルーのメンバーたちと介護福祉コースB班がうどん接待のボランティアに励む「よしうみバラ公園」を訪ねました。ちょうどバラ祭りをやっていて、本学幼児教育学科OGの空山葉月さんが代表を務めるダンススタジオ「studio Freedom」の演技も鑑賞できました。そして1時間余りバラ祭りを楽しんだ後は、癒しの絶景スポットの亀老山展望台へ。参加した高校生は初めての訪問となり、とても感激した様子でした。


よしうみバラ祭り(今治ツアー)

亀老山展望台(今治ツアー)

次回のオープンキャンパスは6月15日(日曜)開催を予定しています。午後のツアーにも、ぜひご参加いただけたらと思います。「地域未来創生コース」の授業を想定し、地域探究につながる魅力スポットを訪ねたいと思います。


2025年5月20日火曜日

授業紹介 「地域活性化論」  花盛りのよしうみバラ公園へ(5月15日)

 5月17・18日に「バラ祭りよしうみ2025」のイベントを控える中、15日午後に「地域活性化論」(大成経凡先生)の学外授業で今治市大島のよしうみバラ公園を訪ねました。履修生41名全員が参加し、国別内訳はミャンマー29・日本8・中国4となります。参加者のほぼ全員が、同園のバラ観賞は初めてのことでした。まだ7割のバラしか咲いていませんでしたが、平日ということで混雑もなく、落ち着いて観賞できたのが良かったです。


よしうみバラ公園

1時間弱の自由時間は、バラを傷つけないことと一般観光客に迷惑をかけないこと以外、特に制約は設けませんでした。お気に入りのバラを見つけたら撮影し、SNSで発信するもよし。喉の渇きを潤すなら、アイスクリーム(ソフト&ジェラート)やかき氷を食べるもよし。意外だったのが、お腹が減ったから、露店で芋菓子やフライドポテトを購入する学生がいたこと。ミャンマー男子は、日本の遊具に興味をもったようで、バラとは違う方向へ移動し、サクラの木陰に座り込んで涼をとるものもいました(木陰で休むのはミャンマーの習慣?)。中国女子からは、「ここのバラは食べてもいいんですか?」の質問が(⁉)。中国では、バラの花びらを食用とする文化があるようです(!)。

よしうみバラ公園

総じて、学生たちの行動を観察すると、〝バラよりアイス〟といったところでしょうか(笑)。おそらく祭り当日は、混雑を知って、橋代を払ってまで行く学生は少ないと思います。経験値を積むことが今の学生たちには求められており、行かないなら連れて行くまで。大成先生は、学生たちが五感を使って感性を磨くことに期待したようです。年齢を重ねると、自然の癒しが心地いいと感じるようになります。今の学生たちの目に、果たして同園はどう映ったのか、それは前期テストで訊ねたいと思います。


アイスでリラックス

 つづいて、干潮のタイミングを見計らって、海岸道路経由で椋名(むくな)海岸の砂浜へ。途中、大突間島(おおつくましま)と大島の間で、川のように流れる潮流を車窓より観賞し、それが珍しいことを解説。時に、車窓に飛び込んでくる光景の中に、希少価値をもったものがあるのです。それに気づき、見逃さないで欲しいですね。椋名ビーチは、かつて今治港〜下田水(しただみ)港のフェリー航路があった頃は、海水浴で賑わった場所です。今はとても静かで、海峡大橋をレアな角度から眺めることのできる穴場的観光スポットといえます。夕陽の時が特にオススメで、昨年度後期の「地域交流演習」(大成経凡先生)でも訪ねています。足跡を砂浜に残し、10分余りで去るのは少しさみしくもありました。  

椋名海岸のビーチ

 最後は、全国展望所ランキング第2位にもなった亀老山展望台へ。上る途中、県外ナンバーの乗用車とよくすれ違います。今回は私たちの前をゆく大型バス(せとうちバス)と上から降りてくる大型バス(広島バス)とが離合できなくなり、上から降りてくる大型バス2台が50m以上もバックして道を譲るという不思議な光景に遭遇しました。その道路は、大型バスが通れる道として、吉海町がしまなみ海道開通に合わせて展望公園とともに整備したものです。展望台の設計は隈研吾氏ですが、大型バスを標高約300mの頂上まで登らせようとしたのには先見性を感じます。しかし、バスが大型化したことで、往来する車輌が増えて危険を感じるようになったのも確か。少し考えさせられるものがありました。頂上近くになると、絶景が車窓に飛び込んできます。留学生たちから歓声があがりました。ちょうど到着した際、幸運にも私たちだけしかおらず、開放的な気分にひたることができました。曇り空で石鎚連峰は見えませんでしたが、海峡および海峡大橋の景色で十分満足できたようです。2度目、3度目の学生たちも、毎回違った感動があるようで、その気持ちを大切にしてもらいたいと思います。


亀老山展望台

来年度開設の地域未来創生コースでは、訪問地の事前学習をしてから現地へ乗り込み、そこで得た成果や感じた課題を深化させる予定です。




2025年5月15日木曜日

調理ビジネスコース 新年度スタート!

