2023年3月31日金曜日

公開講座で今治魅力再発見!

  お陰様で、当初の目標にしていた大学公開講座を年間20回開催することがかないました。最後の講座は、それまで3回以上参加された方々にお声がけをし、今治市内の魅力スポットを〝いまばり博士〟(本学地域連携センター長・大成ケイボン)と巡るバス観光で企画を組みました。学生3名に補助をお願いし、総勢13名で3月23日に大三島・大島へ出かけることになりました。最初と最後に少し雨に降られましたが、おおむね曇天の中で予定通りの観光を楽しむことができました。

 実は、観光コースは当日まで明かさず、訊かれた場合は〝大三島方面〟とだけお伝えするミステリーツアーとなっていました。最初の目的地は、今が旬のイチゴの農園を目指して、上浦町甘崎(あまざき)でイチゴ農園を経営する「井上苺園」を訪ねました。大三島ICを降りて右折後、しばらく走ると右手に見えてくるビニールハウスがそうで、イチゴ色のぼり旗や看板が立っているのですぐ分かります。同園はテレビ放送にもよく取り上げられ、イチゴ狩りやヤギのエサやり体験などを楽しむことができます。当日は、ハウスの見学のみとなりましたが、試食の摘み取りをさせていただき、半数の参加者がお土産にイチゴ(あまおとめ)を買い求めていました。今治市の陸地部では、菊間地域でイチゴ栽培が盛んですが、島しょ部では上浦地域が盛んで、観光農園をグリーン・ツーリズムとして楽しむオススメのスポットといえます。すぐ前の海岸からは、村上海賊や藤堂高虎が築城や改修にかかわった甘崎城跡(県史跡・日本遺産)もあり、近所には一棟貸しの宿泊施設「オオミシマスペース」や人気の洋食レストラン「フィレール」もあります。


井上苺園


 次に向かったのは大三島町宗方(むなかた)地区の「大三島ふるさと憩いの家」です。甘崎地区から大三島を時計回りに進み、移動中の車窓からは、いつもとは逆方向の海の景色を眺めることができました。昭和31(1956)年竣工・旧宗方小学校の〝憩いの家〟は、現在は宿泊所施設として利用されており、過去には木村佳乃主演の映画「船を降りたら彼女の島」(2002)のロケ地にも活用されました。校庭跡には「岩田健 母と子のミュージアム」(2011オープン)もあり、入場して彫刻作品を鑑賞する参加者もいました。天気が良ければ、そばのビーチから来島海峡大橋を遠望することができます。

大三島ふるさと憩いの家


 つづいて、大三島町宮浦地区を目指しますが、車窓から伊東豊雄建築ミュージアムを眺めると、その背景には広島県の大崎下島(大崎下島町)を肉眼でもはっきり確認することができました。そして、大三島中学校の廃グラウンド付近にバスをとめ、昨年7月の公開講座でお世話になった「しまなみイノシシ活用隊」(渡辺秀典代表)の作業施設を訪ねました。ちょうど早朝にかかった70㎏ほどのイノシシが括られていて、これから〆(シメ)て血抜きし、鮮度を保った状態で部位ごとに解体するとのことでした。また、これより先に解体されたものは作業所でパッキング済みで、排出皮(剥ぎ取った革)は革製品の加工・販売を手がける「Jishac」(ジシャク)の重信さん(元地域おこし協力隊員)が脂肪分の除去を行っていました。参加者からは、「ここでイノシシ肉は買えないの?」と質問があり、ここでもお土産に買い求める人が数名いて、「今夜の晩御飯は焼肉かな♪」と喜ばれていました。


しまなみイノシシ活用隊の作業所

イノシシの排出皮作業を行う重信さん


 昼食は、大山祇神社周辺で各自おとりいただくことになり、1時間ほど自由散策としました。海鮮丼が食べられる「大漁」や神社参拝などで、みなさん観光気分を味わえたようでした。そして、次の目的地である上浦町井口(いのくち)のWAKKA(ワッカ)を目指す途中、シダレ桜が満開の教善寺(鷲ヶ頭山登山口付近)にて集合記念写真を撮りました。WAKKAは、サイクリストへのサービスを兼ねた宿泊施設で、こちらもテレビ放送でよく紹介される人気のスポットです。ドーム型のグランピング施設など個室を数棟有し、利用料金が1名2万円余りでありながら、すでにGWまで予約で満室とのこと。村上支配人から施設の案内を済ませた後、参加者は同所のオシャレなカフェでコーヒータイムとなり、島時間をしばしくつろぎました。ちなみにWAKKAの名称は自転車のタイヤに由来するようですが、目の前の護岸には、塩田の水門にあたる〝樋の輪〟(国登録有形文化財)もあって、こちらは2年前のNHKブラタモリでも紹介されました。つまりは、WAKKAの場所は、昭和30年代半ばに廃止された塩田跡なのです。

WAKKAのカフェでくつろぐ参加者

 大三島のツアーを終え、帰路の途中に立ち寄ったのは大島の宮窪町余所国(よそくに)にある「橋夢(はしむ)公園」です。これは、マレーシアの銀行王のタンスリ・アズマン・ハシムさんの名前から付けられた名称で、ハシムさんの祖母の故郷が余所国であることから、その感謝の気持ちで公園整備費を今治市へ寄付したものです。ご当地の花崗岩(かこうがん)〝大島石〟をふんだんに使った庭園ですが、4月オープンを目指して最終仕上げの工事を行っている様子でした。さらに、能島城跡(国史跡、日本遺産)の対岸にバスをとめ、川のように流れる潮流を鑑賞したりもしました。〝桜の島〟で有名だった能島も、今では樹木がほぼ伐採されて〝史跡の島〟に生まれ変わろうとしています。株式会社瀬戸内しまなみリーディングによる上陸ツアーも催行されています。


教善寺のシダレザクラ


今回のツアーは、10年前・20年前とは違う、今治市の観光振興の変化を知るツアーにもなり、9時出発16時過ぎ帰着の〝しまなみ満喫ツアー〟となりました。次年度の大学公開講座を待ち望む声や本学の科目等履修にも挑戦したいという参加者の声もきかれました。









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