2023年6月28日水曜日

大学公開講座 2023 「今治市の防災について」開催

6月9日(金)10:30~12:00  今治明徳短期大学 3号館 大講義室


ライフデザイン学科介護福祉コースの「救急処置法」の授業を今治市民の方にも公開し、第1回公開講座として開催し、学生・今治市民の方など30名の参加がありました。

昨年度に引き続き、今治市の出前講座を活用し、今治市防災危機管理課の玉井栄次参事補を講師に迎え、今治市の防災の取り組みと防災の意識を高める活動を行うためにどうすればよいのかをテーマにお話しをしていただきました。



(1)今治市の取り組み

 ①ハード面

        災害対策本津・災害拠点等の整備、

        緊急防災情報伝達システムの整備、

        表示・案内看板等の整備、公共施設等の耐震化

 

 ②ソフト面

    各種計画及びマニュアルの策定・訓練実施、防災マップ等の作成・配布、

    災害時の協定の締結、備蓄の充実、防災士の養成、自主防災組織の結成・活性化

    防災出前講座・教育支援、情報発信(広報誌・HP・SNS・FMラジオ等)



(2)防災の意識を高める活動として物心両面の準備をする。

    備えには2種類あり、1.命を守るため、2.命を守ったあと生活をするため

    ①自宅内の安全対策を整える・・・家の耐震化の確認、家具や電化製品の転倒防止

    ②防災セットを整えておく・・・非常用持ち出しリックサック、家庭内用備蓄

  【家庭内備蓄】:できれば1週間分

  ・非常備蓄品:水1人1日2.5~3.0L必要、レトルト食品、カップ麺、ラップ

                            カセットコンロ、毛布等

    ・風呂の水をためておく、ガソリンは満タンに。

    ・枕元には、笛、運動靴(スリッパ)、懐中電灯

    


    ③災害発生時の集合場所(避難所・避難場所)・避難経路・連絡手段を家族で話しておく。

    ④防災情報の入手・利用

 ・今治市HP・防災情報ポータブル、気象庁HP(キキクル)・今治市SNS・LINE等


 今後、高齢者施設などで働く中で災害が起きた時に、施設の利用者を守るためにどのような行動をしてよいかの状況判断をするべきかなど、防災の知識を深めることは大切なことであると実感しました。

 市民の方からは、昨年度の講座から変更があった点やスマホの操作が苦手な人への対応や文字の大きさなどの改善点などの質問もありました。

今後も介護福祉士養成校として、このような講座の開催に取り組んでいきたいです。

 

  講座終了後には、介護福祉コースの学生が家庭内備蓄等の用具を活用して、人を運ぶ体験や今治市の職員の方に指導をいただきながら非常用テントのたたみ方などの体験をしました。




2023年6月22日木曜日

6月オープンキャンパスのオプショナルツアー

 6月のオープンキャンパスも、今治市内の魅力スポットをめぐるオプショナルツアーを開催しました。今回は波止浜港と糸山公園の名所「来島海峡展望館」を観光した後、本学卒業生が働く今治国際ホテルを見学することになりました。参加者は、オープンキャンパスに参加した高校生4名・留学生3名・保護者1名・引率者1名・社会人1名・在学生5名・教職員3名の総勢18名となりました。

 まず、波止浜港では観光桟橋(渡し場)から湾内の造船所群を俯瞰し、見えている光景が〝世界でここだけしかない〟珍しいものであることを伝えました。本来なら、工場内は高い塀やネットに遮られて陸側からは見えないものですが、波止浜湾は対岸から丸見えとなり、全長150mを超える大型船を間近で観察することができます。そういう珍しい景色を観光資源ととらえ、「株式会社しまなみ」(本学と連携協定締結)の急流観潮船は来島海峡だけでなく波止浜湾も遊覧コースとしているのです。


波止浜湾を散策

 つづいて、来島海峡展望館では、来島海峡大橋を間近に望み、シンプルに〝一観光客の気分〟で多島美や橋の景観を楽しんでもらいました。他にも大勢の観光客がいて、ここが今治地方を代表する絶景スポットであることを認識いただけたかと思います。半数の参加者は、館内のお土産ショップでジェラートを注文し、舌鼓を打っていました。しばし、母子や友達、仲間たちと安らぎのひとときを過ごすことになりました。

