2026年1月23日金曜日

岡村島のこどもたちと異文化交流(1月17日)

 本学非常講師の島崎義弘先生の仲介で、岡村島のこどもたちと本学ミャンマー人留学生(国際観光ビジネスコース)のジンミンソーさんとメイヤダナーさんが異文化交流を行いました。岡村島といえば、12市町村が合併した今治市にあって、平成合併前は最少人口の自治体・関前村に所属する島で、同村3つの有人島(ほか大下島・小大下島)では、役場庁舎・小中学校舎を有する最も人口の多い島でした。しかし、平成17(2005)年1月の合併当時800名弱いた村の人口も、今では300名弱にまで減少しています。この日は、岡村島で生活する8名の岡村小学校児童・関前中学校生徒全員が2名の留学生と引率の大成先生を出迎えてくれました。

 招かれた理由は、集まった児童・生徒のうち4名が、2月に家族と一緒にミャンマーを訪問するためです。その家族とは今里家で、元地域おこし協力隊の今里拓哉さんの祖父はかつて太平洋戦争末期にビルマ戦線に出征し、通信兵だったそうです。しかし、祖父の発した通信が英国軍に傍受されて味方陣地が攻撃を受け、部隊は祖父を含む2名の生存者を残して全滅。奇跡的に生還した祖父は、その負い目を感じて戦後現地に慰霊碑を建てたそうです。その慰霊碑の現状確認と家族のルーツ探しを目的にミャンマーを訪ねる予定です。そして旅立つ前にミャンマーの生活習慣や文化を知りたくて、本学の留学生にミャンマー語での挨拶や自己紹介の仕方、名前の書き方などを学び、タナカ(化粧)や民族衣装の試着にも挑戦しました。島内散策では、柑橘畑の「甘平」「レモン」や天日干しの島ヒジキなどを観賞し、大成先生の解説で鏝絵のある古民家を観光したりました。


タナカ(化粧)について説明

天日干しのヒジキ(島散策)

民族衣装を着用した生徒


 今里さんは、本学で「今治市のジャーナリスト・長井健司氏」を取り扱った大成先生の授業を新聞記事で知り、本学にミャンマー人が多く在籍することを初めて知ったようです。今里さんはネパールやフィリピンでの生活経験もあり、アジアからの留学生が多い本学にはかねてから興味を示されていました。そこで親近感がわき、今回の異文化交流会の企画につながりました。大成先生は一昨年の姫子島神社秋祭り以来の児童・生徒との再会となりましたが、こどもたちの成長を実感するとともに、昨年春に県外から移住してきた家族とも交流しました。訊けば、その場に居合わせた児童・生徒全員が兵庫県などの県外出身者で、岡村島の産まれではないのです。岡村島の暮らしにフィットし、島民の温かさや島の自然文化にふれながら成長していることを実感。ある生徒は、移住する前の都市部での暮らしが面白くなかったが、ここでは個々に役割が与えられて自己表現する機会が増え、生きがいにつながっていることを語ってくれました。

 お別れの際は、岡村港桟橋から全員で手をふってお見送りをしてくれました。参加した留学生たちも、こどもたちや島民との交流が楽しく、卒業するまでにまた行きたいとのことでした。今治港からだとフェリー・旅客船で約1時間の距離ですが、きっかけさえあれば、また訪ねたくなる場所です。岡村島は、安芸灘とびしま海道で広島県呉市の島々ともつながっており、島暮らしの地域課題や島の地域活性化を考えるうえではフィールドワークの最適地ともいえます。4月に開設される地域未来創生コースでも、その候補地として大成先生は頭に描いているようです。1月3日には、そのことを念頭に呉市豊町の大崎下島久比地区(まめなコモンズ)を視察しており、現地の若者たちと交流し、いい刺激を得たようです。今年も岡村島の秋祭りには、本学の学生を派遣し、島民との交流を通じて地域づくりのヒントを学びたいと思います。

 

お別れの挨拶(岡村港)


2026年1月22日木曜日

授業紹介「地域社会論&地域交流演習」伯方島へゆく(1月15日)

 1月15日(木曜)の「地域社会論&地域交流演習」(大成経凡先生)は、後期授業最後の学外授業となりました。43名の学生が参加し、その多くが昨年春入学の留学生ということから、学生たちがまだ今治市内で行ったことのない伯方島を観光することとしました。

