2022年12月12日月曜日

授業紹介「地域交流演習」「地域社会論」菊間瓦を学ぶ

12月8日(木)午後の「地域交流演習」「地域社会論」の授業では、愛媛県の伝統的特産品である菊間瓦を学ぼうと、実際に瓦をつくっている製瓦工場「錦松工房」と市が運営する瓦の資料館「かわら館」を見学しました(学生14名と引率教員1名の計15名が参加)。


市内菊間町浜の国道196号沿いにある錦松工房(店主/光野幸士氏)は、藩政時代からつづく菊間でも老舗の製瓦工場で、家屋の屋根瓦ではなく、鬼瓦や飾り瓦を専門的につくる職人〝鬼師〟を多く輩出してきました。先代の時に工場を改装してショップを設け、小売りと菊間瓦のPRに貢献してきた実績をもちます。店舗の壁に設置した大鬼瓦は、しまなみ海道開通(1999年)に合わせて、観光客の目につくよう先代8代目の光野公平氏(故人)とその弟子(長男)である9代目の光野幸士氏らが手がけたものです。


光野さんの作業に熱視線

近年、錦松工房の職人は幸士氏一人となり、家内工業的に夫婦で経営を行っています。特に力を入れているのが干支瓦で、今の時期は来年の卯のウサギが店内に多く並べられていました。学生たちは、伝統的な作業小屋の「職屋」で、実際にヘラやハケをつかってウサギの耳や毛並みを制作する工程を見学することができました。職人芸の〝ものづくり〟に対する学生たちの興味関心は高いようで、実際に毛並みを描く体験もさせていただきました。留学生の喜ぶ姿が印象的でした。


作業体験する留学生


こうした見学はふだん行えず、粘土細工の体験はJR菊間駅裏の「かわら館」の方で行うことができます。瓦を葺く住宅が減り、店をたたむ瓦屋が増えるなか、産業観光としての活路など、いぶし瓦の産地・菊間は大きな課題に直面しております。近年は、使用する粘土も淡路産のものが多いとのことで、かつて主流だった讃岐土は使わなくなったようです。


いぶし銀の完成品を鑑賞

かわら館では、希少な展示品である被爆瓦を見学しました。これは、広島市街で被爆した菊間産の瓦で、表面が火ぶくれしています。菊間瓦の窯の焼成温度は約1,000度ですが、それよりも高温になるとこうした現象が起きるようです。改めて、原爆の恐ろしさを知るとともに、かつて瀬戸内海沿岸地域で多く流通していた菊間瓦の歴史も知ることができました。後日、この日の学外授業を振り返る中で、伝統産業の現状と課題を考察したいと思います。


かわら館展示の被爆瓦(菊間産)



このページの先頭へ戻る