2025年4月3日木曜日

3月オープンキャンパス開催(3月23日)

 3月23日(日曜)、3月オープンキャンパスを開催したところ、全学科コースに高校生・社会人を合わせて20名(これ以外に保護者13名)の参加があり、遠く東広島市・四国中央市・八幡浜市からの参加者もありました。。学年では2年生(新3年生)が最も多く、学科コースでは保育士を目指す幼児教育学科に12名の参加がありました。また今回は、新たに地域未来創生コースの体験授業を実施したところ、社会人1名の参加がありました。

 最初の学校説明(大講義室)では、泉浩徳学長と同窓会くすの木会の豊田快斗会長それぞれから挨拶があり、泉学長からは〝変わろうとするめいたんへの期待感〟が、豊田会長からは〝在学生の就職活動をサポートしたいという、同窓会の心強いバックアップ〟が語られました。学校説明は、入試広報委員長の大成経凡先生から、新コースの紹介とともに、地域との産官学連携や学内の異なる学科コースどうしの連携など、つながりを大切にする本学の特長が語られました。この日も、日本食研ホールディングス様と伯方塩業㈱様からは協賛品の商品をご提供いただくなど、心強いサポートがありました。学校説明の後は、少しだけキャンパスツアーを実施し、PCラウンジやピアノレッスン室など、入学後によく利用する部屋を見学しました。

学校説明 (大講義室)

 体験授業は50分実施し、各学科コースのテーマは以下の通りとなります。幼児教育学科【「くるっ楽しい」幼児教育を体験しませんか!】(井上浩二先生・岡田奈恵美先生)、調理ビジネスコース【マジパン細工でキャラクターを作ろう】(竹田貴好先生・大西望先生)、国際観光ビジネスコース【会社について学ぼう】(中山光成先生)、介護福祉コース【介護の楽しさ 〜大切なものって何?〜】(藤田英樹先生)、地域未来創生コース【YOUもいまばり博士になろう】(大成経凡先生)というものでした。これが終わると、3つの部屋に分かれてカフェタイムを実施し、国際・介護・未来が合同でのランチとなりました。このとき活躍したのが在学生のキャンナビ(準備・受付・授業補助・撮影)で、春休み期間中でしたが、めいたんプロモーションクルーの1年生12名が参加してくれました。


体験授業(幼児教育学科)


カフェタイム

 12:30過ぎに終了・解散となりましたが、13:00からの今治魅力発見ツアーにも3名の参加があり、キャンナビ6名と豊田会長も同行し、共通教育科目「地域活性化論」や「地域交流演習」の体験授業を味わうことができました。この授業は、新コースの中核を担う科目ということもあり、今後のオープンキャンパスでは一人でも多くの参加があって欲しいものです。ところで行き先ですが、全国展望所ランキング2位にもなった大島の亀老山展望台へ。建築家・隈研吾先生の設計としても有名で、来島海峡を俯瞰する絶景は多くの観光客を魅了しています。あいにくの黄砂で石鎚連峰は見えませんでしたが、それでも初めて訪問した参加者は喜んでくれました。つづいて、よしうみバラ公園へ。バラは咲いていませんが、今治市合併20周年記念事業として開催中の第1回島四国お遍路マラニックを視察。同公園がゴール地点となっていたことで、フィニッシュするランナーたちを拍手で出迎え、盛り上げ役に徹しました。そのお礼に、ランナーたちに振る舞う鯛めしを、めいたんツアー一行もいただくことができました。宮窪漁協のつくった鯛めしは臭みがなく、これには学生も驚いていました。今年開催の島四国では、島四国霊場会と連携し、4月19日に介護福祉コースがお接待のボランティアを行う予定です。

 次回のオープンキャンパスは5月18日(日曜)の開催予定です。新コースのYouTube動画を本学ウェブサイトにて公開中です!