1年生  

入学して一か月が経ちました。

最初は包丁を触るのも恐る恐るでしたが、

包丁研ぎにも慣れ、切りものの基本が始まりました。



2年生

地元のパティシエ河端先生の製菓の授業がスタート。

みんなウキウキしています。


2年生主催の新入生交流会を通じて親睦も深まりました。

今年度は新しい企画が盛りだくさん!!いっしょに盛り上がっていきましょう☆





2025年5月14日水曜日

授業紹介 「エンジョイ日本文化」食文化1回目

今日は食文化がテーマの回です。

「日本の野菜を育てよう!」と、学校の畑を耕してチームごとに苗を植えました。

なす、ピーマン、トマト、きゅうり、唐辛子、パクチー、ネパールでも馴染みのある野菜だそうです。

みんな、作業が早くて丁寧!!男子の鍬使い、女子の草抜き、お見事でした。

次回は支柱を立てたりする予定です。大きく育つのが楽しみです。




2025年5月12日月曜日

出張講義  近見小学校6年生の遠足ガイド(5月2日)

 5月2日(金)の今治市立近見小学校6年生(47名)の遠足は、今年も近見地区のまちおこしグループ「しまなみ海道周辺を守り育てる会」(村越定信会長/以下、守る会)がサポートする形で、校区内の史跡めぐりを行いました。コースは、9時過ぎに来島海峡海上交通センター(以下、来島マーチス)の視察に始まり、相の谷1号墳、大浜灯台跡地、小湊城跡・城慶寺、湊石風呂とつづいて、最後の大浜八幡神社が13時半に終了となりました。一般に遠足といえば、遠い目的地まで歩き、お弁当・お菓子を食べて遊んでから折り返すという形態をとりますが、ここ7〜8年ほど、近見小学校では上記のコースを歩きながら、ふるさとの魅力を再発見する取り組みを地域と連携しながら行っています。守る会と小学校からの依頼で、本学からは地域連携センター長の大成経凡先生がこの遠足に参加しています。

 来島マーチスと大浜灯台跡地は、それぞれ海上保安庁の職員が来島海峡の安全や灯台の歴史・役割など、海事思想の普及に関する説明を行いました。マーチス展望デッキからの眺めに、児童は喜びをかくせない様子で、校区が自然環境にめぐまれた場所にあることを再認識できたようです。相の谷1号墳では、今治市教育委員会文化振興課の職員が、同古墳の歴史的価値の説明を行いました。愛媛県最大の前方後円墳(全長約82m)が、まさか自分たちの学校のすぐそばにあるとは思わなかったようです。同古墳を見学できるようになったのも、育てる会の会員がコツコツと草刈りや雑木刈りをつづけてきたからで、今回も遠足に合わせて前日に草刈りを行ってくれました。会では、将来的にこの古墳を国指定史跡にしたいようで、そのためには未来への種まきで、地元の子供たちに価値を知っておいて欲しいという思いがあるのです。大浜灯台跡地についても、現在は不用の施設となっていて、将来的に国から用地の払い下げを受けて地域活性化の拠点にしたいと考えています。灯台はすでに撤去されてありませんが、大浜灯台が明治35(1902)年に初点灯した当時の煉瓦塀と石垣は残っています。これを残したままでの払い下げを求めているところです。


相の谷1号墳

来島マーチスの展望デッキと潮流信号

 大成先生は、小湊城跡以降のガイドを担当しました。小湊城跡は、村上海賊ゆかりの海城であることから、日本遺産にもなっています(城慶寺も来島村上氏ゆかりの寺院であることで日本遺産に認定)。小高い丘陵に登ると、とても見晴らしがよく、航路をにらむ場所に海賊たちが拠点を設けたことを児童に理解させました。この点は、同じ伊賀山丘陵にある来島マーチス・相の谷1号墳・大浜灯台跡地も同様で、来島海峡航路の重要性を考えた場合、その一帯は海上交通管制でとても大切な場所といえます。守る会と大成先生は、その一帯を将来的に今治市海事公園第1号にしたいという夢を持っているのです。


大浜灯台跡地

大浜灯台(絵葉書より)


