10月6日午後、「地域交流演習」「地域社会論」の履修生12名と参加を希望する教職員・学生を加えた総勢27名で、今治市大島の宮窪町宮窪にある映日果(えいじっか)農園へ参りました。
同園は、第1回地域再生大賞(共同通信社など主催)で優秀賞を受賞したNPO法人「能島の里」(村上利雄理事長)が運営し、クロイチジクの栽培が今年で5年目を迎え、ようやく収穫できるまでになりました。同法人と本学は、今年7月に地域連携協定を締結したばかりです。
クロイチジクは〝幻のイチジク〟や〝イチジクの王様〟とも称され、糖度が一般の品種に比べて高いことで知られます。同法人では、その希少価値の高さに着目して6次産業化に取り組むことで、地域活性化を図るのがねらいです。
近年は、地元漁師町の家庭の味であった「エビ味噌」(瓶詰)を商品化し、製造販売に励んでおります。今治市のふるさと納税の商品にも採用され、将来的にはクロイチジクジャムとエビ味噌をセットにして商品化を図るのが目標です。
この日は、本学学生たちに熟した実の収穫体験してもらおうとお声がけがあり、同法人の会員と一緒に実の摘み取りを行い、試食もさせていただきました。将来的には、本学調理ビジネスコースや食物栄養コースとのコラボ事業も視野に入れて参りたいと思います。
イチジク狩りを終えると、次は宮窪地域の地場産業の一つである大島石の採石場(丁場)へ移動し、大島石文化体験ツアーを楽しみました。高品質の花崗岩(かこうがん)で知られる大島石は、硬くて風化しにくい特長があり、高級墓石の原石としての需要があります。歴史的建造物では、道後温泉本館浴槽石(明治27年)・日本銀行本店(明治29年)・迎賓館赤坂離宮(明治42年)などの建材に用いられ、同法人でも大島石を使った石テーブルの商品開発にもかかわっております。
今回、石割体験をさせていただいたのは、カレイ山にある「水の谷石材」の採石場で、経営者の村上直也氏にお世話になりました。まず、硬い石のかたまりに削岩機でクサビを打ち込む穴を開け、クサビを打ち込んでからハンマーでたたいていく作業をリレー式に10余名で実施。割れた時は、さすがに歓声と拍手が沸き起こりました。人気の観光商品を体感しながら、学生たちは地場産業についても学ぶことができました。