今治ツアー(亀老山展望台)


島四国お遍路マラニック(ゴールを祝福)


2025年4月1日火曜日

公開講座「これから必要な介護と生活の可能性について」(3月5日)

 3月5日(水曜)午後、特定非営利活動法人リハケアリングネットワークの香川寬理事長を講師にお招きし、「これから必要な介護と生活の可能性について」をテーマに大学公開講座を開催したところ、本学の介護福祉コースの学生と市内の介護施設の職員を中心に24名の参加者がありました。

 作業療法士の立場などから、現場に即したお話をされたことで、実際に現場(施設・家庭)で理論にもとづいて介護や看護にあたっている受講者には、試行錯誤の中に確かなヒントや可能性を感じとれる内容だったようです。最後の質問タイムも、実情に即した内容が投げかけられ、それに丁寧に答える香川先生のお姿が印象的でした。声も大きくて聴き取りやすく、ご年輩の参加者にもとても好評でした。

 学生のアンケートを見ると、「利用者さんの可能性を見つけ、伸ばすことが大切だと感じた」「福祉器具を工夫して使用することで、利用者さんにとって負担にならないような介護ができると感じた」「介護の仕事にやりがいを感じる良い機会になった」「一人一人の可能性を大切にし、介助を行っていくという必要性が心に残った」と、収穫の大きい講座となったようです。


講演する香川寬先生

熱心に質問する受講者


2025年3月31日月曜日

令和6年度 学位記授与式

 3月19日(水曜)、第58回学位記授与式が本学体育館であり、出席した在学生・保護者・教職員・来賓に見守られ、ライフデザイン学科33名(介護9・栄養5・調理6・国際13)、幼児教育学科15名の合計48名の学生が2年間過ごした学び舎を巣立つこととなりました。

来賓祝辞では徳永繁樹今治市長と杉岡誠太郎短大後援会長からお祝いのお言葉をいただき、卒業生代表挨拶は幼児教育学科の岡野隼己さんがつとめました。卒業生の皆様におかれましては、今後の活躍を祈念しますとともに、同窓会くすの木会の会員として今後は本学を陰ながらサポートしていただけると幸いです。















2025年3月26日水曜日

介護福祉コース 介護福祉研究集会

 2月28日 それぞれの実習事例を「事例研究」にまとめて発表する「介護福祉研究集会」。

自分の「介護観」を持ち、自分らしい強みを発揮できるようになってほしいという想いで実施しています。

みなさん、堂々と発表できました😉





2025年3月21日金曜日

今治南高校園芸クリエイト科で出張授業

 2025年3月4日

今治南高校園芸クリエイト科で出張授業。

幼児教育学科は「自然環境から学ぶもの」国際観光ビジネスコースは「研究・調査って何するの?」というテーマで高校での専門分野(農業)と、明徳短大の専門科目を接続させた授業をおこないました。 





2025年3月19日水曜日

短大見学 FC今治明徳校

2025年3月4日 FC今治明徳校の生徒がめいたんで短大見学!

それぞれが興味のある専門分野の学びを体験しました。

新しい発見💡あったかな?






2025年3月14日金曜日

国際観光ビジネスコース 今治南高等学校の交流活動に参加しました。

2025年3月11日 国際観光ビジネスコースの留学生3名(メイ・ヤダナー、ジン・ミン・ソー、シャー・サクシャム・ジュン)が、今治南高等学校1年生の「総合的な探究の時間」の交流活動に参加しました。

 東日本大震災発生の日である3月11日に、改めて防災について地域の外国人と共に考えるという目的に交流活動が行われました。災害時、外国人が困らないように、どのように話せば伝わるか「やさしいにほんご」についてグループで話し合いました。



 今治弁やピクトグラムなどもクイズ形式で楽しく学ぶことができました。留学生も真剣に考えていました。


 最後に、ジンさんがミャンマーの防災教育について説明しました。ミャンマーは地震はないが、水害があること、そして、災害の際は政府の指示に従う仕組みになっているということを自分の言葉でしっかり話すことができました。



 高校生だけでなく、地域の方々、また、地域に住む外国人とも交流でき、また防災について考えるよい機会となりました。

 このような会を開催していただき、今治南高等学校、ならびに、地域の皆様に深く感謝いたします。


2025年3月13日木曜日

大学公開講座 3月3日 智内威雄「左手のピアニストの芸術と福祉」

 3月3日(月曜)、左手のピアニスト・智内威雄氏を講師に招いて公開講座を開催したところ、43名(うち一般35名)の参加者がありました。ちょうど春休み期間中ではありましたが、幼児教育学科の学生2名も受講してくれました。