来島海峡展望館でくつろぐ在学生

 糸山から今治国際ホテルまではバスで15分ほどの距離です。ロビーに到着するや、藤田副総支配人様にお出迎えいただき、その後、総務の能田さんから館内をひと通りご案内いただきました。レストランは和食・洋食・中華の3つの店舗があり、それぞれで本学卒業生(女性1・男性4)が出迎え、後輩への励ましのエールや本学の想い出などを語ってくれました。宴会場・会議場のクリスタルホールにつづいて、結婚式のチャペルも見学。さすがにチャペルでは、参加者のテンションが上がりました↑。23階のスカイバー・展望ラウンジでは、市街の眺めに歓声があがり、来島海峡や今治城跡を俯瞰することができました。

今治国際ホテルのチャペル

23階展望ラウンジ

 最後は、一泊35万円の22階スイートルームを見学。船長室をイメージしたお部屋は、オフィスを思わせる設えで、「ここに泊まってみたいなぁ」や「ここからの〝おんまく花火〟の眺めは最高だろうな」と、それぞれが妄想にひたることができました。初めて同ホテルを訪ねた参加者も多く、今治に興味を抱くきっかけになれば幸いです。見学をご快諾いただきました今治国際ホテル様、この度は本当にありがとうございました。


22階スイートルームの寝室

7月のオープンキャンパスでもオプショナルツアーを予定いたしております。再び、海峡大橋を渡って、しまなみ海道へGO!


2023年6月20日火曜日

授業紹介「地域活性化論」の学外授業(6/15)

 6月15日の「地域活性化論」の学外授業は、昨年度につづいて日本一の建造量を誇る造船メーカー・今治造船会社グループの今治工場(今治市小浦)を訪ねました。冒頭に、屋内会議室で西将史総務チーム長様より同社の概要説明があり、VTRもまじえて船づくりの工程を学びました。同工場だけで約1,140人(社員数約290名、協力会社約850名)も働いていており、1隻の船をつくるのに約23万点の部品が用いられているなど、海事産業のスケールの大きさやすそ野の広さに驚嘆しました。参加した学生18名(うち留学生11名)全員が、このような造船工場の見学は初めてで、建造中のブロック工法の光景や艤装中の150m以上の大型船を目の当たりにし、とても驚いた様子でした。


記念撮影(今治工場構内)

 一般に造船工場の見学といえば、進水式やバリシップのようなイベントが中心です。しかし本授業では、ふだんのものづくりの現場を見ることで職業意識を高め、今治の地場産業に関心をもってもらうことを主眼においております。大きな鉄板を切断したり、叩いたりする音がリアルに響き渡るなか、クレーンやトレラーが動く際は安全確認をしながらの構内移動となりました。要所で、案内役の社員から製造工程の説明を受け、現場でしか味わえない学びの感動がありました。まさにオープンファクトリーです。

インドネシア人留学生のベニカさんは、船首の波切部分にあたる球体「バルバスバウ」に目が釘付けで、鉄板を丸く曲げる技術に感銘を受けたようです。感想を日本人学生たちに向けると、メジャーリーガーの大谷翔平選手を称賛するがごとく、「スゴイ!」という言葉を連発。例えようのない感動があったようですが、実は同工場は、今治造船グループでは一番小さな工場で、これより大きくなると構内をバスで移動しながらの見学になってしまうとか。それもまた驚きです。

バルバスバウを見つめるベニカさん

作業中の構内を移動


 当日、NHK夕方の番組「ひめポン!」の取材もありました。本学の留学生に焦点を当てた編集で、早速、同日夕方に放送されたのです。本学では、過去5年間で9名の留学生が地元今治市内のタオルや観光などの企業に就職していて、できればその数を増やせないものか、試行錯誤をつづけております。今後、留学生の募集にも力を入れていくなか、今治市の活性化にも寄与できるよう、留学生に今治への関心を深めてもらう機会を増やして参りたいと思います。ちなみに「ひめポン!」では、1年生の王明亮さんへのインタビューの模様が放映されました(https://www3.nhk.or.jp/matsuyama.../20230615/8000016163.html)。

NHKひめポン!インタビュー(王明亮さん)

