6月20日午後の「地域活性化論」(大成経凡先生)の授業は、30名の履修生とともに、タオルをテーマにした産業観光で今治市内各所をバスで巡りました。学生の国別の内訳は、日本人9名・中国人10名・ミャンマー人8名・ベトナム人3名でした。
最初の訪問地は、本学からバスで10分弱の距離にあるコンテックスタオルガーデンです(今治市宅間)。こちらは、今治有数のタオル会社であるコンテックス㈱の直販所で、昭和25(1950)年竣工の織物工場をリノベーションしています。同社では、同時期竣工の織物工場を今も現役で使用しており、古いものを大切にする社風に学ぶべき点が多いように思います。2代目近藤憲司氏は、パナソニック創業者である松下幸之助のもとで若かりし頃に働いていましたが、実家のタオル会社を継ぐべく、幸之助に惜しまれて帰郷しました。このため、敷地内には幸之助の銅像が建ち、受けた薫陶をコンテックスの経営に生かしたことが感じとれます。タオルガーデンの内観は、採光用のノコギリ屋根の窓と小屋組の洋式トラスがとても印象的で、レトロな気分を満喫できます。同ショップは、贈答用のベビー用品を買い求めるお客様が多く、買ったその場で名前を刺繍してくれるサービスもあります。知っておくと得をする、隠れ家的なタオルショップといえます。
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コンテックスタオルガーデン(内観) |
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コンテックスタオルガーデン(外観) |
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松下幸之助像(コンテックス敷地内) |
次の訪問地は、今治タオル工業組合の事務所も兼ねるテクスポート今治です(今治市東門町)。広大な紡績工場跡地に、平成3(1991)年3月オープンしました。この日のお目当ては、組合員各社のタオル商品が購入できる「今治タオル本店」で、各メーカーが自社ブランドの商品開発に励む様子が見てとれます。隣接する「今治タオル本店LAB」では、実際に織機を動かせて、常駐職員が製造工程の解説をしてくれます。今治タオルブランドを象徴する吸水性の5秒ルールも、ここで確かめることができるのです。
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今治タオル本店LAB(5秒ルール) |
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今治タオル本店LAB(織機) |
最後の訪問地は、平成12(2000)年春にオープンした、世界初のタオルをテーマにした博物館「タオル美術館ICHIHIRO」です(今治市朝倉上)。しまなみ海道開通後は、今治市陸地部で今治城跡と並ぶ観光スポットとして地域振興に貢献して参りました。入館料を払うとタオルの製造工程が見学でき、タオルを使ったアート展示を楽しむこともできます。タオルショップ・レストラン・カフェ・お土産売場も併設され、散策を楽しめる1万坪のヨーロッピアン庭園もあります。学生たちは、タオルショップに陳列されたディズニー・サンリオ・ドラえもん・プーさんなどの図案のタオル商品に見入っていました。
以上、タオル尽くしの産業観光となりましたが、次回の授業で振り返りを行い、海事産業と並ぶ今治市の基幹産業・タオルについて理解を深めたいと思います。
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タオル美術館(ムーミン像) |
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タオル美術館(庭園のブランコ) |