2024年6月14日金曜日

授業紹介 地域活性化論  今治造船工場を視察(6月6日)

  6月6日午後、「日本最大の海事都市 今治」を体感しようと、日本の造船業界のリーディングカンパニーである今治造船株式会社の今治工場(今治市小浦)を地域活性化論の授業で訪問しました。今年で3年連続となりますが、毎回、同社PR用のDVD映像の内容がリニューアルされていて、業界の認知度向上や人材確保に向けた取り組みへの工夫が見てとれます。

 今年は、本科目履修生が増えたことで、2グループ(A・B)に分けて2週連続で見学をお願いすることになりました。A班は総勢33名いて、国籍の内訳は日本人12名・中国人10名・ミャンマー人8名・ベトナム人3名となります。DVD映像が小学生向けだったことが幸いし、留学生にもやさしい日本語で理解の助けとなりました。何より、参加した学生で平常の造船工場見学をしたことがある人は一人もおらず、同工場で建造される全長170~190mの鉄鋼船を間近で見ることは貴重な経験値になったことでしょう。しかし驚くことなかれ、同社の工場で最も小さいのが今治工場で、用地面積はイオンモール今治新都市ほどだとか。県内では西条市、県外では丸亀市、三原市などに巨大船の建造能力を備えた工場を有し、グループの造船会社も今治市内外にいくつもあります。東予港と大阪南港を連絡するオレンジフェリーも、グループ会社の「あいえす造船」(今治市吉海町)が建造したものとなります。

 冒頭の20分ほどは会議室で会社概要の説明を受け、その後で3班に分かれて工場の現場へと向かいました。工場関係者から拡声器を使って説明を受けるのですが、金属音・溶接音などでなかなか聞き取りづらく、それも現場を訪ねなければ分からない経験です。〝ブロック〟と呼ばれる鉄の塊が各所にあって、それらが工場内を移動しながら組み立てられていく光景を目の当たりにすることができました。ドライドックに座った船体の光景(プロペラまる見え)や船首船底の丸みを帯びたバルバスバウなど、ものづくりの凄さを感じることもできました。後で学生に感想を訊くと、〝大きさに圧倒された〟というコメントが多かったように思います。

会議室で社員から説明を受ける

工場内を移動する様子


ドライドックを見学



昨年につづいて「NHKひめポン!」(愛媛ローカル)の取材が入り、留学生の就職にスポットを当てた番組構成でその日のうちに放送されました(18時台と20時台に放送)。過去5年間で、本学卒業の留学生5人が今治市内の企業に就職しています。地元企業は人材不足の悩みを抱えており、このように授業の中で地元企業を知る機会をもつことは、短大・企業にとってお互いプラスとなります。愛媛新聞の取材も入りましたが、こちらは国際観光ビジネスコースの1年生・日本人女性がインタビューを受けました(6月12日の紙面に掲載される)。地場産業の一つである海事産業を知り、職業意識の醸成につながったなら幸いです。広い視野を培う中で、職業選択の可能性も広がっていくことでしょう。


「NHKひめポン!」の一コマ①

「NHKひめポン!」の一コマ②

インタビューに答える留学生


工場見学を終えた後は、波止浜湾岸を散策し(水門通過)、艤装(ぎそう)岸壁に係留された引き渡し間近の大型船をバックに集合写真を撮影しました。ブロック工法の建造の様子が湾岸から〝まる見え〟なのが波止浜湾の特徴で、工場内に足を踏み入れずとも産業観光ができてしまうのです。せまい波止浜湾に5社の造船工場が肩を寄せ合う光景が、世界でもここだけの希少な景観であることを知ってもらえたなら幸いです。6月13日は、もう一つのグループ・B班(ネパール人全員)が同工場を見学予定です。今治造船様に感謝です。


艤装岸壁を背景に記念撮影(波止浜湾の水門)

今治造船今治工場内で記念撮影


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