2025年12月22日月曜日

留学生に交通安全教室を実施しました

11月17日(月)に今治警察署交通課の警察官をお招きして、留学生を対象に交通安全講習を行いました。9月に来日したばかりもいて、母国と交通ルールが異なる面もあり、日本での交通ルールを学びました。来年からは自転車にも交通違反をすると反則金が課されることなど、自転車を乗るうえで気を付けるべきことをお話していただきました。日本の交通ルールをしっかり守って反則金を課されたり、事故のないように日本での生活をしてくださいね。





2025年12月20日土曜日

今治明徳短期大学 はだか麦同好会 報告4号

はだか麦料理3品を販売、ぽん菓子を無料提供しました。
2025年10月31日 FC今治高校 文化祭 

はだか麦の美味しさやはだか麦に含まれる健康機能性の素晴らしさを高校生に伝えようと企画しました。調理ビジネスコース2年生が自分達で検討・考案した「はだか麦料理」3品をFC今治高校の文化祭において販売しました。





<はだか麦授業を受けての学生からの感想>

1・普段なかなか経験できない「はだか麦」の授業を受けることができて、とても楽しかった。少しでも多くの人にはだか麦の美味しさを伝えることができて良かった。

2・高校生から大人の人まで多くの世代の人にはだか麦の美味しさや良さを伝えることができて良い経験となった。はだか麦料理を提供する相手が高校生だったので、料理が完成するまでに想定以上の時間がかかってしまった。はだか麦の特性や調理方法を実際に体験することで、実用的な知識を得ることができた。

3・この授業と実習を通してはだか麦の商品を知ることができた。当日のイベントでは、雨や風が強く提供料理がすぐ冷めて残念だった。販売係と料理係のグループ分けなど、もっと話し合って決めた方が良かった。はだか麦を使った商品展示では、食べたことのない商品もあり新たに興味を持つことができた。

4・はだか麦と米とでは食感が全然違うことがわかった。提供する料理をグループで何度も試作することができて良かった。実際にグループでレシピを検討し、実習、販売までできてとても良かった。もっとはだか麦を感じられる工夫ができたらよかった。

5・はだか麦のことを学べ、周囲の人にはだか麦の良さを伝えることができ嬉しかった。イベント当日、本学で調理した料理を会場まで運搬する必要があったので調理係、会場係、販売係との連携が少しできていなかった。

6・販売するまでレシピを考え、試作を重ねたが、イベント当日にミスもあり納得のいく料理を提供できなくて悔しかった。しかし、文化祭に来てくれたみんなが美味しいと言って食べてくれて良かった。

7・実習を重ねていくうちにだんだん美味しくなっていたと思う。リゾットは冷めると美味しくなくなるので会場で作って販売する方が良かった。

8・はだか麦自体は知っていたが、調理や加工などはしたことがなかったので貴重な体験であった。はだか麦を使ったお菓子もたくさんあるのも驚いた。

9・はだか麦は様々な料理に入れることができることがわかった。今後、はだか麦を使った料理を作る機会があれば、もっと美味しく食べられる料理を探ってみたい。

10・今まではだか麦を使った料理を食べたことがなかったので、家ではだか麦を入れてお米を炊いて

みるとプチプチして美味しかった。もっとはだか麦を広め、はだか麦を使った料理を作りたいと思った。

11・はだか麦を使って料理するのは難しかった。食感などいろいろあって、どの食材と組み合わせていいのか考えることが多かった。イベント当日、接客が苦手だったので心配していたが、思ったよりスムースに接客できて良かった。

2025年12月19日金曜日

授業紹介「日本を学ぶⅡ」 伊予桜井漆器会館へゆく(12月12日)

  12月12日(金)の「日本を学ぶⅡ」(大成経凡先生)は、今治市桜井地区の名所をめぐりながら、今治市の伝統工芸や自然景観を通じて日本を学ぶことにしました。ネパール留学生を中心とする午前の部は、33名をともなって国指定名勝の志島ヶ原・伊予桜井漆器会館・桜井総合公園・国民休暇村瀬戸内東予ビーチを訪ねました。ミャンマー留学生を中心とする午後の部は、48名をともなって伊予桜井漆器会館・桜井総合公園・志島ヶ原を訪ねました。コース地や順序が違うのは、伊予桜井漆器会館の営業時間と参加人数などが影響しています。この日は、とにかく冷たい強風で凍えました。桜井海岸や休暇村ビーチに打ち寄せる波は、瀬戸内海の穏やかさにはほど遠い、太平洋のうねりを感じさせるものでした。ある留学生は、コースセミナーで訪ねた高知桂浜を想い出したようです。


