5月17・18日に「バラ祭りよしうみ2025」のイベントを控える中、15日午後に「地域活性化論」(大成経凡先生)の学外授業で今治市大島のよしうみバラ公園を訪ねました。履修生41名全員が参加し、国別内訳はミャンマー29・日本8・中国4となります。参加者のほぼ全員が、同園のバラ観賞は初めてのことでした。まだ7割のバラしか咲いていませんでしたが、平日ということで混雑もなく、落ち着いて観賞できたのが良かったです。
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よしうみバラ公園 |
1時間弱の自由時間は、バラを傷つけないことと一般観光客に迷惑をかけないこと以外、特に制約は設けませんでした。お気に入りのバラを見つけたら撮影し、SNSで発信するもよし。喉の渇きを潤すなら、アイスクリーム(ソフト&ジェラート)やかき氷を食べるもよし。意外だったのが、お腹が減ったから、露店で芋菓子やフライドポテトを購入する学生がいたこと。ミャンマー男子は、日本の遊具に興味をもったようで、バラとは違う方向へ移動し、サクラの木陰に座り込んで涼をとるものもいました(木陰で休むのはミャンマーの習慣?)。中国女子からは、「ここのバラは食べてもいいんですか?」の質問が(⁉)。中国では、バラの花びらを食用とする文化があるようです(!)。
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よしうみバラ公園 |
総じて、学生たちの行動を観察すると、〝バラよりアイス〟といったところでしょうか(笑)。おそらく祭り当日は、混雑を知って、橋代を払ってまで行く学生は少ないと思います。経験値を積むことが今の学生たちには求められており、行かないなら連れて行くまで。大成先生は、学生たちが五感を使って感性を磨くことに期待したようです。年齢を重ねると、自然の癒しが心地いいと感じるようになります。今の学生たちの目に、果たして同園はどう映ったのか、それは前期テストで訊ねたいと思います。
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アイスでリラックス |
つづいて、干潮のタイミングを見計らって、海岸道路経由で椋名(むくな)海岸の砂浜へ。途中、大突間島(おおつくましま)と大島の間で、川のように流れる潮流を車窓より観賞し、それが珍しいことを解説。時に、車窓に飛び込んでくる光景の中に、希少価値をもったものがあるのです。それに気づき、見逃さないで欲しいですね。椋名ビーチは、かつて今治港〜下田水(しただみ)港のフェリー航路があった頃は、海水浴で賑わった場所です。今はとても静かで、海峡大橋をレアな角度から眺めることのできる穴場的観光スポットといえます。夕陽の時が特にオススメで、昨年度後期の「地域交流演習」(大成経凡先生)でも訪ねています。足跡を砂浜に残し、10分余りで去るのは少しさみしくもありました。
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椋名海岸のビーチ |
最後は、全国展望所ランキング第2位にもなった亀老山展望台へ。上る途中、県外ナンバーの乗用車とよくすれ違います。今回は私たちの前をゆく大型バス(せとうちバス)と上から降りてくる大型バス(広島バス)とが離合できなくなり、上から降りてくる大型バス2台が50m以上もバックして道を譲るという不思議な光景に遭遇しました。その道路は、大型バスが通れる道として、吉海町がしまなみ海道開通に合わせて展望公園とともに整備したものです。展望台の設計は隈研吾氏ですが、大型バスを標高約300mの頂上まで登らせようとしたのには先見性を感じます。しかし、バスが大型化したことで、往来する車輌が増えて危険を感じるようになったのも確か。少し考えさせられるものがありました。頂上近くになると、絶景が車窓に飛び込んできます。留学生たちから歓声があがりました。ちょうど到着した際、幸運にも私たちだけしかおらず、開放的な気分にひたることができました。曇り空で石鎚連峰は見えませんでしたが、海峡および海峡大橋の景色で十分満足できたようです。2度目、3度目の学生たちも、毎回違った感動があるようで、その気持ちを大切にしてもらいたいと思います。
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亀老山展望台 |
来年度開設の地域未来創生コースでは、訪問地の事前学習をしてから現地へ乗り込み、そこで得た成果や感じた課題を深化させる予定です。