「NHKひめポン!」に紹介されました

 なお、工場見学の後は、波止浜湾岸を歩いて、〝日本最大の海事都市〟を象徴する波止浜湾造船所群の光景を観光しました。次週の授業で、この日の内容を振り返りたいと思います。最後になりましたが、工場見学を受け入れ下さった今治造船株式会社様、本当にありがとうございました。

記念撮影(今治工場構内)


2023年6月19日月曜日

幼児教育学科 6月 おでかけ児童館

 6月13日、今年度2回目の「おでかけ児童館」が本学にて開催されました。

今回は、11組の親子(保護者12人、子ども13人)に参加していただきました。

この日のテーマは「体を動かして遊ぼう」。プログラムは次の内容です。


・手あそび「はじまるよ」

・おなまえ、おへんじ「たかいたかい」

・手あそび「魚がはねて」

・ふれあい遊び「ぐるぐる洗濯機」

・工作「カエルの時計」~6月10日は時の記念日でした!

・新聞紙パラバルーン~「エビカニクス」をBGMに大きなバルーンです!!

・自由遊び(新聞紙プールコーナー(大プール、小プール)、お洗濯コーナー)


プログラムが始まるまで、子どもたちは学生たちと自由に遊びました。

手あそびは子どもも大人も学生もみんなで楽しみました。



「カエルの時計」の工作の様子です。コチコチカッチンおとけいさん、コチコチカッチンうごいてる…。

新聞紙を貼り合わせた大きなバルーン。中に入って遊ぶ子どもたち。バサバサ音もいい!


大きなバルーンをビリビリちぎって、なんと、新聞プールが出来上がりました!!



大きなプールに小さなプール。子どもたちは、プールに入り、とても楽しそうに声をあげていました!あれあれ、傘の中にも新聞の雨が…。



今回の「おでかけ児童館」では今治市児童館職員による指導のもと、幼児教育学科1年生が初めて、運営補助をさせていただきました。

児童館職員の方々には、手あそびやふれあい遊び、事前に準備していただいた工作キット、新聞紙パラバルーン、新聞紙プールなど、遊びのための事前準備や練習の大切さ、遊びを展開する技術、そして、何より支援者が楽しみながらすることの大切さ等、多くのことを教えていただきました。

おでかけ児童館終了後、児童館職員の皆様から「参加された親子が満足した様子だった」「みんなで協力して子育て支援の環境や雰囲気を作っている」「学生たちも子育て支援の一端を担っている」「次回に向け、成長を楽しみにしている」といったお言葉をいただき、学生たちは、しっかりと心に留めることができたようです。

学生からは「初めてで緊張しました」「子どもたちはみんな、かわいかったです」「子どもたちといろいろな遊びをして楽しめました」「たくさんの親子が来てくれて笑顔で帰ってくれたのでよかったです」「次はもっと積極的に取り組みたい」「保護者の方ともっと話せるようになりたい」「次回が楽しみ」…といった声が聞かれました。

おかげさまで、今回の「おでかけ児童館」ではとてもよい学びができました。これからもよりよい子育て支援が実践できるように様々なことを学んでいきます。

参加していただいた保護者の皆様、子どもたち、そして、児童館職員の方々や関係の皆様、心より感謝いたします。本当にありがとうございました!!


本学での「おでかけ児童館」は次回、10月3日(火)に開催予定です。次回もどうぞよろしくお願いいたします。

なお、7月4日(火)は、幼児教育学科2年生と健康推進課による「めいたん広場+子育て講座」が開催されます。ぜひ、ご参加ください。


これまでの「おでかけ児童館(4月)」の様子はこちら




2023年6月15日木曜日

5月28日 オープンキャンパスを開催しました。

 5月28日(日) 今年度初のオープンキャンパスを開催いたしました。

ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

  

 各学科・コースの体験授業では、とても真面目に受けてくださいました。

今回は、コロナ禍のため中止していたカフェタイムを3年ぶりに行いました☕🥪

先生や先輩と軽食をとりながら交流してみていかがだったでしょうか?

盛り上がっている様子を見受けられたので、とても良かったです🌷


そして、今回もいまばり博士の大成先生と行く 今治魅力発見ツアー を開催しました!!

