本学では、高大連携の一環で、本学教員による高校への出張講義を行っております。あらかじめ、講義の内容を記したプログラムをご用意いたしておりますが、ご要望によって教員や内容を変更・調整することも可能です。
10月3日(火曜)は、愛媛県立北条高校(松山市)で出張講義を実施しました。同校では秋の文化祭を控え、3年生がグループごとに分かれてプレゼンテーションを行うとのことで、それに先立つ事前学習をお願いしたいとのことでした。本学の出張講義プログラムにはプレゼンテーションについてのメニューはありませんが、要望に合わせて本学地域連携センター長の大成経凡講師が「プレゼンテーション(講演)で私が大切にしていること」と題して50分の授業を実施し、3年生55名と教員10名弱が受講しました。
講演依頼の多い大成講師ですが、その経験を生かして聴衆の立場にたったトークを心がけるよう生徒に指南しました。そして、副題を「チコちゃんに叱られる!北条なぞときヒストリー」とし、生徒にとって身近な北条地域の歴史や観光資源を深掘り。北条辻のクランクする道路(伊予銀行北条支店前)の謎と、その背景にある鹿島城主・来島氏の歴史など、知っているようで知らない北条の身近な話題を、NHK人気番組「チコちゃんに叱られる!」調で盛り上げ、生徒との交流も楽しみました。
講義の様子➀ |
講義の様子② |
ちなみに、北条辻クランクの謎解きは、〝鹿島城主・来島康親が関ヶ原の戦いで西軍に味方したから〟というもの。来島氏は領地を没収され、伊予の東軍大名・藤堂氏と加藤氏が鹿島城下町を折半して分けた名残となります(明星川が北条村・辻村の境界)。それでも来島氏はお家再興運動に成功して豊後森藩(大分県玖珠町・別府市など)の大名として幕末まで存続。藩主の後裔・久留島武彦(1874~1960)は、わが国の青少年文化の礎を築き、「こどもの日」の提唱者としても知られています。晩年は、先祖の故郷・北条の来島家菩提寺・大通寺の越智住職と交流し、同寺の慈童保育園開園や難波女塾開塾など、北条地域の振興に尽力しました…と。
各校区それぞれに魅力ある歴史文化・産業・観光資源などがあり、地域活性化の観点からそうした気づきの機会を出張講義の中で行うことも大切ですね。
北条辻のクランク道路のなぞ? |
鹿島城主・来島氏の後裔・久留島武彦 |