 智内氏が本講座で講演をするのは今回が3回目となります。氏の父は、今治市波方町出身の著名な洋画家・智内兄助氏です。威雄氏は、父が居する埼玉県蕨市の出身ですが、父の帰省に合わせ、祖母が健在だった頃は波方にも立ち寄る機会があったようです。威雄氏は、この日、司会をした地域連携センター長の大成経凡先生とは再従兄弟の続柄で、父親どうしが従兄弟となり、祖父は同一の智内鶴吉とのことです。講座の冒頭部分で、大成先生から智内家のファミリーヒストリーについて紹介がありました。父子は、今年1月にあった今治市合併20周年記念教育文化スポーツ功労賞を受賞しています(大成先生も同賞受賞)。


演奏の様子

 威雄氏は、母が学生時代に声楽の道へ進み、劇団四季の初期メンバーだったこともあり、幼い頃からピアノ漬けの生活でした。当初は〝やらされてる感〟が強かったようですが、中学・高校生の頃に、同級生たちが自らの演奏を喜んでくれたことを機に、演奏に取り組む姿勢が大きく変わっていったようです。今でも、演奏を通じて、人を喜ばせたい、支えになりたいという気持ちを強く持ち続けています。そのことが、ハンディキャップを背負った人々が左手(one hand)のピアノ演奏で活躍できる機会〝左手のピアノ国際コンクール〟の創設につながりました。今治市在住の河野信幸君も同コンクールに出場し、成長する姿を威雄氏もうれしく感じているようです。また、威雄氏は子供たちによる左手のピアノの楽曲づくりにも取り組み、この日は、実際に蕨市や氏が住む箕面市の子供たちが作曲した曲を演奏してくれました。

毎回感じることですが、左手のピアノ演奏は、両手のピアノとは違ったジャンルとして認識でき、一つの芸術として昇華されているように感じます。その左手の楽曲が誕生した背景に、第一次世界大戦で右手を負傷した演奏家たちの社会復帰がありました。威雄氏の場合は、ドイツのハノーファー音楽大学留学中に右手に局所性ジストニアを発症し、両手でピアノを弾けなくなりました。リハビリを続け、日常生活で右手を使うところまでは回復するも、ピアノ演奏家としての道は断たれたかに思えました。そこで、作曲家や声楽の道へ進もうとしたところ、指導教官から〝左手のピアノ〟の存在を教わり、これにチャレンジすることで首席で同大学を卒業したのです。


聞き入る受講者

今回の講演では、数年前に亡くなった母の看取りについての報告もありました。ガンを患いながらも、亡くなる半年ほど前に孫たちへの歌声を動画収録しました。画伯と孫たちもその収録に立ち会い、威雄氏がピアノを演奏しました。この日は、その映像が披露されましたが、智内家の美への価値観が投影されているようで、家族や他人の人生に寄り添う形について考えさせられるものがありました。今年2月に開催された第3回ウィトゲンシュタイン記念左手のピアノ国際コンクールを終えて威雄氏が残したコメント「芸術に勝ち負けをつけることの是非よりも、人には様々な目標が必要であり、そして用意されるべきである。」には、本学の教育活動においても必要とされる普遍性をもった考え方だと感銘を受けたしだいです。


講演の様子

威雄氏によると、このほど「智内兄助一般財団法人」が創設されたようで、同財団は画伯の故郷・今治市への貢献が大きな活動目的となっています。今後、父子の活動が、より多くの今治市民と触れ合う機会も増えてこようかと思います。令和8年度に本学で新設される地域未来創生コースでも父子との交流機会を持ち、学生には人間力を磨いて欲しいと願います。同コースの募集は3月23日(日曜)のオープンキャンパスから始まりますが、大成先生によると「まずは10人を目標に募集し、少数精鋭できめ細かな指導を心がけたい」とのことでした。

幼児教育学科の学生・教員と



2025年3月10日月曜日

南海放送ラジフェス2025に出展(3月1日)

