2026年6月24日水曜日

授業紹介「地域活性化論」今治造船㈱ 本社・今治工場見学(6月18日)

 6月18日(木曜)の「地域活性化論」(大成経凡先生)は、30名の学生が今治造船㈱本社・今治工場を視察で訪れました(日本9・中国1・ミャンマー20)。同社の工場見学は今年で5年目となります。前週は、同じく海事産業の舶用機メーカー・BEMAC㈱の本社・みらい工場を見学しました。

 業界1位の建造量を誇る今治造船(通称名/イマゾウ)は、今年1月に業界2位のJMU社(ジャパンマリンユナイテッド)を子会社とすることで、国内シェア約51.5%、世界シェア約7.2%に躍進を遂げました。それでも、世界的にみれば1位の中国・2位の韓国から大きく水をあけられており、かつて日本が世界1位だったことをふまえると、看過できないものがあるようです。日本政府も、国家の成長戦略として、わが国の造船業界の復権を目標に掲げており、リーディングカンパニーである今治造船の果たす役割はますます大きくなっています。


ドライドックで建造中の大型船


大成先生のねらいは、日本最大の海事都市・今治市のものづくりの現場を見て、今治だからこそ学べる環境に感謝し、職業観の醸成に生かして欲しいという思いがあります。あえて進水式や記念イベントではない、平日の作業現場を見ることで、得られる気づきがあると考えています。まず、説明の声が聴きとりづらいほど、金属音や機械の動く音などが工場内にこだまし、塗装や溶接のにおいなど、五感で感じとれるものが多々あります。安全のためヘルメットを着用しますが、梅雨時期とあって、やはり蒸し暑く感じられました。社員の方曰く、「暑さはこれからが本番です!」とのことで、現場を訪ねないと分からない発見がいくつもありました。

工場内に据え置かれたブロック


報道機関の取材もありました。今年は読売新聞と毎日新聞が帯同し、読売新聞が翌19日の紙面地方欄、毎日新聞も翌19日にデジタル記事(ヤフーニュース)が掲載されました。コメントしたミャンマー人留学生によると、すべてが初めて見る光景で、鉄板を曲げて流線型とする技術や二酸化炭素の排出量を減らす次世代型燃料船開発への挑戦に驚いた様子でした。工場見学後の質疑応答では、日本人学生から、「香川県の御社工場で全長600㍍のドックが出来たと知りましたが、これは600㍍の船を造るためでしょうか」については、「当社の建造船は、全長約400㍍のコンテナ船が最大サイズです。そのドックは1隻造っている船の後方で、次の船のエンジン回りの主要ブロックを建造し、スピード化をはかるためのものです」というものでした。


5年つづけて見学することで、造船業界の変化も冒頭の企業VTRを見ながら感じとることができました。学生たちの第一印象としては、とにかく船のサイズが大きいということでしょうか。東京ドーム約3個分の今治工場では、約1ヶ月ごとに進水式を行っており、進水式を終えた船は船主への引渡式までは艤装岸壁に係留し、機器類等の最終調整を行います。今回は全長約200㍍の大型船バルクキャリア(ばら積み運搬船)が係留され、これをバックに記念写真を撮影しました(厳密には199㍍。200㍍を超えると巨大船という)。波止浜湾には、同社で建造された船だけでなく、ほか4つの造船会社(浅川造船・檜垣造船・矢野造船・新来島波止浜どっく)で建造された鉄鋼船も係留されています。また、建造中の光景が、水門や対岸の道路、観光桟橋などから間近で観察することができ、産業観光の魅力も備えているのです。その光景を地元では〝造船長屋〟と称し、海事都市・今治を象徴する場所にもなっています。学生たちには、工場見学の後は波止浜湾で産業観光を楽しんでもらいました。シュールな光景ですが、それが今治市の日常でもあり、夕方5時を過ぎると退社した工員が家路に急ぐラッシュの光景は圧巻です。ラッシュに巻き込まれては困るので、一行は波止浜観光桟橋を17時の終業サイレンと同時に離れることとしました。

 


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