2023年12月13日水曜日

授業紹介「地域交流演習」「地域社会論」伯方塩業による出張講座

  12月7日(木曜)の「地域交流演習」「地域社会論」は、伯方塩業(株)松山本社プロモーション部の井上氏・飯田氏のお二人をゲスト講師にお迎えし、座学では「世界の塩事情」「塩の効果・役割」「塩の大切さ」「伯方の塩 誕生物語」を講義し、実習では調理室に場所を移して「塩つくり体験」「塩の食べ比べ」を行いました。受講生37名のうち28名が留学生(中国16・ネパール10・インドネシア1・スリランカ1)でした。前期の「日本を学ぶⅠ」では、この37名のうち11名が伯方塩業の大三島工場を視察しています。

 講義では、クイズ形式の問題も織り交ぜ、「塩の結晶は何色?」(正解は無色透明)や「1リットルの海水からとれる塩はどのくらいの量か?」(正解は約30グラム)の回答に苦戦する学生もいました。塩は、私たちの生活にとても身近ですが、その効果や役割を知ることで、暮らしを豊かにすることができます。脱水作用・防腐作用・たんぱく質の凝固作用&溶解作用・グルテン形成の促進・酵素作用の抑制・置換作用・発酵調整など、知ると知らないとでは大きな違いが生まれます。受講生の中には調理ビジネスコースと食物栄養コースの1年生が8名いましたが、調理や栄養の基本となる塩のイロハが学べる貴重な講座になったようです。


伯方塩業の企業紹介

座学の様子

 実習では、あらかじめ伯方塩業様がご用意した同社工場と同じ鹹水(かんすい)を、5~6人のグループに分かれて鍋で煮沸し、結晶にするという作業を行いました。ガスですぐに沸騰するのですが、ヘラの混ぜ方で仕上がりの味も変わってくるとのこと。また、あらかじめ用意された同社市販商品の「焼塩」と「フレーク」を小皿に入れ、自分たちがつくった塩との3種類で味比べをすることになりました。このためにご飯を8合炊き、どれが一番ごはんに合っているかを後で学生たちに質問すると、粒子の細かな焼塩が一番人気でした。食材によって適した塩があるということを実感できる貴重な体験となりました。他にも、鰹だしのスープを、塩のあるなしで飲み比べをしましたが、塩少々でうまみが生まれる効果も実感できたようです。

 伯方塩業は今年で創業50周年を迎え、11月4日に大三島工場で式典を催したところです。伯方島の塩田を残して欲しいという思い(消費者運動)から誕生した塩メーカーであります。テレビCM〝はかたのしお〟のサウンドロゴでお馴染みですが、日本の塩メーカーで初めてテレビCMを行ったのが伯方塩業で、現在は大相撲の東京場所・名古屋場所に清め塩を提供しているそうです。発祥の地の伯方島の工場では今も塩の製造を行っており、〝味の作曲家〟日本食研同様に今治市を代表する全国区の食品メーカーであります。両工場では製造ラインで働く従業員を募集しており、この日の授業で興味を示す学生もいました。

 来年3月に本学では来学型のオープンキャンパスを予定しておりますが、従来の日本食研様の食用タレに加えて、伯方塩業様から試供品の塩を参加者にご協賛いただくことが決まりました。塩のご縁を大切にしたいものです。ありがとうございました。

塩つくり体験


結晶になりました


飲み比べ

ごはんに合う塩は?




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