 PAL協定を結ぶ南海放送様からのお誘いで、ラジフェス2025in松山市大街道のグルメブースへ出展しました。今回は、国際観光ビジネスコースと新コース「地域未来創生コース」のPRも兼ねて、ミャンマー人留学生4名がナンジートゥ(ミャンマー風混ぜそば)の調理を、日本人学生2名が本学の認知度調査のアンケートを行いました。


めいたんブース

 ラジフェスは、南海放送ラジオ(エフナン)主催のイベントで、前回は約24,000人の来場者があったようです(コロナ禍等で中断し、今回再開)。大街道に特設ステージとスタジオが設けられ、お馴染みの南海放送アナウンサーやスペシャルゲスト(ちゃんゆ胃さんら)が登場し、商店街と一体化して地域を盛り上げるイベントとなっています。この中に、企業協賛ブースとグルメブースもあって、通行人に自社商品をPRする絶好の機会となっています。ちょうど開催日の3月1日(土曜)は、県内の高校が卒業式とあって、午後からは胸にリボンをつけた高校生・保護者の通行人が多かったように思います。また、南海放送ラジオのリスナーが特設会場に多く詰めかけている印象を受けました。本学のCMも生放送の中に何度も流れ、グルメブースでのインタビューやステージへあがってのPRタイムなど、本学の情報をエフナン通じて発信することができました。


エフナン生放送でインタビューを受ける留学生

 さて、ナンジートゥですが、ミャンマー人にとってはソウルフードといえるもので、〝少し辛いあえ麺〟といえば分かりがいいでしょうか。学生たちは好みに合わせた味付けをし、ふだんの朝食でも食べたりするようです。ナンプラー・ニンニク・ショウガ・きなこ・三つ葉・鶏肉などがその味の決め手となっています。寮で誕生会などのパーティーをする際は、ミャンマー風焼きそばのカウスエジョーとともによく調理されています。今回は、入試広報委員長の大成経凡先生と国際観光ビジネスコース長の中山光成先生が引率しましたが、学生たちのSNS(facebook)に登場するそれら麺類に大成先生が興味を抱き、学生たちに出展のオファーを出しました。留学生4人(ジンミンソー君・パンエイさん・アイニェイントゥさん・ナンダーゾーさん)は全員、昨年秋入学の1年生となりますので、イベントを通じて日本人との交流を得、ボランティア活動への関心が向く好機になったものと思います。留学生が全学生の62.5%を占める本学では、その多くが所属する国際観光ビジネスコースの特長をいかに出すか、また、日本人学生と交流機会を多く設け、お互いにとっていい関係性が築けるかなどが課題となっています。


来展者の質問に答える留学生


 アンケート調査を手伝ってくれた調理ビジネスコース1年の猿谷めぐみさんは、北宇和高校三間分校地域情報ビジネス部の頃から地域活動に関心を持ち、大成先生の共通教育科目(地域交流演習など)で留学生との交流を楽しんでいます。同じく国際観光ビジネスコースの渡壁大地君は、ふだんから留学生と交流する機会が多く、国際感覚を学べているようです。平成8年度開講予定の地域未来創生コースは、日本人学生がまさにそうした点を強みとして、地域探究を通じた学修を通じて、個々のプレゼンテーション能力向上を目指したいと考えています。ちなみに両名は、今年度の本学「大学案内」の表紙モデルであり、南予地域出身です。新コースは、東予地域出身者が多い本学にあって、県内全域はもちろん、県外からも応募があるような充実したものに高めていく必要があります。今後、募集に全集中です!


