2024年10月4日金曜日

姫子隝神社の秋祭りに参加

 9月28日、今治市関前地区の岡村島「姫子隝(ひめこじま)神社」で開催された秋祭りに、本学から8名の学生・教職員が参加しました(今治港7:20発の旅客船)。担ぎ手に大成経凡先生と男子学生3名(劉超群・武奇・渡壁大地)、動画撮影にめいたんプロモーションクルーの藤岡幸恵職員と女子学生3名(マルシャ・孫燕利・森美友)という陣容でした。令和6(2024)年3月末時点の関前地区の人口は311人(住民基本台帳)で、3つの有人島の中で最多が岡村島となり、他に小大下島と大下島とがあります。高齢化率は約72%ですが、地域おこし協力隊などの若い移住者は、島の生活をとても気に入っている様子でした。

今治市の島しょ部では、秋祭りを氏神様の例大祭とするところが多く見られます。旧町村で最も人口の少ない関前地区では、少子高齢化にともなう過疎化で、年中行事の維持が困難となりつつあります。特に大人神輿の運行には、若い年代のかき手が10数人は必要となります。すでに市内陸地部では、氏神様の例大祭で神輿を運行できない地域も見られ、政教分離の政策の中、かつて地域住民の心の拠り所であった氏神様で窮地に立つところも少なくありません。岡村島では、岡村小学校に通う児童3名と関前中学校に通う生徒1名が、獅子舞・巫女などお祭りの担い手として、貴重な戦力となっていました。


宮出し前の獅子舞を撮影(拝殿前)


御旅所で神輿・獅子舞の奉納


 今回のお祭り参加は、今年度後期から本学の介護福祉コース非常勤講師に就く島崎義弘氏(岡村島出身)の依頼で引き受けることになりました。本当は、地域福祉を学ぶ観点から同コースの学生に参加して欲しかったのですが、他の行事と重なり、国際観光ビジネスコースの学生中心に参加メンバーを編成しました。留学生にとっては、日本の地域社会を身近に感じとるよい機会になったかと思います。また本学以外にも、愛媛大学社会共創学部・笠松ゼミの学生や今治市・吹揚神社の神輿連「今壱会」の助っ人参戦があり、今壱会には岡山理科大学獣医学部の学生1名も含まれていました。一方、大成先生は、かつて24歳の頃に関前中学の社会科教員をしていた関係で、島民(特に教え子のご両親)との再会を楽しんでいました。

 本来のお祭りの華は、氏神様の御霊を載せ、集落を渡御するお神輿であります。これを盛り上げるために、今治地方では獅子舞などの伝統芸能があります。陸地部では継ぎ獅子がその獅子舞芸能の演目の一つとして有名ですが、島しょ部は大三島野々江地区の「乱獅子」に象徴されるように、立ち獅子が勢いよく演舞するのが一般的です。岡村島民の氏神様である姫子隝神社では、神輿と獅子がセットになって集落の各御旅所を渡御していきます。9時頃に宮出しがあり、「宮の鼻」から「白潟」まで10か所ほどの御旅所を経由したでしょうか。狭い路地を通る際は神輿のかき棒の一部を取り外すなど、島の集落の地形に合わせた運行が見られました。なお、白潟の集落は、目の前に大崎下島の御手洗地区(呉市)を間近に望むことができ、広島県との県境を強く感じました。また、とびしま海道経由で四国本土へ向かう広島・福山ナンバーのマイカーをこの日はよく見かけました。


路地の神輿渡御

各御旅所では、神輿の到着を待ちわびた組内の住民から、飲食のおもてなしを受けます。日本酒・ビール・清涼飲料・お茶・蒲鉾・スナック菓子などなど。暑かったため、冷たい飲み物がありがたかったです。地域色を強く感じたのが、〝ゆで卵〟がよく提供されたことです(マルシャさんが12個のゆで卵を食べたらしい)。「城の谷」ではイノシシの唐揚げ&チャーシューとタコ天、「白潟」では熱々のゆで卵など、組ごとでコダワリの食材が提供されてとても楽しめました。老人福祉施設にも立ち寄り、神輿の差し上げ、獅子舞芸能を精一杯披露させていただきました。


御旅所でのお接待



御旅所で頻繁に登場したゆで卵


宮入は午後5時頃で、それを終え岡村港17:35発の旅客船で今治港へ帰ることになりましたが、神社総代と世話役の代表からは、「今年は島外からたくさんの人が応援に駆けつけてくれて、本当に盛り上がった。久しぶりに賑わうお祭りになって、住民もとても喜んでいた」と感謝の言葉を伝えられました。また、桟橋までお見送りに来てくれる住民もいて、感謝の言葉と来年の助っ人参加を切望する声がきかれました。一方で、参加した学生たちにも充実感が漂っていました。それぞれで感じるものがあったようで、この経験はきっと今後の人生の糧になるだろうと思います。なお、プロモクルーで撮影した動画も、今後うまく情報発信・活用して参りたいと思います。


宮入り(神社境内)

参加した学生(岡村港桟橋・帰便)




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