  まず目指したのは、伯方島ICを下りてすぐの「伯方S・Cパーク」です。本学と包括連携協定を結ぶ㈱しまなみが管理運営する道の駅です。同所の伯方ビーチでは、夏ともなれば海水浴客で賑わい、9月に開催される「今治伯方島トライアスロン」の特設会場にもなっています。また、年中楽しめるイルカの野外水族館「ドルフィンファームしまなみ」もありますが、私たちが訪ねる数日前の荒天(強風)で浮桟橋が破損したようで、当日は臨時休業でした。小春日和のような陽気で海がないでいただけに、観光を希望する学生たちはガッカリ。ただ、観光にはアクシデントはつきもので、そこは気分を切り替えて伯方ビーチの白砂でしばしくつろいでもらいました。
背景には伯方・大島大橋が望め、キラキラ輝く海が被写体として楽しめたようです。 


伯方S・Cパークのオブジェ


伯方ビーチ


 つづいて、全国区のサクラの名所にもなってきた開山公園へ。昨年も訪ねましたが、この時季に同所で観光客に出会うことはまずありません。サクラの開花が終盤に近づくと、同所ではツツジの観賞も楽しめますが、今回はその下見のような散策となりました。標高148mの地点に建つ展望台からは、多々羅大橋だけでなく、大三島橋、伯方・大島大橋、岩城橋も見えていて、パノラマビューに関しては、大三島や大島の展望台とは違った良さがあります。花見シーズン以外でも、園内はきれいに清掃されていて、居心地のいい場所でした。他の観光客がいないため、貸し切り気分で撮影を楽しむことができました。ちょうど夕陽が近づく時間帯でしたので、下山するや同島伊方地区の熊口(くまご)港から大三島橋を間近に観賞。大三島橋は、しまなみ海道の橋で最初の昭和54(1979)年5月に供用開始となり、橋の形状は唯一のアーチ橋であります。大成先生によると、学生には大三島橋のビューポイントの一つが熊口港であることを知って欲しかったようです。


開山公園

夕陽の大三島橋(熊口港)


  さぁ、次回の授業は最終回のテストとなります。これまで今治市内の様々な観光名所や公共施設、地場産業の工場などを訪ねましたが、しっかりとふり返りを行って、感想だけでなく、自らが母国の知人・友人を今治市内で観光案内するとした場合のコース設定を提案して欲しいと思います。

2026年1月21日水曜日

授業紹介 日本を学ぶⅡ 初詣としまなみ観光②(1月9日)

今年度後期の「日本を学ぶⅡ」(大成経凡先生)の履修生は約90名を数えます。全員が国際観光ビジネスコースに所属し、ほとんどが留学生です。そのため、その他の履修科目の兼ね合い等から午前の部と午後の部に分けた時間割を実施しております。学外授業は、それぞれ4回実施したことになりますが、座学で学んだことが現地現場で生かされるよう、事前学習やふり返り学習に配慮しております。日本文化を学ぶだけでなく、集団行動や交通マナー等、地域社会へ出向かないと分からない気づきを大切にしております。

 1月9日(金曜)の午後の部は、ミャンマー人人留学生を中心とする47名が参加。その多くが昨年秋に入学したため、まだ今治市内の観光名所を訪ねたことがありません。特に島しょ部ともなれば、移動手段が自転車(シティサイクル)の留学生たちにとってはハードルが高くなります。今治市は平成の大合併で12の市町村が一つになったことで、とても広域的です。学生たちのSNSを見る限りでは、陸地部市街地周辺の今治城や織田ヶ浜での記事を確認することができました。そこで、日本人の年中行事である初詣を学ぶため、しまなみ海道有数の観光名所である大三島の大山祇神社を訪ることに!もうすぐ後期授業が終わりますので、できるだけ早い時点で島しょ部の魅力を伝えておく必要がありました。ただ、これは授業ですから、かつて〝日本総鎮守〟〝伊予国一宮〟の格式を有した大山祇神社を通じて、日本の民族宗教である神道への理解も求められます。事前学習だけでなく、現地でも大成先生が境内の各所で鳥居や狛犬、御神木やおみくじなどの解説を行いました。寒い時季ということもあって参詣者は少なく、その点は集中した学びを短時間の中で体得することができたように思います。