アンケートをとる日本人学生


 話は、ナンジートゥに戻りますが、初めて食べる不思議な味が、来展者にとても好評でした。県外からの旅行者や外国人(韓国人2組)もいました。県内の方は、やはり松山市近郊のご年輩者が多く、本学の知名度はそれなりにあるように感じました。これが認知度になると、中予地域では少し厳しい印象を抱いており、今回のように攻めの姿勢でイベントに参加することが大切だと感じました。来展者からも、このような取り組みはとても大切だと励ましのお言葉をいただきました。期待していた高校生は1名しか座らず、父娘で座ってくれた背景には、西条市在住ということで本学を認知してくれていることが背景にありました。まだ1年生で進路が決まっていなかったため、3月23日開催のオープンキャンパスのチラシをお渡ししました。今治市在住のご家族も、会場に向かう途中にラジオを聴いて駆けつけてくれました。本学とエフナンがつながることで、リスナーを通じて認知度も上がっていくように感じました。

ナンジートゥ


 来展者の一部から、「ナンジートゥのレシピがあるともっと良かった」や「美味しいから、自宅でも作ってみたい」などの感想もきかれ、留学生たちとのコミュニケーションを楽しんでいました。準備の9:30から終了の15:30頃まで、学生たちはずっと立ち通しで、時折肌寒さを感じましたが、いい経験につながったようなら幸いです。レシピにつきましては、後日、掲載したいと思います。










2025年2月28日金曜日

FC今治高校里山校で出張講義(2月21日・22日)

 高大連携事業の一環で、2月21日と22日、隣接するFC今治高校里山校1期生の地歴科の授業で出張講義を行いました。講師は、いまばり博士検定の監修者でもある、本学地域連携センター長の大成経凡先生が務めました。大成先生が同校で出張講義を行うのは、今回が4回・5回目となります。テーマは、生徒たちの要望に応じて〝今治城の魅力を知ろう〟ということに決まり、21日は教室で近世城郭のイロハや現存12天守のお話、今治城を築かせた藤堂高虎にまつわるお話など、翌22日の学外授業に興味関心が向かう内容を心がけました。生徒の多くが今治市以外出身のため、滋賀県出身の生徒には「高虎が近江国(滋賀県)出身ってことは知ってるよね?」の質問。兵庫県出身の生徒には「今治城の縄張(なわばり)プランをそのまま兵庫県の盆地に移したのが丹波篠山城なんだよ!」といった話題提起を行いました。生徒に一番受けた話は、最近、ホテルルートイン今治店に宿泊した観光客が、チェックインに際してホテル職員に訊ねた質問「ちょうど今、ホテルに到着する前に車窓から見えた城は今治城ですよね。ここから歩いてすぐの距離だから、散策マップがあればちょうだい!」というものでした。残念ながら、それは高井さんが経営する高井城というお城のマンションというのがオチで、今治城は海岸にあって、かつて三重のお堀には海水が導かれていたという話をさせてもらいました。中堀は昭和20年代に埋め立てられて消滅し、外堀は幅をせばめて今治銀座商店街に沿って金星川として現存しています。ドンドビ交差点は、その外堀の西側の角に位置します。かつては、海水と淡水とが干満に応じて出入りする場所で、水量調整を目的に樋門が設けられていました。その出入りの様子が〝吞んだり、吐いたり〟ということで、吞吐樋(どんどび)の地名が生まれたのです。そんなトリビアを織り交ぜながら、21日は言いたいことの6〜7割程度で終了。


座学の様子

 22日は、冷え冷えする8時50分から藤堂高虎像前で今治城ガイドをスタートしました。「天守閣が本当に建っていたのかどうかは分かりません。仮に建っていたにしても、建っている場所が違うし、外観のデザインも違います」「現在の鉄筋コンクリート造6階建ての模擬天守は、昭和55(1980)年に市制60周年記念でつくられました」など、前日の振り返りをしながら、平成19(2007)年に再建された鉄御門(くろがねごもん)へ移動。大手門に位置する鉄御門では、高虎の城郭に特長的な〝桝形虎口(ますがたこぐち)〟という、クランクした城門の構造を解説し、攻め入る敵兵の気持ちになるよう伝えました。また、石垣に使用されている岩石に石灰岩が多いことにも注目。そのことが、築城に際して石不足に悩まされたことを物語っているのです。石灰岩の石垣の表面には、貝類が体液で開けた穴のある点に注目し、本来は城の石垣に用いるような石ではない点を知ってもらいました。花崗岩(かこうがん)についても、品質が劣る脆(もろ)いものを用いていることから、ひび割れが散見できました。