この日は、FC今治がホームゲーム中の今治里山スタジアムと亀老山展望台に行きました。

ツアーの様子は、別途掲載していますので要チェック👀


【お知らせ】

🚌💨 無料送迎バスの運行を行っておりますので、お気軽にご利用下さい 🚌💨


📌今後のオープンキャンパスの予定

【来学型】オープンキャンパス

・6/18(日)10:00~13:00 (オプショナルツアー13:00~16:00)

・7/23(日) 10:00~13:00 (オプショナルツアー13:00~16:00)

詳細https://www.meitan.ac.jp/nyushi/campus/


2023年6月14日水曜日

国際観光ビジネスコース 授業紹介 「マーケティング論」商店街実態調査

 6月4日「マーケティング論」の講義で、国際観光ビジネスコースの1年生12人が今治市銀座商店街を訪れ実態調査をしました。

ドンドビ交差点から今治港まで商店街を歩きながら、商店街のお店について調べ見学しました。

 ほとんどの学生が商店街に来ることはなく、今回初めて来た学生もいました。

前日の因島・生口島研修から2日連続(一部の学生は2日の地域活性化論の大三島研修から3日連続)の学外研修になりましたが、疲れた様子もなく積極的に参加し、商店街について学んでいました。


 今回の研修を踏まえて、6月14日には商工振興課の方による講演会を開きます。講演会や講義で、どうすればもっと人が来る商店街になるのか、商店街の活性化について考えていきたいと思います。





2023年6月13日火曜日

幼児教育学科 今治市の子育て支援事業について学びました!

 66日、幼児教育学科1年生科目「地域と子育て支援Ⅰ」の授業レポートです。

この日は今治市の子育て支援事業について理解を深め、子育て支援に関わる保育士としての姿勢を身につけることを目的に「今治市の子育て支援事業」について学びました。

講師は今治市の子ども未来課子育て支援係の正岡先生と大森先生です。

 


まず、今治市の組織体制についてご講義いただきました。

令和4年度からスタートした「今治版ネウボラ」では、妊娠期から18歳までの子どもがいるすべての家庭を切れ目なくサポートできるよう、組織、施設、人が協働できる体制を目指しているとのことでした。ちなみに「ネウボラ」とは、フィンランド語で「相談の場所、アドバイスの場所」という意味だそうです。



 次に、5グループに分かれて3つの事例について今治市の「子育て応援ガイドブック」から使える資源を探すワークショップを行いました。

学生たちは、ワークや説明を通して、今治市には様々な子育て支援事業があることを知り、子育て家庭への「サポートがたくさんある」と驚いていました。




 最後に、こんな支援があったらいいな、こんなことをやってほしい、という「行政に求めること」をグループ毎に提言しました。学生からは「ミルク1年分支給してほしい」「一時預かりを簡易化してほしい」「市役所に行かなくても、手続き申請ができるようにデジタル化してほしい」「大学までの学費を援助してほしい」「家庭ができたら旅行券がほしい」等、様々な意見が出されました。今後、検討されるかもしれませんね。

 


 今治市は「住みたい田舎ベストランキング」で子育て世代部門、総合部門で全国1位!!子育て支援を担えるよりよい保育者になれるよう私たちも日々、学んでいきたいと思います。

正岡先生、大森先生、ありがとうございました!



2023年6月12日月曜日

国際観光ビジネスコース  尾道市因島・生口島研修

6月3日に国際観光ビジネスの1・2年生で広島県尾道市の因島・生口島に研修に行きました。


 最初に、しまなみ海道を渡り因島にある水軍城に行きました。駐車場から10分程度坂を上って城に上がり記念撮影をした後、資料館や城を見学しました。資料館には今治市にゆかりのある村上海賊関連の展示がありました。小規模な城ですが、大成先生の「地域活性化論」を履修している学生は、前日に今治市大島で村上海賊ミュージアムも訪れており、しまなみ海道沿線地域とゆかりのある村上海賊について深く学ぶことができました。




 その後、生口島の耕三寺博物館を訪れました。多数のお堂や五重塔、仏像など仏教建築や洞窟、さらには生口島や今治市大三島を一望できる未来心の丘もありました。景色をながめながら熱心に写真を撮ったり、アイスクリームを食べたり思い思いの時間を過ごしていました。
 昼食は生口島の特産品レモンを使った瀬戸田レモンラーメンが人気でした

