7月30日(水曜)の「日本を学ぶⅠ」(大成経凡先生)は、前期最終回の授業となり、補講を組んで大山祇神社(大三島宮浦)へ学外授業に出かけました。39名の履修生が参加し、留学生は4か国(ミャンマー・中国・インドネシア・スリランカ)37名を数えました。
これまでも、何度か授業を通じて同社を訪ねていますが、今回は国宝・重要文化財の甲胄・刀剣類を収蔵する〝宝物館〟が一番のお目当てでした。かつて「日本総鎮守」という格式を誇った同社は〝大山積神〟(おおやまづみのかみ)をまつる本社でもあり、末社は全国に1万社余りを数えます。山の神であり、農の神であり、航海の神でありと、その御利益にあずかりたいと願う参詣者は多く、大山積神が皇祖神〝天照大神〟の兄神であることも、格式や威厳を高める要因ともなっています。FC今治のエンブレムにも、同社神紋の〝側折敷縮三文字〟(そばおしきちぢみさんもじ)が採用され、かつて村上海賊の一派・来島村上氏の家紋もこれと同じでした。
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社殿(拝殿)前 |
そうしたことから、戦勝祈願や戦勝へのお礼で、同社には平安時代末期から武士からの奉納品が多くありました。源義経奉納とされる赤絲縅鎧(あかいとおどしよろい)については国宝で、時代の分岐点にもなった源平の合戦をイメージすることができます。宝物館は、国宝館と紫陽殿の2棟からなり、国宝館については大正15(1926)年竣工の鉄筋コンクリート造です。宝物である文化財を、火災や盗難から守ろうと、早い時期から保護しようとした気運がよみとれます。よく見ると陳列ケースも大正時代のもので、展示品以外にも感じとって欲しいポイントがあるのです。隣接する大三島海事博物館では、昭和天皇の御採集船「葉山丸」の実物展示に驚かされました。30分ほどの駆け足の見学となりましたが、学生たちは何を感じとったことでしょう。
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宝物館(国宝館) |
その他、二の鳥居そばの伊藤博文揮ごうの社号碑、一人角力が催される土俵そばの斎田(さいでん)、御神木であるクスノキの老木(国指定天然記念物)、拝殿(国指定重要文化財)前、パワースポットで有名な生樹の御門(いききのごもん、県指定天然記念物)などで集合写真を撮りました。プライベートや後期の授業でも大山祇神社を訪ねる機会があろうかと思いますが、今治市は山あり、平野あり、島あり、海ありと広域的な領域に魅力が点在しています。学生たちには、島しょ部の魅力にも関心を持って欲しいと願います。
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御神木のクスノキ |
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二の鳥居と社号碑 |
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生樹の御門 |