藤堂高虎像と模擬天守

一方、桝形虎口の空間には、一つだけ特別に大きい〝勘兵衛石〟(かんべえいし)という石垣あります。これは見付石(みつけいし)や鏡石とも呼ばれ、攻め入る敵兵を威圧する効果があったようです。他の近世城郭でも、大手門の桝形虎口でよく見受けられます。想像力をたくましくすると、「俺が手がけた城を落とせるものなら落としてみろ!」という、築城奉行の気概をくみ取ることができます。今治城の場合は、渡辺勘兵衛がその地位にあって、陣頭指揮をとっていました。また、土木作業の現場にも、木山六之丞という監督がいて、肉体労働の慰安で誕生した労働歌が、やがて木山音頭という民謡になります。木山音頭は、今治市の夏の祭典「おんまく」の踊り連の課題曲にもなっています。


鉄御門(桝形虎口)の勘兵衛石

 この日のガイドのメインディッシュは、ふだん観光客が進入できない〝犬走り〟に立ち入ることでした。それは内堀の水際から立ち上がる高石垣の裾にあって、土木造成で脆弱な地盤を克服するなど、当時の築城技術の粋が詰まっているのです。見えないその地下には、生松丸太が梯子胴木(はしごどうぎ)で眠っていると考えられ、その上に砂利や土、根石などを敷くことで強度な地盤が形成されています。今治城が立地する場所は、かつて海からの砂が吹き上げた海浜で、そのことから同城を〝吹揚城〟や〝美須賀(みすか)城〟と称することもあります(須賀は砂地や砂丘を意味する)。築城の名手は、石不足や脆弱な地盤を克服する中で、この城を築き上げたという点を生徒たちには理解してもらいました。

本丸隅櫓台すその犬走り

内堀には、何やら魚が泳いでいたようですが、どんな生物が棲息しているのでしょう。廃城後の明治期から昭和初期にかけて、ここでは牡蠣(かき)の養殖がおこなわれていたことがあります(〝堀牡蠣〟で有名だった)。内港から海水が流入する一方で、地下から蒼社川伏流水が沸き、汽水が形成されていることを生徒たちには伝えました。そのため、クロダイやボラ、フグなどをよく見かけますが、メダカやクサガメも確認されています。興ざめだったのは、犬走りでペットボトルや空き缶をよく見かけたことです。沿道や城跡から投げ棄てたものか、それとも内港から流入したものか。それを見つけてゴミ拾いする生徒もいました。

 最後は、今治市開市記念で大正9(1920)年に竣工した本丸隅櫓台(すみやぐらだい)の時報塔へ。この日は6階建ての今治城天守(博物館)は見学しなかったため、本丸隅櫓台から市街の景観を眺めました。そこは、大正11(1922)年に皇太子殿下(後の昭和天皇)が今治市を行啓した際にお立ち寄り(御野立)になった場所で、その記念碑が昭和になって建てられています。時報塔は廃墟となっていますが、かつて市街にモーターサイレンが鳴り響いたことを想像しますと(太平洋戦争末期は空襲警報)、歴史を物語る貴重な近代化遺産といえます。今治市にとって、そこは特別な場所なのです。そうこうして、10時20分に授業は終了となりましたが、いつも大成先生が本学で実施している学外授業の醍醐味が詰まっていたように思います。令和8年度新設の「地域未来創生コース」では、地域探究を授業の柱にすえ、現地現場で得た知見を個々の成長につなげたいと思います。

 

時報塔と皇太子殿下御野立之所記念碑



2025年2月25日火曜日

近見地区の住民交流会に参加(1月27日)

 今治市近見地区では、「しまなみ海道周辺を守り育てる会」(村越定信会長)というまちづくりグループを中心に、地元の歴史文化遺産を生かしたユニークな活動が展開されています。きっかけは、15年前の平成22(2010)年6月に近見公民館であった同会主催の勉強会でした。その時、講師を務めたのが大成経凡先生で、「まちづくりに生かそう近見地区の歴史文化遺産」のテーマで講演を行っています。講演では、地区内にある県下最大の前方後円墳の相の谷古墳(1号墳)や大浜八幡神社の所蔵絵馬・船模型・板図などの価値を解説しましたが、住民が強い関心を示したのが相の谷古墳でした。まず取り組んだのが遊歩道の整備で、地権者の了解を得て草刈り・雑木刈りを行ったことで、古墳のフォルムがよみがえりました。以後、近見小学校6年生の遠足コースとなり(大成先生がガイド役)、今治市教委の事業で近見中学校生徒がドローンを使った教材動画の制作を昨年実施しました。