大山祇神社御神木


 実は前日も、本学では「地域社会論・地域交流演習」(大成経凡先生)の学外授業で同所を40名の学生が参詣しており、その時は国指定重要文化財の拝殿に昇殿し、正式参拝を体験しました。連日の参詣となった留学生が2名いたため、天気もいいことで大山祇神社以外の観光名所をハシゴすることとしました。一つは、広島県(尾道市生口島)との県境に架かる多々羅大橋を間近に望む「多々羅しまなみ公園」。1999年に開通した当時は世界最長の斜張橋で知られました。鳥が翼を広げたような外観で、これを背景に学生たちは記念撮影に興じていました。純粋に観光客気分でしたね。


多々羅しまなみ公園


もう一つは、建築家・隈研吾氏が設計した大島の亀老山展望台です。かつて全国展望所ランキングで2位にランクインしただけあって、学生たちからは歓声があがりました。観光シーズンのオフということで、他の観光客は2〜3組しかおらず、眺望を落ち着いて楽しむことができました。同所からは夕陽に照らされた今治市街を俯瞰することができ、改めて自分たちが生活する今治市がどういうまちなのかも理解できたように思います。真下の来島海峡では船が行き交い、島国日本の物流を支える海運業にも意識を向けられたなら幸いです。


亀老山展望台

 次回の授業では、この日のふり返りやこれまでの本授業のまとめを行い、次々回の後期テストにつなげたいと思います。


2026年1月20日火曜日

授業紹介 日本を学ぶⅡ 初詣としまなみ観光①(1月9日)

 今年度後期の「日本を学ぶⅡ」(大成経凡先生)の履修生は約90名を数えます。全員が国際観光ビジネスコースに所属し、ほとんどが留学生です。そのため、その他の履修科目の兼ね合い等から午前の部と午後の部に分けた時間割を実施しております。学外授業は、それぞれ4回実施したことになりますが、座学で学んだことが現地現場で生かされるよう、事前学習やふり返り学習に配慮しております。日本文化を学ぶだけでなく、集団行動や交通マナー等、地域社会へ出向かないと分からない気づきを大切にしております。

 1月9日(金曜)の午前の部は、ネパール人留学生を中心とする40名が参加。市内波方町波方地区の玉生(たもう)八幡神社を参拝し、中にはこれが初詣となった学生もいたようです。初詣というよりは、初めての訪問という方が正確かも知れません。同地区は日本最大の海事都市・今治市の海運業を象徴するまちで、船主が多く輩出されてきた地区です(瀬野汽船グループ、洞雲汽船など)。玉垣に船名(〇〇丸)を刻んだものが多く、境内にある赤煉瓦造の灯明台は大正初期に船主たちが寄進したものです。海岸そばに所在し、過去には広島県竹原市と同所を連絡するフェリー桟橋もありました。高台にある社殿からの眺めは絶景で、大三島を含む多島美を楽しむことができ、ちょうど宇和島水産高校の実習船えひめ丸の航行を確認することもできました。ローカルな神社のため、他の参詣者に会うことはなく、日本人の年中行事である初詣をじっくりと体験することができました。


玉生八幡神社


赤煉瓦灯明台

 その後は、天気も良かったので、糸山公園へ移動し、しまなみ海道で一番長い橋「来島海峡第3大橋」(糸山〜馬島、1,570m)をウォーキングすることとしました。学生たちに訊くと、男子2名が寮から馬島まで自転車で走ったことがあり、それ以外の学生は来島海峡大橋をバスで通ったことしかありません。午年にちなみ、今回は来島海峡展望館から馬島まで歩きましたが、往復で5㎞余り。のんびり歩くかと思いきや、時々小走りもまじえ、快適に歩く姿が印象に残りました。空中散歩のような感覚が心地よかったのでしょう。片道で30分かかりましたので、馬島には10分ほど滞在。エレベーターで地上に降り立ち、少し休憩をはさんでUターンとなりました。左側通行の徹底や他の通行者(特にサイクリスト)の迷惑にならないような交通マナーを意識してもらいました。時間の経過とともに、今回の経験がいい想い出になってくれたなら幸いです。


馬島上陸!