志島ヶ原の松林

白砂青松の志島ヶ原の中心部に綱敷天満神社がありますが、その辺りは松が防風林となってとても静かでした。参拝を終えて海に近づくにつれ、工事現場のような奇妙な音が耳に響くので不思議に感じたところ、それは波音でした。神社では、二礼二拍手一礼の神道の作法を伝え、実践してもらいました。同社が〝学問の神様〟で知られる菅原道真を祭神としていることに触れ、合格祈願の絵馬掛けに注目!学生代表2名(ミャンマー)には、実際に絵馬へ願い事を書いてもらいました。やはり、日本語能力試験の合格を書きましたね(笑)。ネパール留学生は、牛のモニュメントに関心が向けられていました。


合格祈願の絵馬

伊予桜井漆器会館では、陳列されている商品が、学生たちの目には美術コレクションとして映ったことでしょう。とても高価ですが、鳥井社長によれば他産地に比べるととてもリーズナブルな価格となっていて、県外客が驚いて買っていくようです。今治市民は高価なイメージを持ちすぎて、あまりお店に足を運んでくれないことを嘆いていました。高価な点には理由があり、木地を加工し、研磨し、下地を塗って、上塗りをして、蒔絵を描く。そうした工程を知れば、高価な理由がわかります。この点については事前学習で伝えていました。まずは認知することが大切なので、留学生にはお店の許可を得て、実際に商品を触らせていただいたりもしました。漆の英語表記は小文字のjapanです。日本的、日本らしさの象徴ともいえます。塗り箸を買い求める留学生もいました。


伊予桜井漆器会館


漆はjpanです!

現在、桜井地区で製造と販売の両方を手がける業者は伊予桜井漆器会館だけとなってしまいました。一方で、桜井地区には漆器の製造販売で栄えた町並みも少し残されています。かつて全国有数の漆器問屋で知られた小谷屋松木家の旧店舗周辺(栄町)がその一例といえます。もう小谷屋は廃業してから年月がたちますが、その明治期竣工の旧店舗を地域活性化に役立てて欲しいと、このほど所有者から大成先生に相談(依頼)がありました。2026年春新設の「地域未来創生コース」の実践の場となりそうです。大成先生としては、そこを〝伊予桜井漆器資料館〟にしたいようで、同家が所有する江戸後期以降の漆器行商(椀舟行商)に関する資料を生かしながら、学生の協力を借りたいとしています。会館と資料館が両輪となって、地元の伝統工芸を未来に伝える活動を展開したいとか。同コースは、今治市の地域課題と向き合い、その解決に向けた活動を通じて学生に社会性や広い視野を身につけてもらおうと考えております。1期生につきましては、現在募集中です。


さて、桜井総合公園につきましては、海を展望する抜群のロケーションのもと、学生にはソリを楽しんでもらいました。極寒の中、何度も傾斜地を往復することで暖まってもらいました。当日の気象状況から、大成先生が機転を生かし、同所をコースに組み入れました。寒いことで消極的な行動にでるかと思いましたが、意外に反響が大きく、やはりそこは若者です。楽しむ姿を見て微笑ましく感じました。今治市民の間でも、その人工芝ソリすべり場はあまり知られていない穴場です。瀬戸内海の景観をうまく取り込んだ遊戯場といえます。留学生たちには、ちょうどいい気分転換になったことでしょう。時に楽しく、日本を学んでもらえたらと思います。

桜井総合公園でソリ滑り


2025年12月17日水曜日

授業紹介「地域社会論・地域交流演習」長井健司さんを知っていますか?