相の谷1号墳と近見小遠足(2022年4月撮影) 

 その古墳の麓にある城慶寺そばの丘陵〝小湊城〟は、村上海賊ゆかりの海城跡として、日本遺産にもなりました。遠足コースは、古墳・城跡以外に、海上保安庁施設の来島海峡海上交通センター(来島マーチス)や大浜灯台跡地、伊豫水軍そばの湊石風呂跡や日本遺産の大浜八幡神社に及んでいます。しまなみ海道周辺を守り育てる会が近見小学校と連携し、海上保安庁関係機関や寺社らに協力を呼びかけることで、児童が散策をしながら郷土の歴史文化を学ぶ先進的な取り組みが行えているのです。来島海峡に臨むそのエリアは、海事遺産の宝庫であり、〝日本最大の海事都市〟を標榜する今治市にとっては、地域活性化を考える際に戦略的なテコ入れをしやすい場所ともいえます。相の谷1号墳は、県教委が将来的な国指定史跡候補にランクづけしており、期待はふくらみます。


 今、同会が目標とする課題は、大浜灯台跡地の払い下げを今治市に受けてもらい、その場所を今治市海事都市公園第1号とすることです。灯台跡地は国有財産であるため、不要となれば払い下げが行われます。その際の原則が更地にすることですが、同会は明治30年代に築いた敷地を取り囲む煉瓦壁や基礎石垣を残したままでの払い下げを要望しており、そのためには市の買い取りがベストのようです。購入費用は、同会で捻出することもやぶさかではなく、この活動に大成先生もアドバイザーで関係しています。昨年11月下旬に同会が実施した研修旅行(男木島灯台・屋嶋城跡・四国村視察)は、会員以外の参加も呼びかけましたが、そのことがこの日の交流会につながったようです。


ありし日の大浜灯台(絵葉書より)

大浜灯台跡地(2021年11月撮影)


 交流会には、しまなみ海道周辺を守り育てる会以外に、区長・婦人会・保護司・民生委員・老人会・幼稚園長・児童支援員・保健師・社会福祉士などが集まりました。各種世話役の方が意見交換する中で、地域の課題が見えたように思います。この日は極寒でありましたが、公民館の調理室で地元農家の提供を受けた野菜・米で芋煮をつくり、婦人会が腕をふるいました。そして隣室の研修室で昼食会を兼ねた交流会となり、大浜灯台跡地の払い下げの問題も、地域住民の中で共有されました。コロナ禍以降、調理室の稼働率が下がっていたようですが、今回の交流会のために調理の予行演習も行いました。楽しんで取り組めたことで、互助の力で再び地域を見つめ直すきっかけにもなったようです。


意見交換会(近見公民館) 

本学では令和8年度に「地域未来創生コース」を新設しますが、担い手不足に悩む地域には、調理や介護、まちづくりの現場へ、学生たちをボランティア派遣することが求められます。新コースに関係する大成先生によると、近見地区もその候補地の一つであり、ほかに宮窪地域・関前地域・三津浜地区なども念頭にあるようです。そのことが学生たちにとって将来の糧となり、身近な地域の活動を通じて広い視野の醸成につながれば幸いです。3月23日(日曜)の来学型オープンキャンパスから、本格的に新コースの学生募集を始めたいと思います。


将来ビジョンを述べる大成先生






2025年2月18日火曜日

食物栄養コース  栄養College Life Vol.15 1・2年生 コースセミナー「和食マナー講習会」

 

和食マナー講習会

1月31日(金)