台風の影響も心配されましたが、晴れて暑いくらいでした。皆さん、今治・尾道の歴史や観光地について学ぶと同時に、学生が親睦を深め、国際交流についても学べました










2023年6月9日金曜日

食物栄養コース 栄養College Life Vol.4 フードコーディネート実習の授業紹介

 


【フードコーディネート実習】

5月15日(月)

コーヒー文化やコーヒー豆の種類を学んだ後に、自分たちでコーヒー豆の焙煎をして飲み比べてみました。


◇◆感想◆◇

・焙煎の仕方で全く違う味になった、焙煎をする人の腕しだいだと思った。
・焙煎をイタリアンローストぐらいにしてみたら、スタバのコーヒーみたいな味になった!



5月22日(月)
造花のフレームアレンジメントにチャレンジ!!

それぞれの個性を生かしたアレンジメントを楽しみました。


◇◆感想◆◇

細かい作業が苦手で、完成がみんなより少し遅れたけど、頑張って作りました。
ポイントは、暖色系の色を使わないようにして寒色系の色で全体をまとめた所です!

2023年6月7日水曜日

授業紹介「日本を学ぶⅠ」の学外授業(6月2日)

 「日本を学ぶⅠ」の学外授業(6月2日)

小雨降るなか、霧のかかる来島海峡大橋を通って、大島の村上海賊ミュージアムへ行ってきました(学生15名・教員2名)。到着時、なにわナンバーの観光バス2台(中学生の修学旅行)とバッティングしたため、屋外展示場の小早船(こばやぶね)と和田竜の歴史小説「海賊たちの娘」本屋大賞受賞レリーフを鑑賞することに。


水軍レース大会で活躍した小早船


この小早船は、かつて村上海賊が使用した櫓漕ぎの小型快速船を復原したもので、毎年7月開催の水軍レース大会で使用されます(本船は廃船となって展示品となった)。今年の水軍レースには、本学からもチームを派遣する計画です(1チーム12名)。レリーフは、地元大島で採れる花崗岩(かこうがん)でつくられています。この著作以降、それまでの〝村上水軍〟という呼称が〝村上海賊〟にシフトし、ついに館名までもが「村上水軍博物館」から「村上海賊ミュージアム」へと改名されたのです。

改名の背景には、研究最前線の成果が反映されました。村上海賊が活躍した戦国時代に、彼らを水軍と記す史料が存在しないのです。つまりは、水軍という呼称は後世の言い方で、水軍は海軍と似た意味があることで、そのまま解釈すれば、村上水軍は海戦ばかりやっている武装集団ということになってしまいます。実際は、瀬戸内海の水運にかかわるビジネスマン(海運・商社)で、国家が海上交通の安全を保障できていない時代に、村上海賊のような私的機関が通行税を徴収し、パイロット業務(水先案内人)を行うことなどして、航海の安全を担っていたのです(今でいう海上保安庁の業務)。当時、彼らは海賊と呼ばれ、そこには必ずしも悪意が込められているというものでもなかったのです。そのあたりのことは、NHKブラタモリ(2021年1月放送)でも取り上げられました。

村上海賊の一派である能島(のしま)村上氏の拠点・能島城跡(国指定史跡)については、対岸の道路にバスをとめ、そこから鑑賞することにしました。村上海賊の拠点は航路をにらむ小島や岬、あるいは主要な港湾の入口に築かれることが多く、現代の感覚でとらえると、「えっ、これが城郭?」と首をかしげたくもなります。今日の海上交通センター(灯台を含む)や港湾管理施設のような役割ととらえれば、合点(がてん)がいきやすいと思います。それらの城は〝海城〟(うみじろ)と称されたりもします。最近になって能島城跡(能島と鯛崎島)は、不要な雑木やソメイヨシノを伐採し、本来の海賊時代の城をイメージしやすいよう整備がはかられました。日本遺産にも選定され、ホンモノ志向の保存整備と観光振興の両輪を推進すべく、様々な取り組みが展開されています。留学生たちには、英語と中国語のパンフレットが配布されました。


