11月19日(火)の「地域社会論」(大成経凡先生)は、しまなみ海道沿線の道の駅を管理運営する(株)しまなみの村上雄大専務・蓮岡悠介部長をお招きし、企業セミナーを開催しました(同社は本学の包括連携協定パートナー)。受講した学生は34名(日本2・ベトナム2・中国13・ミャンマー17)で、このうち今秋入学の中国人・ミャンマー人がそれぞれ11名・14名いて、早い段階で職業意識を培う良い機会となりました。
本授業は、木曜の「地域交流演習」(大成経凡先生)とリンクしていて、次週は(株)しまなみが道の駅「よしうみいきいき館」で運営する〝しまなみ来島海峡遊覧船〟(急流観潮船)にA班が乗船して、しまなみ海道の魅力を体験する予定です。近年、同社は村上専務と蓮岡部長らの取り組みもあって、道の駅に求められる3つの機能「休憩」「情報提供」「地域連携」の中でも地域連携に力を入れています。しまなみ地域の風土を生かした事業で、同地域における地域活性化のハブの役割を果たそうとしています。そのための拠点として、同社は大三島・伯方島・大島の各道の駅の指定管理を今治市から委託され、2017年4月から全国初の民間主導による運営を行っています。
まずセミナー冒頭は、蓮岡部長から同社の概要としまなみ海道の観光の動向などについて説明がありました。受講生は全員1年生で、春入学と秋入学とに分かれますが、少しずつ今治市の生活にも慣れてきた頃かと思います。今月、留学生は国際観光ビジネスコースのセミナーで広島平和記念公園を訪ねていますが、その道中でしまなみ海道の景観を眺めています。大成先生からは、「バス移動の際、車窓から景色を眺めることも勉強です」と言われていますが、果たして実践できているでしょうか。同社が制作したインバウンド向けと日本人向けのプロモーション動画もそれぞれ鑑賞し、改めて自分たちが生活している地域が、観光の魅力が詰まった場所という理解につながったことと思います。
今治市には、造船業やタオル産業といった他地域に負けない〝キラーコンテンツ〟があります。前職で世界中を飛び回って観光業にかかわった蓮岡氏からすると、しまなみ海道も同市のキラーコンテンツとのことでした。こんな多島美の中を、橋を渡ってサイクリングが楽しめる場所は世界中どこを探してもない!と訴えてくれました。課題は、ここへ来るまでの交通網の整備や仕掛けで、またインバウンドの受け入れ態勢は十分とはいえません。
蓮岡部長の説明 |
続いて登壇した村上専務からは、同社採用状況等の人事面についての説明がありました。同社では早くからインバウンドに向けた対応として外国人を採用しており、そのうちの一人が本学国際観光ビジネスコース2016年度卒業の費瑋(ヒイ)さんです。昨年の本授業ではゲスト講師として登壇しましたが、現在は育児休業中とのことです。費さんは、今では「よしうみいきいき館」の支配人を任されるまで活躍しています。この事例を知って、授業終了後に村上専務へ駆け寄った中国人留学生は、同社に勤めたいという希望を伝えていました。また、ミャンマー人留学生は、同社のプレゼンに魅力を感じ、道の駅でアルバイトしたいという希望を伝えたようです。同社は若い力を求めています。社員がどんどんアイデアを出して、魅力ある社風を構築し、そのことでお客様・利用者様に喜ばれるサービスを提供していきたいとのことでした。
村上専務の説明 |
今後も機会があれば、授業の中で企業セミナーを開催したいと思います。㈱しまなみ様、ありがとうございました。