現在、本学の留学生の多くはライフデザイン学科の国際観光ビジネスコースに所属し、いわゆる技人国(技術・人文知識・国際業務)の就労ビザ取得を目指し、学修に励んでおります。卒業後は、通訳業務等で日本での就職を目指す学生が多いようです。観光業を進路に希望する学生が多いなか、今治の地場産業であるタオル会社や造船関連会社へ就職する学生もいて、日本語と母国語をうまく生かしながら活躍しております。
一方で、少子高齢化社会で人口が細る今治市にあって、外国人労働者の数が年々増えております。14万人余りの人口にあって、4,000人余りが外国人で、最も多いのはフィリピン人です。ものづくりの現場では、外国人の力が必要とされ、増える外国人との共生社会の仕組みづくりも急がれるところです。
そうした中、本学へ入学する留学生の中に、産業の技能(資格)を身につけて今治市や愛媛県内に就職することができないか、将来的な展望を探る必要があります。そこで、地場産業の造船・繊維産業の技能が修得できる愛媛県立愛媛中央産業技術専門校(今治市桜井団地)と連携し、共通教育科目「地域社会論・地域交流演習」(大成経凡先生)の授業の中で学生たちの視察が10月23日(木曜)に実現しました。職業観の醸成や日本社会への理解を深める目的でも、小さな一歩ではありますが、確かな一歩だったように感じております。専門校の教職員が、本学の留学生の特性を知る機会にもなったかと思います。
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| 専門校の概要説明 |
視察に参加したのは42名の留学生で、国別はミャンマー25名・ネパール11名・インドネシア4名・スリランカ2名でした(1年生履修生40・2年生聴講生2)。まず、専門校の紹介VTRを視聴し、同校に今治タオルものづくり科・服飾モード科・ビジネスデザイン科・設備エンジニア科という4つのコースがあることを学びます。そして、実際に3班に分かれて、授業の様子や訓練設備を視察しました。同校では、過去に服飾モード科で外国人が訓練を受けたことがあったようです。
今後の展望としましては、今治市と同校と産業界が連携し、クレーンの玉掛け講習会を同校で実施する計画があることもうかがいました。これまでは、隣県で講習を受けていたことで、雇用会社の経済的負担が大きかったようです。多文化共生社会の推進に向けて、地域社会が動き出そうとしています。本学も、増える留学生に対して、キャリア支援の多様な対応が求められております。