2026年1月19日月曜日

授業紹介 地域社会論&地域交流演習 大山祇神社で初詣(1月8日)

 1月8日(木曜)の「地域社会論&地域交流演習」(大成経凡先生)は、新年最初の授業ということで、しまなみ海道有数の観光名所である大山祇神社を参詣しました。参加した40名の学生のほとんどは留学生で、これまで同所を訪ねたことのある学生も半数いましたが、国指定重要文化財の拝殿に昇殿し、正式参拝を行うのは全員が初めての経験でした。初詣という日本の年中行事を経験しながら、日本人の精神文化にもなっている神道への理解も兼ねていました。


 正式参拝の模様は、神社の特別許可を得ないと撮影および本学WEB新聞への掲載はできません。撮影も、拝殿の外からしか認められず、撮影係の大成先生は神社から腕章をお借りして撮影にのぞみました。境内でも、留学生に対しては大声を出さないことや参道の歩き方など、他の参詣者に迷惑がかからないよう注意を与え、そうした緊張感のもと初詣を体験してもらいました。正式参拝の後、自由時間を少し与えたところ、やはりおみくじに興味をもつ学生がいて、5人くらいが初穂料(200〜500円)をおさめました。年々、趣向を凝らしたおみくじが登場し、風鈴のお守りつき(500円)が女子学生に人気でした。残念ながら、今年も「凶」(Bad luck)を引き当てた学生がいて、周囲をわかせました。

出ました!〝凶〟

 この日は少し肌寒く、15:30〜16:30頃に参詣しましたが、観光客もまばらでした。観光シーズンでいえば閑散期なのかも知れません。ふだんも、平日は営業していないお店が多く、広い境内では静寂さを感じとることができました。


拝殿前で記念撮影

 4月からは、新たに地域未来創生コースが誕生しますが、同コースでは変わりゆく大山祇神社周辺の賑わいや、島内で新たに誕生したゲストハウスや飲食店などにも注目して参りたいと考えております。すでに大成先生は、島内で人気の宿泊所や神社そばに新たにオープンする宿泊所の経営者らと情報交換を行っており、昨年は留学生がそれらの会社で就職活動を行いました。近年、急速にインバウンドの宿泊者が増えているようです。観光業に進みたい学生がいれば、同コースの売りであるインターンシップも活用しながら、本科目のような学外授業とリンクさせて学生の職業観の醸成につなげたいと思います。



2026年1月8日木曜日

授業紹介「地域社会論&地域交流演習」㈱しまなみによる企業説明会(12月25日)

12月25日(金)の「地域社会論&地域交流演習」(大成経凡)は、しまなみ海道沿線の道の駅を管理運営し、来島海峡の海上遊覧船やサイクルシップなどを運航する㈱しまなみの社員3名をお招きし、企業説明会を開催しました。参加した学生33名はすべて留学生で、国別内訳はミャンマー17・ネパール10名・インドネシア4名・スリランカ2名です。このうちミャンマー2名とネパール1名は、すでに同社が運営する道の駅の「多々羅しまなみ公園」と「伯方S・Cパーク」でアルバイトをしております。将来、観光業にかかわる仕事に就きたい留学生にとっては、職業観を醸成する良い機会となりました。



同社と本学とは、包括連携協定を結んでおり、同社約50名の社員のうち4名が本学の卒業生とのこと。中でも中国人の費さん(2016年度卒)は、道の駅「よしうみいきいき館」で支配人を任せられるほど信頼されています。費さんは、本学在学中から同社でアルバイトをした経験をもちます。ここ2年、本学ではネパールとミャンマーの留学生が増え、その多くが国際観光ビジネスコースに在籍しております。㈱しまなみの人事担当者からは、改めて日本語能力試験でN2以上を取得することと、本学で取得可能な観光業にかかわる資格の勉強も推奨してくれました。「私でも採用してくれますでしょうか?」というミャンマー男子留学生に対して、「N2以上が条件ではありますが、一緒になって会社を盛り立ててくれる人間性も重視したい」とのことでした。これにかぶせるように、大成先生からは「しまなみ海道にサイクリング目的でやってくるインバウンド(訪日客)に対しては、英会話の能力も求められるから、英語の勉強も頑張って欲しい」という要望がありました。


