2024年5月2日木曜日

島四国でお接待ボランティア(4/20~21)

 例年、本学では今治市大島(吉海・宮窪)で4月に3日間かけて開催される「島四国」に、介護福祉コースの学生が参加しています。コロナ禍前は、本学卒業生の実家でもある福蔵寺(吉海町福田)で、お遍路さんに対して足浴のボランティアをしていました。コロナ禍以降に足浴は中止となり、歩き遍路で200年余り続く「写し霊場」の伝統文化を体験しているところです。今年も、初日の20日に吉海地域の下田水港からよしうみバラ公園までを、同コースの全学生・教職員22名が矢野都林氏の先導で歩き遍路をしました。

法輪寺へのびる石段
ありし日の島四国(宮窪町観光絵葉書より)

 一方、このほど食物栄養コースの教員と学生有志で結成された「はだか麦同好会」からも、6名の学生(全員2年生)と2名の教員が20日に参加。同会は、愛媛県が生産量日本一のハダカムギ(裸麦)の知名度向上と普及を図るのが目的で、あらかじめ本学の調理実習室でハダカムギを用いたおにぎり(200個)と羊羹を調理。お接待の会場となった47番・法南寺(吉海町椋名)では、それらにお味噌汁を加えてお接待をし、ハダカムギについてのアンケートも行いました。

はだか麦同好会の下準備(調理実習室)

海南寺でお接待

 今年は、さらにもう一つの学生有志が、宮窪地域のお接待に参加。映像やSNSで今治市や本学の魅力を情報発信する同好会「めいたんプロモーションクルー」(以下、プロモクルー)です。こちらは、20日に3名の学生(全員1年生)と2名の教職員が二手に分かれ、8番・海南寺と9番・法輪寺でお接待をしました(ともに宮窪町宮窪)。海南寺では、JAおちいまばり様から提供を受けた〝蛇口をひねると麦茶がでてくるタンク〟で、ハダカムギ茶のお接待をさせていただきました。このタンクは、昨年5月にEXILEのUSAさんを今治へ招き、ハダカムギのPRを図る際に特注でつくったものとのこと(全農えひめと愛媛県が連携)。以来、眠っていたタンクに「はだかんぼう麦茶」(愛媛県産はだか麦100%使用)が満たされ、老若男女のお遍路さんに大変喜ばれました。また、通称〝せりわりさん〟や〝お不動さん〟の名で知られる法輪寺では、「NPO法人 能島の里」の村上利雄理事長のもと、お茶やお菓子のお接待、お弁当の搬送などをお手伝いしました。JAおちいまばり様も能島の里様も、本学と地域連携協定を結ぶ団体です。


JAおちいまばり提供の裸麦茶タンク(海南寺)

蛇口から麦茶

 ボランティアの感想としまして、初日は吉海地域の札所が賑わい、2日目になると宮窪地域の札所で人だかりが増える傾向を知りました。プロモクルーでは、2日目も学生3名と教員1名が自主的に海南寺でお接待をすることにしました。お遍路さんの多くから聞かれた言葉が、「今年は歩く側も迎える側も極端に人の数が少なかった」というものでした。お接待のない札所が多くなった背景には、過疎化による高齢化が大きく影響しています。ランニング同好会やサイクリスト仲間といった、新たな層のお遍路さんも見られるようになりましたが、岐路に立つ島四国の現状を目の当たりにすることになりました。海南寺の神野住職によると、「お遍路さんの減少も気になるが、お接待のボランティア増加を強く望みたい」とのことでした。お堂の維持管理ができなくなり、お接待を実施できない札所が増えてきているようです。そこに、本学が今後どういった形でかかわれるのか、今年の経験を来年に生かしたいものです。

法輪寺でお接待

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