能島城跡を対岸から鑑賞

 館内では、村上海賊以外の展示品を特別に拝観させていただくことができました。それは、まだ瀬戸内海が湿地や陸地だった旧石器時代の考古資料で、地元の宮窪漁師の網にかかって揚がったナウマンゾウの化石たちです。伯方島と岩城島の間の海底でよく揚がるそうで、ある漁師宅の床の間や玄関には、ナウマンゾウの牙が飾られていたりするとか。まさに、海から揚がった宝物で、「まだ日本列島が大陸とつながっていた時代の当地方には、ゾウがたくさんおったんぞう」と口走りそうになりました。大島は花崗岩という石の産地で知られますが、化石の水揚げ産地でもあるのです。旧石器時代の学習は次回の授業でするため、効果的な教材となりました。


ナウマンゾウの化石

 その他、今春4月にマレーシアの銀行王のタンスリ・アズマン・ハシム氏が巨費を投じて今治市へ寄贈した「橋夢公園」も見学。この公園整備は、ハシム氏の祖母が今治市宮窪町余所国(よそくに)出身という縁から実現したプロジェクトで、地元の大島石をふんだんに使った日本庭園・屋外イベント施設になっています。その場所には、かつて余所国小学校があり、大島石産の二宮金次郎像や門柱も残されています。海のそばということで、沖の島々の景観も楽しむことができます。また、よしうみバラ公園にも立ち寄りましたが、こちらは28日の本学オープンキャンパスのオプショナルツアーでも訪ねた時と景色が一変。29日以降の雨で萎れてしまったバラの花が多く、落花も見られて少し残念でした。最盛期であれば、約400種3,500株の色とりどりのバラを楽しむことができました。それでも、初めて訪ねた学生たちは、思い思いにバラを楽しんでいる様子でした。


橋夢公園


よしうみバラ公園


霧の来島海峡大橋


2023年6月5日月曜日

5月オープンキャンパス〝オプショナルツアー〟(5月28日)

 どこへ行くのか、当日まで分からない今治魅力発見ツアー。今回は、オープンキャンパスの参加者10名と在学生・教職員6名の計16名が、学園バスに乗って今治市内の陸地部・島しょ部の魅力スポットを訪ねることになりました。

 まずは、我らが今治明徳学園長の岡田武史氏が会長を務めるFC今治のJ3公式戦(vsガイナーレ鳥取)を観戦するため、バスを10分ほど走らせ里山スタジアムへ。13時キックオフということもあり、ツアー一行が到着した頃にはすでに試合は始まっていて、サポーターの声援や応援歌でスタヂアムは熱気に包まれていました。一行はスタッフの説明を受けながらスタヂアムを1周し、里山スタヂアムのコンセプトを学ぶことができました。途中、本学幼児教育学科1年生がボランティアに励む「めいたんキッズルーム」も見学。得点シーンの歓声をスタジアム外でしっかり聞き取ることができました(結果は3対0でFC今治の勝利)。



 次に訪れたのは、1週間前に盛大なイベント(本学介護福祉コースの学生も出店)があった大島の「よしうみバラ公園」へ。来島海峡大橋を渡って、満開のバラを楽しむことになります。予想通り、大勢の観光客で賑わっていて、アイスクリームとソフトクリームがよく売れていました。インドネシア人留学生のベニカさんの喜ぶ姿がとても印象的でした。宇和島市の北宇和高校三間分校からはるばるオープンキャンパスに駆けつけてくれた地域情報ビジネス部三間ライスバーガー班の女子生徒たちも、バラのソフトクリームに癒された様子でした。



 最後は、近年の全国展望所ランキングで2位にも輝いた「亀老山展望台」(隈研吾氏設計)へ。3月オープンキャンパスでも訪ねた場所ですが、何度訪ねても爽快な気分にひたることができます。バラ公園同様、こちらも大勢の観光客で賑わい、駐車場が満車の状態でした。県外ナンバーの車がよく見受けられ、世の中がコロナ禍から解放されていく様子を実感することができました。



 以上、13:00から16:00までの賞味3時間のツアーとなりましたが、それらは本学の共通教育科目「地域活性化論」や「地域交流演習」の中でも体験することができます。〝今治だからこそ学べる〟〝今治で学べる良さ〟を、今後とも追求して参りたいと思います。次回の6月18日(日曜)開催のオープンキャンパスでも、オプショナルツアーを催行予定です。


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