 城慶寺でお弁当を食べた後は、海岸線の一般道を通って大浜八幡神社へしばらく歩きました。その途中に湊石風呂跡があり、場所の確認と簡単な説明を行いました。大浜八幡神社では、神社の参拝方法や拝殿に飾られた絵馬の価値などについて説明しました。何気なく見るのと、価値を知ってから見るのとでは、児童たちも得られる感動が違った様子でした。そして最後に、この日の遠足のために、調整役として動いてくれた守る会の皆様にお礼の挨拶をして終了となりました。この年齢の子供たちに、郷土の歴史を教えることは簡単ですが、興味のもたせ方がとても大事になってきます。大成先生は小学6年生の時、担任の先生が教えてくれた「近見小学校の裏山に愛媛県最大の前方後円墳がある」「今治市役所の市庁舎は、世界的な建築家・丹下健三が設計した」という言葉に心をときめかせたようです。まさか将来、相の谷1号墳の保存整備や丹下健三マンガの制作に自身が関わろうとは夢にも思わなかったとか。来年度新設の地域未来創生コースでは、近見地区のまちづくりにも関わりたいと考えております。

来島海峡を眺めながら移動

大浜八幡神社




2025年5月9日金曜日

授業紹介 「地域活性化論」 小島の芸予要塞跡を散策(5月1日)

 5月1日の「地域活性化論」(大成経凡)は、39名の学生(うち1名聴講)が来島海峡に浮かぶ周囲3㎞の小さな島〝小島〟(おしま)を散策しました。ここ3年間は、後期の「地域交流演習」で小島散策を実施していましたが、新緑の時季に前倒しして、入国して間もない留学生に旅行気分を味わってもらうことにしました。参加者の国別内訳は、ミャンマー26・日本9・中国4で、このうちミャンマー人5名ほどは、昨年秋に聴講で参加しています。行く度に新たな発見や美しい景観に癒される小島は、今治市民にとっても小旅行の気分にひたれる癒しの観光スポットなのです。

 アクセスについては、波止浜港から来島・小島・馬島行きの定期航路の渡船を使用しますが、大勢の人数や授業時間内での実施を考えた場合、その船をチャーターした方がプレミアム感を味わうことができます(波止浜〜小島は片道10分)。大成先生は4月29日にも「アシさとクラブ」のウォーキングイベント〝みちくさんぽ〟で40名余りの老若男女に小島ガイドをしていて、この時は3時間ほど島に滞在したようです。今回は、その時のような詳しいガイドは控え、簡単な歴史解説を交えながら、どれだけ満喫できるかに注力しました。


頂上の観測所跡

 小島には、陸軍が日露戦争に備えて明治30年代に築いた要塞の遺跡が、良好な状態で残されています。当時の要塞の構造(建築技術)や時代背景(近代史)を知る貴重な歴史遺産であることは言うまでもありません。また、トトロ(椿のトンネルの遊歩道)やラピュタ(中部砲台)といったジブリ映画に出てきそうな場所があって、どこか違う時空に迷い込んだ錯覚を感じることができます。インスタ映えスポット満載なのです。このため、最近は若い二人組の女性観光客をよく見かけるようになりました。一方で、島民が現在4名となって耕作放棄地が増えたことで、イノシシの被害が深刻化しています。


トトロの森のような光景(ツバキのトンネル)


28㎝榴弾砲レプリカ前で

 遺跡が保存状態良好であるのは、大正時代に兵器の進歩等で要塞の廃止が決まり、昭和2(1927)年に波止浜町が国から払い下げを受けて公園整備したためです。この背景には、大正13(1924)年に国鉄波止浜駅が開業し、観光振興を図ろうとした当時の町長・原眞十郎翁(ハラプレックス創業者)の先見性がありました。まさに〝百年の大計〟で、昭和30(1955)年に波止浜町が今治市に編入合併された後も、今治市はここを観光名所として大切にしました。昭和52〜53(1977〜78)年にツバキの遊歩道を整備したのもその一つ。しまなみ海道開通後(1999年〜)も、南部発電所の屋根修理や港待合所の新設、28㎝榴弾砲レプリカの設置(松山市より譲渡)など、漸次テコ入れを図りました。想定外だったのは、島外から泳いで渡ってきたイノシシが繁殖し、遊歩道沿いの景観が荒廃したことです。これは、来春新設される地域未来創生コースで解決策を模索したいと思います。

 小島の頂上は標高100mで、要塞当時は観測所がありました。それだけに、360度パノラマの絶景を楽しむことができます。頂上滞在は10分余りでしたが、その眺めが〝今治の魅力〟として認識できたなら幸いです。