四季の味 はな亭で和食のマナー講習会がありました。


マナーを教えてくださる講師は、菅波料理長。

 箸の持ち方、器の扱い方、美しい食べ方を実践し、さらに、お抹茶の作法も体験させていただきました。

綺麗な作法を身につけておく事は、これから社会人になる私たちに、とても大切なことだと思います。和食の美しいマナーを身につけて、日本人として恥ずかしくない振る舞いを心掛けていきたいです。



◆◇◆学生感想◆◇◆

・はな亭での和食作法の学習では日本の歴史で培われてきた美しい作法を学び、その一つ一つの意味を知りました。作法以外にも出されるお料理にはすべてに意味があり、それに加えて旬・味・色といった細かな美しさが散りばめられた作品でした。食べながら学ぶといった新鮮な学習により、日本料理をこれまで以上に深く学べました。

・後期最後の授業は、はな亭で行われたコースセミナーのマナー講習だった。最初に料理長さんからの話の後、実際の食事をいただいたのだが、お料理はどれも美味しく、見た目も鮮やかで身も心も満たされるとはこういうことなんだろうと、とても気分のいい時間であった。 一口に和食といっても、会席料理や懐石料理など色々あるが、違いを知った上での向き合い方は食事のおいしさよりも意味や役割などを知ると、料理だけではない日本人の誇りやおもてなしの心を改めて知り、日本人って素晴らしいなと思う。お店に入る前からの、門構え、のれん、お床の軸や活けられた花など、あらゆるとこまで目と手が行き届いてお料理はもとより、空間を彩っていたのがよくわかる。どのお料理もおいしかったが、私の一番は煮物椀。おだしも、お魚もおいしかったし、何より一つのお椀に色んな食材が入っているのにすごく自然にまとまっている。料理長さんは冒頭に、マナーは人に不快感を与えないようにするもの、とおっしゃったが、まさにその通りだと思う。それだけ食事に限らずマナーというのは、身についているべきものであり、それが自然にできて当たり前だということ。この年になると経験もあるのでそんなに自分が知らないことというのがなくなってくるが、普段から行っていないと忘れてしまうもの。だから、その所作やマナーは、いかに自分の日常として落とし込めているか身についているか、だと思う。素敵な場所で素敵な料理を、リラックスして楽しめるように、品のある人であれるよう、日々気持ちも心がけたい。



・食事のマナーについて学ぶためにはな亭に行きました。お箸の持ち方などの基本的なマナーについては知っていることはありましたが、薄茶の飲み方やお箸のスマートな持ち上げ方など知らないこともたくさんありました。日常生活では相手に不快な印象を与えないように食べ方については気を付けるように心がけていました。ですが、食べ物を口に運ぶとき、お箸を持っていない手は食べ物の下に添えることはしても良いと思っていました。その行為がマナー違反というのを知らなかったので今後は気を付けようと思いました。はな亭でいただいた食事はどれも美味しかったです。一つ一つ味が違っていて、甘い味付けやさっぱりとした味付けなど飽きのこない味付けでした。きぬさやでうぐいすを表現していたり、食器にもこだわっていたり、盛り付けもとてもきれいでした。私は食器が変わってしまうとどのように盛り付けたら良いのか分からなくなってしまうので、今日いただいたものどれも盛り付けまできれいで感動しました。まながつおの焼きものと一緒に盛り付けられていた貝の見た目がとても上品で良かったです。そしていちじくの甘露煮がとても美味しかったです。砂糖のシャリシャリした食感や重たくない甘い味で良かったです。最後に薄茶を飲みましたが、すっきりとした味でとても良かったです。周りとマナーを確認し合いながら、楽しく食事をすることができました。今日覚えたマナーはこれから家族や友人と食事をする際にスマートに使えるように普段の食事で気にしてみようと思いました。

2025年2月17日月曜日

調理ビジネスコース 卒業作品展

 2年間の集大成、卒業作品展

金賞🥇・銀賞🥈・銅賞🥉をご紹介します😃

見に来てくれた他コースの学生や卒業生、地域の方、教職員に、作品に対するこだわりや、苦労など、それぞれが伝えてました。


審査にご協力いただきましたみなさま、ありがとうございました🙏

前日は遅くまで、当日も朝早くから来て頑張っていましたね。


またひとつ、大きく成長できた一日。







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