地域未来創生コースの必修科目「地域創生探究Ⅰ」(大成経凡・小林裕一郎)では、4月17日に今治市中心街地を歩き、同エリアが抱える課題解決に向けた視察を行いました(3名参加)。まずは現状把握に努め、魅力探しのような路上観察から始めています。その時は、丹下建築の魅力や広小路の由来を学び、今治銀座商店街の現況を目の当たりにしました。24日は座学とし、ふり返りを行いながら、2度目の視察に向けた事前学習を行いました。同エリアの歴史は大成先生が最も詳しく、藤堂高虎による築城・城下町建設から、今治市の近代都市計画・戦災復興都市計画の概要を確認しました。
そして5月8日は、城下町の北端に位置する通称〝寺町〟から視察を開始。今治空襲でも焼失しなかった風早町の常高寺(浄土真宗)を訪ね、江戸後期に建てられた山門・本堂を見学(3名参加)。同寺は、門徒らが消火活動を行ったことで、焼夷弾による焼失を免れたようです。つづいて片原町の旧大型フェリーふ頭へ向かい、現在は廃墟となっている同ふ頭の今後の可能性を探りました。
| 常高寺本堂 |
大正~昭和初期の今治港築港整備の歴史にも触れました。今治港東防波堤が燧灘から吹きつける東風対策で築かれ、海砂が沿岸に堆積しないことで水深が確保でき、港の利便性が増したことを知ってもらいました。東防波堤といえば、おんまく花火の発射台が置かれる場所でもありますが、深~い意味のあることを大成先生が熱く語ってくれました。
今治市みなと交流センター「はーばりー」は、京都駅ビルや梅田スカイビル、札幌ドームの設計で知られる建築家・原広司氏が手がけたものですが、外観はまるで黒船のようです。このそばで月2回、「せとうちみなとマルシェ」が開催され、中心市街地に賑わいをもたらしていることも改めて確認しました。
はーばりー前のふれあいマリン広場には、今治ゆかりの小説家・徳冨蘆花の歌碑があり、そのモニュメントの設計を丹下健三がかかわったことも解説しました。蘆花は10代の若かりし頃、今治キリスト教会の伝道を手伝ったことがあるのです。せっかくなので、はーばりー屋上にあがり、来島海峡の景色を楽しんでもらいました。海峡大橋や亀老山も見えています。同施設2階にはFMラヂオバリバリのスタヂオもあり、近い将来、プレゼン技能の上達も兼ねて、学生たちにはスタヂオ収録にも挑戦してもらおうと思います。
| 丹下健三設計記念碑とはーばりー |
最後はJR今治駅前へ移動し、バスターミナル周辺の観光施設等を確認。知って欲しかったのは、実証実験でキッチンカーが営業していること、世界的な自転車メーカーGIANTの直営店があること、今治市のサイクリングターミナルや観光案内所があることでした。猿飛佐助像、山口尚秀選手の東京パラ五輪・金メダル(水泳)を記念した金色の郵便ポストなども、いまばり博士検定の勉強も兼ねて確認しました。同所を訪ねた時間帯は午前10時過ぎでしたが、レンタサイクルの手続きを行う白人系のインバウンドをよく見かけました。新たなホテルが駅前の病院跡地に建つという情報も耳にしており、ホテル観光業の動向にも注視するよう伝えました。
| JR今治駅前 |
今治市中心市街地の授業は、これで3回行ったことになります。ここでレポートを課し、学生たちが何を感じたのか確認を行い、文章力も徐々に鍛えて参りたいと思います。5月9日には、同コースの「コースセミナーⅠ・南予研修視察」で、内子町や大洲市の古い町並みや地域活性化の取り組みを巡検予定です。当面は知識を増やし、見る目を鍛えさせたいと思います。

