今年度調理ビジネスコース(1年生)は、JAおちいまばりさんと里芋の親芋を使ったSDGSなレシピ開発に取り組んできました。
親芋は、大きくて、少し硬くてアクが強いので、市場に流通させることが難しく、捨てられている食材。でも、心の奥には「捨てるなんてもったいない!」という想いがあります。今回の取り組みは地域の食と農を守るためのSDGsへの取り組みの一つです。
【レシピ開発のバックグラウンド】
2023年6月にJAおちいまばりさんから「里芋農家が大量に廃棄している親芋で、地域の味や伝統を守っているJAおちいまばり女性部員と、学生たちの斬新なアイディアと融合させた、今までにないオリジナルな発想のレシピを完成させたい」とのご相談を受け2023年度後期開始とともにJAおちいまばりとともに開発に取り組みはじめました。
【メニュー開発秘話】
メニュー開発では、以下の3つにこだわりました。
①親芋なのに美味しい
②家庭でも調理できるか
③学生らしいアイデアであるか
そして、メニュー開発の最大の難関は、親芋の固い食感と、仕上がりの色がグレーになること。学生が、いろいろな方法を試したところ、ある方法が、この2つの問題を一度に解決するということを発見!
その、ある方法とは…
「里芋を酢を入れた水で茹で、そのまま少し放置する」
このひと手間で、白く、なめらかな食感に茹で上がります。
酢の味は残らず、ペーストにした後も変色が少ないです。
ぜひ、お試しください♪
【試食会でのブラッシュアップ】
調理・試食会を重ね、JAおちいまばり婦人部や営農販売部部長、さいさいきて屋店長さん、加工会社ではる株式会社ダイイチフーズ社長など、ビジネスのプロ視点からのアドバイスもいただきながら、試作を繰り返し、全部で7品のメニューが完成しました。
【里芋の親芋を使ったオリジナルメニュー 全7品】
①農業祭で販売
・メープルクッキー・里芋だんご・焼きプリン・クリームコロッケ
②農業祭で試食
・ディップソース
③彩菜食堂で販売
・里芋と海老のしんじょう・和風キッシュ・里芋のハンバーグ
【2024年11月16日「第23回農業まつり」(越智今治農業協同組合主催)での出店】
農業まつりに向け、キャリー3ケースの親芋を提供いただき、放課後の時間、剥き、茹で、ペーストにし、3日間かけて販売用に備えました。
親芋は皮が厚く、食感も悪いため廃棄率が高いので、キャリー3ケースの芋も最終的に15㎏程度のペーストになりました。白いペーストはお菓子の生地にぴったりで、見た目のマイナス要素を払拭したおいしいクッキー・プリン・団子ができました。
コロッケは、グレーの仕上がりを逆手にとり、黒いコロッケにしようとも考えたこともありましたが、白いコロッケの方が万人受けするだろう…となり、白いコロッケを提供することなども話し合って決めました。
当日はクリームコロッケが好調でした。1パックにコンソメ味とカレー味の俵型コロッケが1個ずつ入って150円(安い!)。開始から1時間ほどが経過した頃に150パックが完売。焼きプリンも同じ頃に完売してしましました。
コロッケはずっと揚げ続け、完売とともに作業終了となり、その後はだんごとクッキーが完売するまで頑張りました。
【彩菜食堂での販売】
2024年2月5日から3週間、さいさいきて屋の彩菜食堂で学生のレシピが週替わりで限定販売されました。愛媛新聞さんにも取材いただきました。お店の方には、メニューは好評で、売れ行きもよかったとお話いただきました。
販売メニュー
2月 5日(月)~2月11日(日)里芋と海老のしんじょう
2月12日(月)~2月18日(日)和風キッシュ
2月19日(月)~2月25日(日)里芋のハンバーグ
※現在親芋のシーズンが終わってしまい手に入らないそうで、里芋使用でより美味しくなっています。
地域の産品とじっくり向き合い、扱い方を考え、新しい商品を生み出す作業はとても大変ですが、こうしてたくさんの方に召し上がっていただく機会をいただき、充実感と感謝の気持ちでいっぱいです。
▼レシピはこちら。ぜひ、ご自宅でも作ってみてください。