2月20日(水)、2年生による『平成30年度 今治明徳短期大学 介護福祉研究集会』が開催され、無事に終えることができました。
介護福祉研究集会は、実習やボランティア、学校での学びなど2年間の様々な体験を通して、事例や課題から各自がテーマを持ち研究したことを発表する、めいたん☆かいごふくし2年生の集大成の場です。
今年の介護福祉研究集会も三部構成で開催され、第一部は地(知)の拠点事業の公開講座として、たぬき倶楽部代表竹内裕氏にお越しいただき『認知症になったらダメなの?~認知症当事者が語るディメチェン~』と題し、トークセッション形式でお話をしてくださいました。
『たぬき倶楽部』は認知症に根付くイメージを変え、パラダイムシフトしていくチャレンジをしているグループで、竹内さん自身も59歳で前頭側頭型認知症の診断を受けた若年性認知症の当事者なんだそうです。
当時の心身の状態や葛藤、自宅に引きこもるようになった経緯や友達に「認知症」であることを知られたくないともがいていた時のお話、そこから自分のしたいことをして、前向きに生きていこう!と思えるようになったきっかけなど、たくさんの経験談をお話ししてくださいました。
また、現在も積極的に取り組まれている認知症理解の啓発活動についてはとても熱く、ご自身のライフスタイルや生活上の工夫などはユーモラスに、赤裸々にお話してくださる姿からは認知症という病気に対するネガティブな要素はひとつも見当たりませんでした。毎日をとてもイキイキと過ごされている様子やご自身のちょっとした失敗を笑い飛ばす明るさに、私たちは「認知症」のことを何も理解していないのだと思い知らされた気持ちでした。
トークセッションらしく、学生や会場からの質問にも気軽にお答えいただき、終始和やかな雰囲気で行われましたが、「偏見や誤解を解いて、少しでも多くの人に正しく病気を理解してほしい」という竹内さんの思いは学生達だけでなく、会場にお越しいただいた地域の皆様の心にも響く時間だったように思います。
第二部からが学生による発表です。
第二部は事例報告として、大本昇陽さんは『施設での生活を楽しむ』、福岡智子さんは『QOLとADLの向上』と題し、それぞれが介護実習DEで担当させていただいた利用者の介護過程の展開について、その成果を発表しました。
自分自身の支援を振り返り、真に求められる支援や介助とはどのようなものなのか、真剣に向き合い、もがきながら考察してきたことを自分の言葉で伝えることができました。
第三部は、大澤亮子さんが『障害者の恋愛と結婚』、桑村望さんが『レビー小体型認知症について~ケアの現状と今後の課題~』と題し、1年間を通じて行ってきた介護福祉研究の発表をしました。
学内外での学びを土台にした研究の成果をしっかりと伝える姿はとても頼もしく、日々の学びを大切にしながら、丁寧に研究を重ねてきたことが伝わってきました。
1月末には国家試験の受験もあり、同時進行での準備となり大変なことも多かったようですが、資料を精査し、自分の言葉で伝えるべく練習を重ねてきた4人。緊張した顔も見られましたが堂々と発表する姿はとてもかっこよく、眩しく感じました。
また、準備はもちろん、舞台の下や外で、一所懸命に自分の役割を全うし、支えてくれたクラスメイトがいたからこそ、4名の発表が素晴らしいものになったのだと思います。みんなで力を合わせて発表会を盛り上げられたことは、このうえない喜びになったのではないでしょうか。
1年生は、先輩たちの姿に1年後の自分の姿を重ねることができたでしょうか?これからの学びや実習が実りあるものになるように、そして自分の目標や夢に突き進んで行けれるように、これからも一緒に学びながら頑張っていきましょうね!
実習先でお世話になった皆様、保護者の皆様、卒業生の皆様、地域の皆様、教職員の皆様、2年間温かく見守っていただきありがとうございました。
みんなの成長を感じられる介護福祉研究集会ですが、同時に、この発表会は教員が2年生にしてあげられる最後の授業でもあります。2年間で頼もしく成長した姿を見せてくれて嬉しい反面、今年も、ちょっぴり寂しさを感じる季節になりました。