2025年7月3日木曜日

授業紹介 日本を学ぶⅠ  和船の櫓漕ぎ体験に挑戦(6月30日)

 6月30日(月曜)の「日本を学ぶⅠ」(大成経凡先生)は、この時季の恒例となっている和船の櫓漕ぎ体験です。2年前に、本学は初めて水軍レース大会にチームを派遣し、今年も〝一般の部B〟で出場予定です。〝女子の部〟出場も視野に入れていましたが、こちらは人数が4人しか集まらず断念。メンバー12名がそろって漕ぐ機会がないため、学外授業を利用して練習の機会を設け、出場しない学生にも和船文化に親しんでもらうことにしました。


小早船と村上海賊ミュージアムをバックに

 前回の授業で、村上海賊の歴史を簡単にレクチャー。かつて宮窪町(現、今治市)が地域活性化の目的で、水軍が機動力とした小早船(こばやぶね)を復原したことを伝えました。大会は今年で30回を迎え、四半世紀以上も地域で愛され根づいています。宮窪港内に設けられた直線200mの特設会場で、4~5隻の小早船が同時に速さを競い、トーナメント1回戦1位のチームだけが決勝に進むことができます。この小早船は、時代考証をもとに船大工が手がけた木造の和船となります。動力源は櫂(かい)ではなく〝櫓(ろ)〟で、カッターやカヤックとは勝手が違います。搭載された5本の櫓を10人で漕ぐことになりますが(ほか2人は舵取り&竿持ち)、息がぴったり合わないと船体がローリングして減速し、まっすぐ進みません。昨年の大会で明短チーム「めいたんプロモーションクルー」は、前半100mでトップに立つも、後半100mで失速して、決勝進出を辛くも逃しました。その悔しさを知るメンバーが今年は半分残り、暑い夏にもかかわらず熱く燃えています。


 この日は、本番レースにエントリーしている学生は男子2人のみ。そこで、希望する学生は全員乗船してもらい、来年の出場も視野に、櫓漕ぎを体験してもらいました。練習時間は1時間しかなく、宮窪漁協職員のサポートでメンバーを入れ替えて30分ずつ漕がせてもらいました。向き不向きや熱中症の関係もありますので、全員に強要はせず、チャレンジ精神を尊重。泳げないながらも、勇気をふりしぼって乗船した学生もいました。熱中症対策で水とタオルを持たせて乗船させ、漕がない学生も岸壁から声援を送っていました。漕いだ学生に感想を訊くと、疲れたけど楽しかったという声が多かったです。


漕ぎ終えてグッタリ

 その後、村上海賊の能島村上氏が拠点とした能島城跡を海岸道路から眺め、川のように流れる急潮流に学生は驚いていました。一方、クラゲに関心を示す留学生もいて、引率した大成先生としては潮流に目が行って欲しかったようです(笑)。そして最後は、早川港に停泊中の災害医療支援船「Power of Change」(3,453総㌧/全長68m)を岸壁から視察。本船は、民間のNPOピースウィンズ・ジャパンが管理運用しています。大規模災害が起きた際は海と空から支援に対応できるよう、船内には医療処置設備があり、船外にはヘリコプターが離着陸可能なヘリパッドも備えています。本船はこの早川港を母港とし、要請があれば緊急災害時は被災地へ向かうようで、南海トラフ大地震が起きた際は頼もしい存在となることでしょう。

対岸から沖の能島城跡を眺める


災害医療支援船Power of Change

 水軍レース2回目の練習および櫓漕ぎ体験は、7月17日(木曜)の「地域活性化論」の学外授業で実施予定です。


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