今回は、グループワークの機会も設けていただきました。あなたがもしもインバウンドをしまなみ海道で〝半日〟観光ガイドするとした場合、どういうテーマで、どの季節、どの時間帯に、どのようなコースを選び、何をアピールしたいのかというお題をお与えくださいました。4名でグループをつくらせ、15分ほど考えてもらいましたが、時間内にまとまらないグループもありました。大成先生の授業で、今治市内の観光名所をいくつも訪ねていますが、慣れないグループワークと日本語による発表に苦戦していました。あるグループは、秋に今治市街のホテルを未明5:00に発ち、亀老山展望台で日の出を見てから、帰りに自転車をレンタルして来島海峡大橋を渡り、市街へ帰ってくるというプランを提案しました。ほかのグループは、「大山祇神社を参拝して、美味しいものを食べる」「よしうみバラ公園でアイス&ソフトクリームを食べる」「今治城をじっくり観光して写真撮影をする」などがありました。まさに旅行計画を立案する力を試されましたが、大成先生としては後期試験にも取り入れようか悩むところです。


今年度、大成先生は㈱しまなみと連携し、〝修学旅行生を対象にした海事産業の教育商品〟を観光庁補助事業として開発中です。令和8年度に開講する「地域未来創生コース」では、こうした取り組みにも学生がかかわれるよう、地域との連携を推進して参りたいと思います。


2026年1月5日月曜日

宇和島東高校でミニ講義(12月22日)

 12月22日(月)、宇和島東高校で開催された進学ガイダンス(マイナビ主催)に、大成経凡先生(いまばり博士)と小林裕一郎先生(社会学博士)が参加しました。いつもと違い、「お仕事図鑑」と銘打った仕事理解型のガイダンスとなり、本学は〝社会学〟分野の説明を担うこととなりました。ちょうど、2025年春に新設される地域未来創生コースが、〝社会学的〟な知見が求められるコースのため、本学のPRも兼ねて今治の産業や宇和島の魅力について、25分×2回、合計14名にミニ講義をさせていただきました。対象となったのは同校普通科・商業科の2年生です。



 かねてから大成先生が気になっている宇和島の魅力の一つが、活魚運搬船や活魚運搬車です。南予の県民には見慣れた光景かも知れませんが、リアス海岸で盛んな養殖業とリンクする南予ならではの光景といえます(八幡浜ならトロール船)。養殖業が盛んなことは出荷量や生産額によって理解できますが、それがどのように輸送され、どの消費地に仕向けられているのかは、とても気になります。魚種だけでも多種多様です。ちょうどこの日は、ガイダンス直前に宇和島港でブリの荷役を行う活魚運搬船を見学し、待機する冷蔵トラックや活魚運搬車を目の当たりにしました。それこそ〝お仕事の光景〟を見て、それが宇和島のアイデンティティだと感じたしだいです。

大成先生は航海士の見習いをした経験があるため、東京から瀬戸内海までの航路で、南予船籍の活魚運搬船を何度も目撃しています。エネルギーを積載したタンカー同様に、半分沈んだような特殊な航行をするため、強く印象に残っているとか。どんな魚が槽内に活きた状態で泳いでいるのかは、外からは見えないため、興味を惹きます。今回は、活魚運搬船から水産業を考える視座を社会学的に導かせてもらいました。


荷役中の活魚運搬船


 郷土の偉人についても認知度を確かめました。同校は必ずしも宇和島市在住者だけではなく、本学に着座してくれた生徒だけでも、西予市・鬼北町・松野町・三間地区など広域的でした。そんな中、意外に宇和島出身の油屋熊八(別府観光の父)や高畠華宵(大正ロマンの挿絵画で一世を風靡)が知られておらず、地域への関心の低さがうかがえました。遊子水荷浦(ゆすみずがうら)の段畑も、訪ねたことのある生徒が少なかったです(大成先生と小林先生は、ガイダンス終了後、遊子水荷浦の段畑も視察)。


遊子水荷浦の段畑

地域活性化など、地域課題解決に向けた取り組みを行う際、地域の歴史文化や地場産業をグローカルな視点から探究することはとても大切で、その際に社会学の力が必要となります。あっという間の25分でしたが、最後のまとめでは、学問を自らの人間形成とともに、地域や世の中に役立てて欲しいことを伝えたしだいです。今治明徳短大が、新コースで面白いことをやろうとしている、そんなイメージを抱いてくれたなら幸いです。機会があれば、今度は宇和島を題材にした地域探究の出張講義で、生徒さんにお目にかかりたいものです。




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