 12月11日(木曜)午後の「地域社会論・地域交流演習」(大成経凡先生)は、ミャンマーで2007年に反政府デモを取材中、治安部隊の銃撃で亡くなったジャーナリスト・長井健司さん(当時50歳)の妹・小川典子さん(今治市在住)をゲストにお招きし、平和について考える授業となりました。意外に今治市民の間でも、健司さんが今治市出身ということが知られておりません。

一方で、健司さんの曽祖父・長井兼太郎は、大島石を道後温泉本館浴槽石(1894年)や日本銀行本店(1896年)、大阪心斎橋(1909年)や赤坂離宮(1909年)に納入した郷土の偉人として知られており、そんなご縁で地域史研究家の大成先生と小川さんが今秋知り合い、この日の授業が設定されることになりました。それより前にも伏線があって、今年の本学入学式でミャンマー人が多いことを知った新聞記者から、情勢不安の回避から海外へ留学しているのではとの指摘がありました。

 この日は、履修生以外にも聴講生が6名いて、46名中29名がミャンマー留学生でした。小川さんも、大成先生と会うまでは、本学にミャンマー人が多いことは知らず、在籍する全学生301名のうち、91名がミャンマーからの留学生です。2007年の健司さんの死によって、世界中にミャンマーの情勢不安が広く知れ渡りました。健司さんが亡くなった時のデモの映像が流れると、留学生たちは今と重なるものがあり、大成先生と小川さんが質問を投げかけると、赤裸々な思いが語られたのです。

最初は、自分たちと同じミャンマー人が日本人を殺害したことを申し訳なく思い、重苦しい空気が流れました。小川さんに謝罪の気持ちを伝える留学生もいました。留学の理由については、やはり危険を逃れることが主目的で、民主的で平和な国家となれば母国へ帰りたいという思いが強いようです。10代から20代までの友達の中には、軍事政権と戦うGZA(ジェネレーションZアーミー)という武装組織に入隊し、戦闘で亡くなったものもいるとか。出生率が高いミャンマーにあって、一人っ子なら、親は〝わが子を留学させたい〟という思いが強いことも分かりました。実際に、履修生の中に一人っ子が3名いましたが、そうした気持ちで親が留学を勧めたことをはっきり語ってくれました。留学生の親の世代は、自分たちが子どもの頃にも同じような情勢不安を経験しているとのことでした。同じ苦しみを、わが子には二度と経験させたくないようです。

 映像の中では、亡くなった健司さんのカメラがミャンマー政府から遺族のもとへ返されない点を責めていましたが、これについては2023年4月に小川さんに返還されました。そのカメラを今回はご持参いただき、まさに健司さんもその場に居合わせているかの空気感に包まれていたように思います。だからこそ、学生たちがこれまですすんで語ろうとしなかった、心の中にしまってあった思いが吐露されたように感じました。

小川さん(中央)とミャンマー人留学生

 授業の後半は、本学から5分の距離にあるボーリング場「桑名ボウル」へ移動し、ボーリングで小川さんや本学同窓会のOGらと交流をはかりました。外国人が住みやすい今治市であるためには、日本人との交流の場が求められております。残念ながら、同ボーリング場は老朽化等で年内での廃業が決まっており、この日は思う存分、学生たちにも楽しんでもらうことにしました。46名の留学生が参加しましたが、40名弱はボーリングそのものが初めての経験で、色々な意味でいい想い出づくりになったなら幸いです。

ボーリング場を占拠するめいたん生

小川さん(前列左)のチーム


2025年12月15日月曜日

今治西高校のグローカル講座へゆく(12月10日)

 12月10日(水曜)午後、今治西高校2年生を対象にした地域探究の授業ZESTが開催されました。外部講師が登壇し、アドバイスをする機会は年間4回あり、この日は最終回となりました。本学からは、今治市総合戦略推進会議の会長を務める大成経凡先生がグローカル講座のアドバイザーに招かれ、4人×5班のプレゼン発表に対し、講評と助言を行いました。50分×2コマの中で各班の発表に耳を傾けるのですが、次年度から国際科コースが新設される同校では、ローカルなテーマをグローバルな視点でとらえる思考力が求められています。



 生徒たちが選んだテーマは、1班「世界にしまなみ海道の魅力を伝えるには」・2班「多文化共生でより良い今治市にしよう」・3班「今治と世界を結ぶwith今治タオル」・4班「今治の姉妹都市〝パナマ〟を知る旅に出よう!」・5班「今治の食を世界に!!」というものでした。どの班も、前回の助言からブラッシュアップされていて、成長を感じることができました。今治市では、このほど「イマバリ未来デザインアワード」という若い世代のアイデアを表彰するアワードを新設し、優秀なアイデアは来年度以降に事業化に向けて取り組むことを発表しました。つまりは、5つの班にも応募の資格があり(2月6日〆切)、探究によって得られた提案が現実のものとなるチャンスが生まれたのです。同アワードの審査員を務める大成先生からは、校内ポスターセッションで講座を終了とせず、その先の今治の未来を見すえて精度を高めて欲しい旨を生徒たちには伝えました。

