2022年12月7日水曜日

【FC今治コラボ授業 - 食物栄養コース 第2回 】10月28日 グリコーゲンローディングと補食

FC今治コラボ授業(食物栄養コース)では、FC今治の選手の皆さんの食生活を中心とした日常生活について学び、選手の皆さんが食べたらよい食事内容について学生が考えることを目標としています。


第2回は、FC今治トップチーム管理栄養士の河南こころ先生をお迎えして、競技にプラスになる食事選択の一つである「グリコーゲンローディングと補食」をどう活かせばよいかをお話いただき、近藤高虎選手・武井成豪選手・松井治輝選手と一緒にグループワークで意見交換を行いました。

また、この授業は一般公開とし、一般参加者もスポーツ栄養についての学びを深めていただきました。

 


はじめに、河南先生がサポートされたアスリートの食事写真を使って、トップアスリートの食事をご紹介くださいました。


意外なことに、スーパーフードが入っているといった特別なものではなく、馴染みのあるメニューばかり。遠征や合宿では、ホテルのビュッフェスタイルの食事から自分で選ぶことが多く、どのように食事を組み合わせるかがポイントとなるようでした。

また、フィギアスケートの選手は、余計な体脂肪をつけないように、油を使わない和食をメインとし、品数を多くして、栄養をしっかりとっていました。


「継続は力なり」という言葉があるように、大切なのは続けることで、いかに継続してもらうかということも考えながらサポートする必要があり、飽きないように味の工夫をしたり、手ごろな値段、手に入りやすい食材などを使って、メニューを作成しているそうです。


アスリートの裏話も聞きながら、5大栄養素をバランスよくとる基本的な食事のとり方についてお話を伺ったあと、いよいよ専門的なお話に入っていきます。


グリコーゲンローディング(カーボローディングとも呼ばれる)とは、エネルギー源(グリコーゲン)をため込む(ローディング)食事戦略のこと。炭水化物中の糖質が体内に入ることで、グリコーゲンというエネルギー源(最大約1220kcal)を筋肉と肝臓、血中に蓄えることができます。持久系の高強度で長い間走り続ける競技では、この糖質のエネルギーをたくさん使うため、最初に満タンにしておくそうです。

サッカーも、試合中の補給はなかなかこまめにできないため、事前に準備しておくことができるグリコーゲンローディングは効果的とのこと。


【試合時の栄養戦略】

▶試合前…グリコーゲンの蓄積

 パスタや白米など炭水化物を多く含む料理をたっぷりとってグリコーゲンを満タンに。

▶試合中…グリコーゲンの維持

 ようかん・ジャムパンなど、すぐにエネルギーになる吸収の速いものを。

 トップアスリートもおにぎり、バナナ、エネルギーゼリーなどを補食としている。

 食欲促進、競技中の食べやすさも大切なので、味、サイズ、包装方法などの工夫も必要。

▶試合後…グリコーゲンの回復

 糖質(筋肉の分解を抑制)とたんぱく質(筋肉の合成を促進)を一緒にとると、さらにグリコーゲンの貯蔵量がUPして疲労回復が促進される。その割合は3:1~4:1が良い。

 


\河南先生イチオシ/

①リカバリードリンク

 低脂肪乳と100%オレンジジュースの割合を1:1にすることで、グリコーゲンの貯蔵量がUPする割合である糖質とたんぱく質が3.6:1でとれる。

②アーモンド

 疲労回復を促進するビタミンEが手軽にとれる。


最後に、やっぱり食事の基本は「美味しく・楽しく」ということが大事と、笑顔でおっしゃいました。


講義の後はグループワークに入ります。

3つのグループに分かれ、それぞれのテーマで選手の実体験をふまえて話し合いました。

 



A.試合前日の夕食メニューと補食:近藤高虎選手とのグループワーク

食事:普段と同様の食事。脂質や揚げ物等をとらない。試合の時間にあわせて夕食をとる。

補食:プロテイン・バナナ

 


B.試合当日の食事と補食:武井成豪選手とのグループワーク

2日前、3日前は食べる量を増やし、当日の量は控える。

食事:うどん、おにぎり、フルーツ。あぶらっこいものをさける。

補食:バナナ、おにぎり、ゼリー

 


C.グリコーゲン再補充のための補食または食事:松井浩輝選手とのグループワーク

食事:松井選手は試合後体重が2kg程減るため、水分を中心とした食事。

   魚。油ものをさける。

補食:ゼリー、バナナ、カステラなど

 


【感想】

河南先生より

スポーツ栄養をしたいという学生は多いが、現場に行けなかったり、選手と直接話せないことがほとんどなのに、このように選手と話すことができるというのは、とても恵まれていると感じました。


FC今治選手より

地域のみなさんとこのように学ぶ機会があり、嬉しい。

こころ先生に講義していただいたグリコーゲンローディングの効果は、サッカーのパフォーマンスにつながっているのを実感できているので、参考にしてみてほしい。

また、自分の食事について再確認できてよかったと思います。


一般参加者の方より

スポーツ愛好家や、スポーツをする小・中・高校生の保護者が多く、参考になったという感想を多くいただきました。

講義終了後も質問をたくさんいただき、充実した時間となったようで嬉しく思います。



次回の公開授業では、今までの授業で学んだことをふまえて、選手の皆さんが食べたらよい食事内容を考え、みなさんにご紹介したいと思います。


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