2023年12月20日水曜日

授業紹介「地域交流演習」「地域社会論」 〝動く海上ホテル〟のオレンジフェリーへ

  12月14日(木曜)の「地域交流演習」「地域社会論」は、平成30(2018)年8月に東予港~大阪南港を就航して話題となった四国開発フェリー株式会社のオレンジフェリー(船名/おれんじ えひめ)を視察で訪れました。本船は夜22:00に西条市今在家の東予港を出港し、早朝6:00に大阪南港へ到着します(航海速力20.0ノット)。そのため、本学履修生39名が15:15頃に東予港フェリーターミナルへ着いた際は、早朝6時に到着した本船のベットメイキング等の掃除がちょうど完了したタイミングでした。あとは20:00からの乗船開始まで乗客ゲートは閉め切られ、一般客は立ち入りができない状態となります。その特別な時間(船員は船内で休憩中)をさいて、スタッフが船内を3班に分けてご案内下さることになりました。


エントランスホールで記念撮影

 まず、ターミナル待合室で乗船手続きの説明から。本船は、日本で初めて完全個室を完備することとなった大型客船で、〝動く海上ホテル〟とも称されます。ひと昔前のような雑魚寝の2等客室はありません。シングルの個室にもグレードがあり、スイートルームも様々(和室・洋室・和洋室)で、お客様のニーズに合わせて利用料金も変わってきます。また、繁忙期等で料金が変わる運賃システムも採用しているようです。大阪のUSJ観光や関西国際空港へ向かう際にとても便利で、夜眠っている間に愛媛から関西へ到着する利便性があります。トラックやコンテナなど貨物の積載も多くあり、あとで学生たちは3層ある車両甲板の一つを見学し、それを実感することとなります。


乗船手続きの説明
車両甲板に潜入!

 客室は全部で200室ほどあるようで、通路(廊下)の長さに驚きました。そもそも本船の全長が約200メートル(14,759総㌧、旅客定員519名)ですから、船内見学はちょうどいいお散歩コースです。スイートルームに足を踏み入れた留学生が、料金をとても気にしている姿が印象的でした。車椅子にも対応したバリアフリーのお部屋や小さなお子様連れのお客様に対して授乳室やキッズルームも備えてありました。そして、就航当時話題となったのが、サイクリスト向けのサービスで、自転車をそのまま客室に置くことが可能です。とことん、運輸業におけるサービスを追求した客船で、国際ビジネスコースで国内旅行業務取扱管理者(国家資格)の取得を目指す学生には、リアリティのある学びの機会となったようです。


長~い客室通路
シングルの個室

和室の客室
和洋折衷の客室

 屋上デッキに出ると、オレンジ色の煙突が目に飛び込んできました。ファンネルマークの3つのS字マークには、「サービス」「セイフティ」「スピーディ」の意味があるようで、本船及び同社が所属する瀬野汽船グループの〝瀬野〟の頭文字ではないようです。今回の学外授業は西条市まで足をのばすことになりましたが、親会社の瀬野汽船株式会社は今治市共栄町に本社を置く海運会社で、本船を建造したのは今治造船グループの「あいえす造船株式会社」(今治市吉海町本庄)となります。日本最大の海事都市・今治市を象徴する大型客船でもあるのです。広い操舵室も見学を許されましたが、配電盤はBEMAC社製でした。10月19日にBEMACみらい工場を見学しましたが、BEMAC社製の配電盤に気づいた学生がどれくらいいたのか、後期試験の問題で試さないといけませんね(笑)。屋上デッキからは、幸運にも石鎚山の頂上(1,982㍍)をはっきり眺めることができました。そして最後は、エントランスホールと埠頭とで集合写真を撮影。1時間余りアテンドいただいたスタッフの皆様には、想い出づくりまでサポートしていただきました。本当にありがとうございました。


屋上の展望デッキ(石鎚山遠望)
広い操舵室 は眺めも良し!


「おれんじえひめ」をバッグに記念撮影


 東予港を離れる頃、雨が降り始めました。帰る途中、西条市東予郷土館で飼育されている〝生きた化石〟のカブトガニを観賞しました。カブトガニ資料室では、剥製に触れることもでき、その土地ならではの珍しい生き物を知る機会にもなりました。

東予郷土館のカブトガニ飼育槽


カブトガニ資料室


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