 1班の発表については、しまなみ海道にやってくる外国人たちにインタビューをし、その結果を分析する中で考察を深めていく姿勢が良かったです。最初はサンライズ糸山でインタビューを試みましたが、サンプルが少ないことでJR今治駅前に場所を移す軌道修正も良かったと思います。しまなみ海道にやって来る外国人は白人系が多く、サイクリングを目的とし、軽装備のためお土産はあまり買わず、滞在しても1泊程度で経済効果には結びつかないことが改めて分かりました。これを改善するためには2泊以上できるサイクリングイベントの仕掛けが必要との考察にいたりましたが、その中身をどのようにするのかまで提案できればさらに良かったと感じました。

 2班は本学へ2回もヒアリング調査にやって来て、アジア系の留学生たちを通じて今治市に住む外国人にとっての住みやすさを考察してくれました。日本人と外国人との交流会の機会を増やすことを提案していましたが、具体的にどのような交流会がいいのか、知恵をしぼって欲しいと願います。やさしい日本語の必要性を感じてくれたのが良かったと思いました。

 3班は、前回までは硬水・軟水の理由で今治タオルが世界に広く流通しないというアプローチで攻めていましたが、イケウチオーガニックの池内計司代表にインタビューを実施したことで、どうもそれだけの理由ではないらしいという袋小路に迷い込みました。自社の製品にプライドを持ち、自社努力で海外にうって出るくらいの挑戦が必要という、既存の同業者組合や行政の補助金などに頼らない新たな視点に気づけたようです。現在の今治のタオル業界で起きている問題については、改めて大成先生から解説がありました。コロナ禍以降、冠婚葬祭などのライフスタイルが大きく変わり、タオル需要が減少したようです。そういう時に苦境に陥るのが、旧型織機しかなく、しかも後継者のいないタオル会社となります。今年だけも数社が廃業に陥ったようで、今治タオルの生産量が今後増える見通しが立てられないのが現状のようのです。それを知って生徒たちがどう今後の展望につなげるのか、最終案を楽しみにしたいと思います。



 4班については、パナマ海事庁にインタビューし、資料も収集する中で、姉妹都市のパナマシティを知ってもらうため、自分たちがパンフレットを作るという提案にいたりました。実際にサンプルを作っていました。これは、前述のアワードに該当する案件となります。今治市の姉妹都市が国内外に4つあっても、市民の認知度は低く、大成先生が監修する「いまばり博士検定」の受験者ならよく理解できている程度か。パンフレットを作成するという発想は、高校生だからこそ生まれたものかも知れません。

 5班については、しまなみ海道・今治市に観光でやってきた外国人の多くがサイクリング目的の中、来た人に満足してもらうため今治のご当地グルメを提案するというものでした。色々と試した結果、「せんざんきと大葉のおにぎり」「瀬戸内レモンとリンゴの味噌おにぎり」にいたったようです。他班からの質問で、「お味はどうか?」という感想を訊かれていましたが、第三者のモニターの感想も発表データに添えると、説得力が増すように感じました。やるからには、それらをどこで販売・提供するのかのビジョンを示すといいかも知れません。せとうちみなとマルシェや学校の文化祭など、せっかくなので実現に向けて動いて欲しいと感じました。


 以上が、大成先生の講評ですが、生徒たちには再検討・修正する時間がまだ少し残されているようです。考えて、考えて、考え抜いて、結果としてグローカルな視座を身につけてもらいたいと思います。重ねた努力は無駄にはなりません。来春新設される本学の地域未来創生コースでも、地域探究を深める中で、グローカルな視座が学生に身につくよう指導して参りたいと思います。





2025年12月12日金曜日

海事観光のモニターツアーに参加(12月8日)

 12月8日(月曜)午後、観光庁の地域観光魅力向上事業の一環で、今治市大島にある山中造船(株)本社工場をFC今治高校里山校の1・2年生30名が見学しました。本事業は、観光庁の補助事業で催行されたもので、(株)しまなみが主催し、本学はこれに協力するというスタンスをとり、来春から地域未来創生コースを担当する大成経凡先生が同行しました。具体的には、今治市の海事産業文化にスポットを当て、中高校生対象の修学旅行の観光商品を提案するというものです。里山校の生徒たちの多くが県外出身者ということで、今治明徳学園の高大連携も兼ねて、モニターには最適と判断しました。

