2025年5月28日水曜日

大学公開講座 南海トラフ地震に備えた防災講座(5月23日)

 5月23日、今治市防災危機管理課参事補の福田一弘氏を講師に迎え、「南海トラフ地震被害想定に対し私たちにできること」のテーマで大学公開講座を開催したところ、65名(うち一般20名)の参加者がありました。本講座は、毎年恒例となっている介護福祉コース主催の防災講座で、同コース1・2年生以外に、幼児教育学科1年生と教職員有志も参加しました。

 講座の内容は、「①そもそも南海トラフ地震とは?」「②南海トラフ地震臨時情報とは?」「③今治市の被害想定」「④私たちにできること」の4つの項目で構成されました。①②では、南海トラフ地震の定義やメカニズムを通して、避けては通れない大地震が起きる危機意識を共有しました。2025年度に国が13年ぶりに被害想定を見直し、津波による死者は29万8000人(うち愛媛県2万4000人)に増加するとの想定を発表しました。そして、昨年の講座でも視聴しましたが、震度6の揺れがどんなものか、東日本大震災の映像を流しました。南海トラフ地震の場合も、震度5~6の揺れが想定されるため、学生たちの顔色が変わり、身の引き締まる思いでした。

講師の福田氏(壇上)

③では今治市の災害リスクを震度・液状化・津波などから紹介し、④では日頃から備えておくべき物心両面での知識を学びました。地震で停電が起きれば、キャッシュレスでの買い物ができなくなるため、現金の持ち合わせが必要なこと。防災セットを日頃から備えて、ローリングストックを実践すること。家族で、災害発生時の対応(集合場所・避難経路・連絡手段)を話し合うこと。今治市や気象庁の防災情報を入手・利用することなど、私たちが取り組める備えを確認することができました。会場に持参いただいた非常食・ポータブルトイレ・避難所テントなども見学し、備えの意識が深まったように思います。配布資料の中には、今治市が巨大地震に備えて設けている〝昭和56年5月以前に建築された木造住宅〟の耐震診断・耐震改修設計・耐震改修などの補助事業の案内もありました。



将来、保育士や介護福祉士の道へ進む学生たちは、災害弱者となりやすい幼児や高齢者らを相手にした職場環境が待っています。最後に講師の福田氏からは、「自分が助からなければ、他人を助けることはできない。だから、まずは災害への備えとして知識と経験を積んで欲しい」とのことでした。本学には留学生が多いため、寮に住む留学生を対象にした防災講座を実施する必要性も感じました。



避難所テントを見学






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