2026年10月28日水曜日

今治市SDGsまちづくりプロジェクトに参加(10月18日)

 10月18日(日曜)午前中、今治市内の高校生がSDGsの知見を生かしながら地域探究に取り組む第2回「今治市SDGsまちづくりプロジェクト」が、今治市中心市街地をフィールドに開催されました。昨年度との違いは、実際に現地へ訪ねて関係者からの聴き取りを行うことで、多様な見方・考え方を培うねらいがあります。自分たちがふだん手がける地域探究のテーマではないとしても、何かヒントが得られるという経験値への期待もありました。このフィールドワークのガイド役を務めたのが本学の地域未来創生コース長の大成経凡先生で、今治西・今治東・FC今治里山など14名の高校生の参加がありました(1名は、今夏の本学オープンキャンパスに参加)。

 一行は9時20分に「はーばりー」を出発。早速、その建物が有名な建築家・原広司氏の設計であることに触れ、建築に光を当てるだけでも、丹下健三・伊東豊雄・隈研吾氏ら著名な建築家が手がけた建物が市内にはたくさんあり、特に中心市街地は丹下建築の宝庫である点を学びました。同所そばのふれあいマリン広場にある「徳冨蘆花歌碑」のモニュメントも、実は丹下健三が手がけたものなんです。


はーばりー

 つづいて、中心市街地の街路の基礎が、藤堂高虎の城下町建設に始まり、近代になると大正9(1920)年に市制施行した今治市によって近代都市計画が進められ、今治空襲で市街地が焦土と化した後は戦災復興都市計画で改変が進み…と、その変遷の歴史を学びました。駅と港を結ぶ幹線道路の広小路は近代都市計画のシンボルであり、その18㍍幅の広小路が戦災復興都市計画では現在の36㍍に拡幅され、その街路のもとで昭和33(1958)年に今治市庁舎・公会堂が丹下健三によって設計されます。この広小路では11月に社会実験が予定されており、交通量の減った広小路の中央部を緑地化し、交通の流れを検証する中で新たな活用法を提案していくこととなります。高校生たちにも、そのことに関心をもって、未来の自分たちのまちを魅力的なものに創造して欲しいと思います。

 今回は、そんな中心市街地の本町通りで商売を営む「あわびや餅店」(近藤さん)と「日吉屋呉服店」(田窪さん)に聴き取りを実施。旧城下町には老舗の専門店が今も営業をしていて、「餅は餅屋」ということわざを高校生たちには思い返して欲しいですね。あわびやでは、20歳代の店主後継者が、若い視点で和菓子を時代に合わせてアレンジすることでお店を盛り立てている気概に触れることができました。バター餅をアレンジしたモッフルが、高校生の味覚を刺激していました。日吉屋では、絹地の反物から仕立てていく着物の作り方を学び、手のこんだ反物にうっとりさせられました。今でも茶道や華道を嗜む人には着物が必需品のようです。一般人では、夏に1着2,000円ほどの浴衣(綿素材)がよく売れたようで、浴衣はお土産として外国人にも人気のようです。着物は奥が深く、10分や15分の聴き取りでは到底時間が足りず、今治城で予定されていた観光客への聴き取りはキャンセルしました。

あわや餅店

日吉屋呉服店

 今治城も訪ねましたが、海水を導いた三重のお堀が実感できるよう、そこは大成先生が外堀から内堀に向かって攻め込む敵兵の気持ちになってガイドをしました。今治城という城郭単品を見るのではなく、外堀より内側の侍屋敷、外側の城下町、その城下町外れの鬼門にあたる北端の寺町も意識し、すべてまとめて今治城および今治城下町という見方ができるよう指南しました。


今治城

 最後に生徒数名が感想を述べましたが、やはり関心をもって見るのとそうでないのとでは感じ方が違い、参加者の多くがこれまで中心市街地に魅力を感じとっていない様子でした。様々な切り口でモノのとらえ方も変わり、フィールドワークもうまく活用しながら、地域探究を深めて欲しいと思います。本学の地域未来創生コースは、まさにそうした手法で学生個々の視野を広げ、プレゼンテーション能力の向上につなげて参りたいと思います。


このページの先頭へ戻る