4月26日(金曜)の共通教育科目「日本を学ぶⅠ」(大成経凡講師)は、日本の古墳時代を学ぶ一環で、今治市内で観光名所となっている古墳を学外授業で訪ねました。昨年度以上に、本科目は留学生が増えました。ネパール・ミャンマー・ベトナムなどの留学生30名余りに対して日本人は3名となり、系統立てた日本史の説明を難しく感じております。そこで、日本文化に焦点を当てつつ、身近な地域の遺跡などを題材に日本や今治市への理解を深めて参りたいと考えております。
最初に訪ねたのは、大西地域の藤山健康文化公園です。週末になると、遊具や芝生広場をお目当てに、親子連れで賑わう市民憩いの公園です。平成大合併前に大西町が整備した多目的公園ですが、その整備と並行して展望所に位置する遺跡〝妙見山古墳〟では発掘調査と保存整備が図られました。その成果が後に認められ、遺跡として初めてグッドデザイン賞を受賞し、国指定史跡にもなりました。決められた公開時間に竪穴式石槨を見学することもでき、園内には出土遺物などを展示した藤山歴史資料館もあります。学生たちには、妙見山古墳からの眺めを堪能してもらうとともに、海を意識した前方後円墳であることを実感してもらいました。園内には、5月から始まる今治地方春祭りの呼び物「継獅子」のモニュメントもあり、伝統芸能の解説も行いました。
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妙見山古墳に登頂
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妙見山古墳でリラックス |
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継獅子モニュメント |
次に訪ねたのは、朝倉地域の野々瀬古墳群です。笠松山の麓に20基ほどの円墳が群をなして点在していることから、群集墳として楽しむことができます。それらの多くは、古墳時代末期に築造されたものと考えられています。開墾で失われる前は100基ほどが確認できたそうです。中でも保存状態のいい〝五間塚古墳〟を見学しましたが、好奇心が勝って横穴式石室の中を観察する学生もいました。続いて、そこから少しバスを移動させて、周越道路沿いにある樹之本古墳も訪ねました。そこからは、仁徳天皇陵(大仙古墳)の出土鏡と類似する青銅鏡が見つかっています。被葬者は、大和政権との関係性がうかがえる、古墳時代中期の今治地方の有力者と考えられます。朝倉地域といえば山間部の印象を受けますが、今治平野の南限ととらえ、海との関係性を考える必要があります。
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樹之本古墳(右後方)前で記念撮影 |
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野々瀬の五間塚古墳 |
短大への帰り道、今治市市制50周年で整備された「市民の森」に立ち寄りました。お目当ては、見頃を迎えているボタンや今治市の〝市の花〟ツツジの観賞です。週末にバイトで忙しい留学生は、サクラを観賞する暇がなかったと嘆いていました。園内のため池で、鯉のエサやりを楽しむ学生もいました。この日は、2コマ扱いで市内陸地部の古墳めぐりとなりましたが、座学で事前学習や振り返りを行いながら、学外授業の中で日本文化を学ぶ機会を多く持ちたいと思います。
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市民の森で鯉にエサやり |