12月4日(木曜)の「地域社会論・地域交流演習」(大成経凡先生)は、37名の学生を引率し、来島海峡に浮かぶ周囲3㎞の小さな島「小島」(おしま)を訪ねました。今年は梅雨の時季にも「地域活性化論」の授業で訪ねていて、2度目の訪問となる学生が半分近くいました。前回と違う点は、あの時はヤマモモとビワが島内に実っていたこと。今回は、紅葉を楽しみつつ、実ったカキが視界に飛び込んできました。参加者のほとんどが留学生のため、食べることのできる果実に関心が向きます。この日は、急に寒気が日本列島を包み込み、12月初旬とは思えない寒さに一行は苦しめられました。
本来なら、そこが120年余り前に築造された「芸予要塞」(げいよようさい)の歴史解説をするところですが、今回は集団行動の訓練に主眼をおきつつ、今治市の貴重な観光名所を楽しんで欲しいというのが大成先生のねらいだったようです(ロシアを仮想敵国とし、敵艦の瀬戸内海侵入に備えて1902年に陸軍が築いた海岸要塞)。波止浜港桟橋から来島・小島・馬島行きの定期船をチャーターし、貸し切り気分を味わいました。いきなり、波止浜湾の造船所群の光景に驚き、沖へ進むにつれて来島海峡大橋の絶景も見えてきます。片道10分の船旅で、上陸後は標高100mの頂上・観測所跡を目指しますが、健脚なら途中の南部発電所・弾薬庫跡・中部堡塁(ほるい)などを観光しながら30分余りといったところです。上陸後、すぐに目を引いたのは、テレビドラマのロケセットにも使われた28㎝榴弾砲(りゅうだんほう)のレプリカでした。
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| 28㎝榴弾砲レプリカ |
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| 中部堡塁跡 |
歴史背景が分からずとも、ジブリ映画に出てきそうな景観に心驚かせてもらえたなら幸いです。特に頂上近くの中部堡塁跡は、「天空の城ラピュタ」そのもので、耳を澄ませばカランコロン🎵と庭園ロボットが現れそうなロケーションです。さらに頂上は観測所跡だけあって、360度パノラマのロケーションです。記念撮影に興じる学生が多く、当日一番の盛りあがりでした。来年4月開講の地域未来創生コースでは、芸予要塞跡の価値や課題を深掘りしつつ、学生自らが観光ガイドもできる知識・話術を身につけられるよう指導したいと思います。
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| 頂上の観測所跡 |
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| 南部発電所跡 |