6月15日の「地域活性化論」の学外授業は、昨年度につづいて日本一の建造量を誇る造船メーカー・今治造船会社グループの今治工場(今治市小浦)を訪ねました。冒頭に、屋内会議室で西将史総務チーム長様より同社の概要説明があり、VTRもまじえて船づくりの工程を学びました。同工場だけで約1,140人(社員数約290名、協力会社約850名)も働いていており、1隻の船をつくるのに約23万点の部品が用いられているなど、海事産業のスケールの大きさやすそ野の広さに驚嘆しました。参加した学生18名(うち留学生11名)全員が、このような造船工場の見学は初めてで、建造中のブロック工法の光景や艤装中の150m以上の大型船を目の当たりにし、とても驚いた様子でした。
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記念撮影(今治工場構内) |
一般に造船工場の見学といえば、進水式やバリシップのようなイベントが中心です。しかし本授業では、ふだんのものづくりの現場を見ることで職業意識を高め、今治の地場産業に関心をもってもらうことを主眼においております。大きな鉄板を切断したり、叩いたりする音がリアルに響き渡るなか、クレーンやトレラーが動く際は安全確認をしながらの構内移動となりました。要所で、案内役の社員から製造工程の説明を受け、現場でしか味わえない学びの感動がありました。まさにオープンファクトリーです。
インドネシア人留学生のベニカさんは、船首の波切部分にあたる球体「バルバスバウ」に目が釘付けで、鉄板を丸く曲げる技術に感銘を受けたようです。感想を日本人学生たちに向けると、メジャーリーガーの大谷翔平選手を称賛するがごとく、「スゴイ!」という言葉を連発。例えようのない感動があったようですが、実は同工場は、今治造船グループでは一番小さな工場で、これより大きくなると構内をバスで移動しながらの見学になってしまうとか。それもまた驚きです。
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バルバスバウを見つめるベニカさん |
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作業中の構内を移動 |
当日、NHK夕方の番組「ひめポン!」の取材もありました。本学の留学生に焦点を当てた編集で、早速、同日夕方に放送されたのです。本学では、過去5年間で9名の留学生が地元今治市内のタオルや観光などの企業に就職していて、できればその数を増やせないものか、試行錯誤をつづけております。今後、留学生の募集にも力を入れていくなか、今治市の活性化にも寄与できるよう、留学生に今治への関心を深めてもらう機会を増やして参りたいと思います。ちなみに「ひめポン!」では、1年生の王明亮さんへのインタビューの模様が放映されました(https://www3.nhk.or.jp/matsuyama.../20230615/8000016163.html)。
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NHKひめポン!インタビュー(王明亮さん) |
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「NHKひめポン!」に紹介されました |
なお、工場見学の後は、波止浜湾岸を歩いて、〝日本最大の海事都市〟を象徴する波止浜湾造船所群の光景を観光しました。次週の授業で、この日の内容を振り返りたいと思います。最後になりましたが、工場見学を受け入れ下さった今治造船株式会社様、本当にありがとうございました。
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記念撮影(今治工場構内) |