現在、すでに県外の中学・高校を対象にした修学旅行生が、しななみ海道沿線の島々などにやって来ています。果物狩りやサイクリングといったグリーンツーリズムを体験していますが、そこに〝日本最大の海事都市〟のコンテンツを生かしたツアー商品を加えようという企画です。今治市内の児童・生徒の多くは、授業の一環で造船所の進水式を一度は見学したことがあります。とても華やかで造船業の魅力の一端を知ることができます。本学では、それだけでは不十分との認識から、ふだんのものづくりの現場を見せようと、今治造船(株)にお願いして、毎年「地域活性化論」の授業の中で工場見学を行っております。

今回のツアー商品も、ふだんのものづくりの現場を知り、将来の進路選択の一つに今治市の海事産業を加えて欲しいという願いが込められています(滞在型観光への経済効果も期待)。認知するところから進路選択は始まるため、知ってもらう機会をツアー商品に盛り込みました。ただ、安全基準や受け入れキャパなど、色々と熟慮を重ねた結果、内航船の建造量で日本一を誇る山中造船(株)の本社工場が最適候補地となり、同社のご理解もあって見学が実現しました。同社は9月末にも「第1回海と船の甲子園」(今治市主催)の会場の一つにもなり、ドライドックでクイズ大会が催され、県内外から集まった造船系工業高校の生徒たちの学びの場ともなりました(大成先生がクイズの出題者)。

今回も、その時と同様に同社視聴覚室で会社案内のVTRを視聴してから、浅海社長のガイドで工場内の施設を巡りました。同社は〝エラ船型〟という省エネ船型の特許を持っていますが、その技術の背景にある鉄板を熱と冷却とで曲げる撓鉄(ぎょうてつ)の様子も観察することができました。溶接などの作業音で説明が聞き取りにくいことにも配慮し、インカムを参加者全員に携帯させていただいたのは画期的と感じました。ドライドックの底(床)にも降り立ち、建造中の鉄鋼船を間近で見られたのは感動的でした。艤装(ぎそう)岸壁に係留された一般貨物船が2隻ありましたが、同社ではタンカー・フェリー・コンテナ船など様々な種類の船の建造に対応できるのが強みとのことで、2014年に波止浜湾から現地へ工場移転したことで、作業効率や建造能力に飛躍が見られたとのことです。


ドックゲートと艤装岸壁(奥)

ドライドック(右は建造中の鉄鋼船)

作業服を着た若い女性職員の方が工場内見学に随行していたので、どういうお立場かうかがうと「私は設計部門で働いています」とのことでした。女性にも、技能を生かして活躍できる職場環境と感じました。見学を終えると視聴覚室に戻り、質問タイムとなりました。3名の生徒が質問しましたが、一人は船主のご子息で、「近年、船価が10年前の2倍くらいに高騰していると父から聞いたが、それは本当か?」と、浅海社長に訊ねていました。鉄材の高騰が影響しているようで、その点では高騰する前に現地へ工場移転したことが正解だったと、世界的なマーケットの中に造船業界があることをしみじみ語ってくれました。

質問する生徒

山中造船(株)を後にすると、海岸回りのルートで〝あいえす造船(株)本社工場〟を車窓から眺めつつ、「ここで東予港~大阪南港を航行するオレンジフェリーが建造されたんだよ!」と大成先生が解説しながら下田水(しただみ)港へ向かいました。今度は、遊覧船に乗って来島海峡の潮流や橋の景観などを楽しみました。途中、海峡を航行する船の航跡を横切る際、波揺れがアトラクションのように感じられ、生徒たちに好評でした。見せ場は波止浜湾の造船所群で、ブロック建造法でつくる大型船の断面の様子を、遊覧船から間近で観察することができました。今治造船(株)今治工場の艤装岸壁に係留された全長170~190mほどの大型船も、船尾の下まで接近し、スクリュープロペラの黄金の輝きを観察することもできました。何から何までが非日常的でしたが、生徒たちには貴重な経験となったようで、海事産業への関心も深まった様子でした。


来島海峡で通航船舶に接近


波止浜港桟橋


来春開設の地域未来創生コースでは、産業観光も学びの一つとしてとらえており、今回のモニターツアーの経験を授業に生かしたいと思います。


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