5月25日(木曜)の地域活性化論の学外授業は、バリシップ2023の開幕に合わせて今治港観光桟橋へ寄港した帆船「みらいへ」を見学しました。21名の学生(うち留学生11名)が参加しましたが、今月入国したばかりのインドネシア人留学生・ベニカさんにとっては、今治の魅力を知るいい機会となり、今治市みなと交流センター(はーばりー)屋上からの眺めに〝beautiful!〟と感動していました。国際海事博覧会のバリシップは、日本最大の海事都市を標榜する今治市にとっては、同市の造船・海運・舶用機工業の海事産業を広くアピールする絶好の機会です。日本の自動車メーカーが大都市圏でモーターショーを開催するように、日本の海事産業界は今治市で2年おきにトレードショーを行っているのです。この日ばかりは、市内宿泊施設はその関係者で満室となり、松山市に宿泊するビジネスマンも多くいるほどです。
つづいて、今治市波方町波方(なみかた)の大角(おおすみ)海浜公園へ学園バスで移動しました。今治市陸地部は、松山市の高縄山からのびる高縄半島に位置し、その最北端にあるのが大角鼻(おおすみのはな)です。来島海峡航路に向かって突き出た場所にあり、行き交う船舶や沖合の多島美の景色を楽しむことができます(電光表示の潮流信号所も設置されている)。平成の波方町の事業で、海水浴が楽しめる公園として整備されましたが、コロナ禍以降はキャンパーで賑わう観光名所に変貌しています。年間通して、岩礁や波止で釣りを楽しむ観光客もよく見かけます。学生たちには、すぐ目の前の島が広島県域(呉市)であることなどを解説し、20分ほどフリータイムにしたところ、潮のひいた岩礁でカニ獲りに夢中になる中国人留学生もいました。
最後は、春祭りを3日後に控えた波方港そばの玉生(たもう)八幡神社へ。この地域に船主が多いことで、境内には金刀比羅神社の分社がまつられていることや、大正時代初めに船主が寄進した赤レンガ造の灯明台(ライトハウス)について解説しました。しまなみ海道が開通して10年後の平成21(2009)年3月末、波方港と広島県竹原港を連絡する「中・四国フェリー」が運航を廃止しました。赤い桟橋は撤去され、今は切符売り場や食堂・売店のあった港務所がサイクリストの簡易宿泊所にリノベーションされています。
以上、海や船つながりで3つの場所を訪ねましたが、学生たちには何が印象に残ったのか、後日の授業の中で振り返りたいと思います。