頂上で見つけたハートマーク💓


復路の波止浜湾


2025年5月8日木曜日

国際観光ビジネスコース 半島四国八十八か所ウォーキングに参加しました

2025年4月26日 

 今治東ライオンズクラブ主催の「半島四国八十八か所ウォーキング」に今年は留学生44名が参加しました。

 国際観光ビジネスコースは、科目「日本語学入門」の授業の一環として毎年このイベントに参加しています。今年は晴天に恵まれ、体調不良の学生もなく、元気に出発することができました。





 今年は、ネパール、ミャンマー、中国、スリランカの留学生が参加しました。例年以上に各札所で手を合わす留学生の姿が見られました。
お接待所では、お菓子やジュースなどをたくさんいただきました。中でも、ぜんざいを初めて口にした留学生が多く、「一番おいしかった」との声をよく聞きました。




 上級の留学生は同じグループの子どもたちと仲良くなり最後は手をつないでゴールしました。地域の方々と交流するよい機会となりました。



今治東ライオンズクラブの皆様、ならびに、地域の皆様には、多くの留学生の参加を受け入れていただき、心より感謝いたします。
留学生が地域の一員として今後も成長していくことを願っています。


2025年5月7日水曜日

授業紹介 「日本を学ぶ」朝倉古墳めぐりと市民の森・フラワーパーク(4月28日)

 4月28日(月曜)の「日本を学ぶⅠ」(大成経凡)は、座学で前回授業の振り返りと今回授業の予習を行ってから、学園バスに乗って朝倉地域の古墳めぐりに出かけました。学外授業に参加した学生は40名で、国別内訳はミャンマー19・中国12・日本4・インドネシア3・スリランカ2となります。

 前回は前方後円墳の妙見山古墳を見学しました。日本独自の形態の古墳ですから、留学生の目には不思議な光景として映ったことでしょう。日本人の目にも、公園の展望所が国指定史跡の遺跡というのは、不思議な感覚を抱いたのかも知れません。ちなみに、愛媛県下最大の前方後円墳「相の谷1号墳」(全長約82m)については、来島海峡にのぞむ伊賀山丘陵、つまりは今治市近見地区にあります。妙見山古墳同様に丘陵上にあって、海を意識して造られた点に注目してもらいました。

 そして今回は、海岸から少し離れた山間部をイメージする朝倉地域へ向かいました。先般、山林火災にあった笠松山の麓に野々瀬古墳群は所在しています。保存状態の良い円墳20基ほどが現存し、そのうちの一つ「五間塚古墳」は直径15~16mあって、横穴式石室は大人が立ったままの状態で入ることができる大きさです。興味のある学生に入室を勧めたところ、半数以上が実際に中に入って、石組みの状態など、当時の土木造成技術を学ぶことができました。おそらくこの古墳については、飛鳥時代に土地の有力者の墓として造立されたもので、地元では〝王塚〟とも称されています。幕末期にここを訪ねた国学者の半井梧菴(なからいごあん)は、これらの円墳を古代人の住居と勘違いしたようで、そのくらい状態の良さは訪問者に大きな驚きを与えます。今治市民でさえもが、ここを訪ねたことのある人は少なく、もっと知って欲しい歴史遺産といえます。


五間塚古墳の外観

五間塚古墳の石室入口

五間塚古墳の内観

 同所で最大の円墳「七間塚古墳」を見学した後は、学園バスを市街の方向へ少し戻し、周越道路沿いにある円墳「樹之本古墳」の前で記念撮影を行いました。この古墳からは、明治末期に青銅鏡などが発見され、貴重な出土遺物は東京国立博物館で収蔵しています。その青銅鏡は、わが国最大の前方後円墳である「大仙古墳」(仁徳天皇陵)出土の青銅鏡に酷似するとかで、大和朝廷との結びつきを想定させます。相の谷1号墳についても、奈良市にある大王クラスの宝来山古墳の3分の1サイズで築造されていることが近年指摘され、大和朝廷と古墳時代における今治地方の結びつきを想定することができます。樹之本古墳の場所からは来島海峡大橋が遠望でき、これも海を意識した古墳なのかも知れません。

樹之本古墳前で記念撮影(ミャンマー・スリランカ)

樹之本古墳前で記念撮影(日本・中国・インドネシア)

 短大へ戻る途中、今治ICそばの「市民の森・フラワーパーク」へ立ち寄りました。同園は、市制50周年を記念して昭和46(1971)年に整備された植物園で、今の時期は〝市の花〟であるツツジがとてもきれいに咲いています。春入学の1年生のほとんどが初めての来園となり、鯉のえさやり・鯉のぼり・ロングすべり台など、花の観賞以外に楽しみを見つけて30分ほど憩いの時間を過ごしました。

 

市民の森・フラワーパーク(親水池と鯉のぼり)


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